ブログ「前置胎盤って言われたけど、どういうこと?帝王切開による出産」で説明した通り、前置胎盤と診断され、帝王切開となりました。
前置胎盤で帝王切開しました |
帝王切開に至るまで~特別な準備はない、オランダの診療
帝王切開に至るまで、恐ろしいぐらい、何ら特別な準備はなく、「へ?これでいいの?」と思うほど、普通に生活・・・いや、帝王切開の前日は、朝から晩まで所用があって、帰宅が夜8時過ぎとなるあわただしさで、周りから、「明日出産するなんて信じられない」等いわれました。まぁ、自分自身、帝王切開となるとは思っていなかったし、前置胎盤で、帝王切開が決まってからも、定期健診の日程は2週間に一度のみだったので、あまり実感がなかったのも事実。
緊急の検査
しかしながら途上でいろいろとありました。赤ちゃんの胎動が弱く感じられ(いつもはものすごく動くのに、静か)、病院に連絡した際には、病院にすぐに来るように言われてとても、焦ったことがあります。その時には、お腹の中の赤ちゃんの心音の検査とモニタリングが約40分、羊水の量の検査などが行われましたが、その後基本的には通常の検診スケジュールに従いました。また、それから2日後少量の出血がみられ、また赤ちゃんの胎動が弱く感じられ、再び病院に電話、夜でしたが急遽、病院で検査されました。医師は、子宮頸部が開き始め、出血がおこった可能性があると考えたようです。前置胎盤の場合、痛みを伴わない少量の出血は、「警告出血」というかなりおどろおどろしい名前で呼ばれていますが(オランダの医師はそういう言い方はしませんでしたが)その後、かなりの出血が伴う可能性があることから医師たちは慎重でした。
オランダと日本の比較
いくつか参考までに見た産婦人科のウェブサイトで「前置胎盤」で帝王切開までの説明をみるとかなりビビることばかり書いてあったので、オランダの医療機関のリラックスぶりにかなり拍子抜けしました。日本のクリニックによっては、2~3回自己血貯血したり、管理入院したり、子宮収縮抑制剤を撃ったり、あれよ、これよと忙しく準備・・・のはずが(笑)本当に驚くぐらい何もありませんでした。なので検診時、お医者さんに日本ではこういうことをしているそうですが、このまま、検診に通うだけでOKなんですか?と思わず聞いてしまいました(笑)が、こういうもの・・・という答えでした。ただし、何か異常が認められるときには、ためらわずに電話すべきとのこと!
入院時の持ち物
持ちものは基本的には、経腟分娩の際の持ものと同じです。ただ、唯一異なるのが、入院の日数。入院は2日~3日になるとのこと。オランダ基準では、思いのほか長い・・・着替えなどはちょっと多めに持っていかねばです。オランダの病院で、経腟分娩した場合、何も問題がなければ出産後2、3時間後は自宅(深夜や早朝の場合は、病院に一泊するという措置がとられる場合もある。それは、マタニティ・ケアの人が早朝には自宅に来られないことが理由・・・)にかえされます。
オランダで帝王切開した場合、一泊して翌日に自分でお手洗いに行けるようであれば、自宅に返されるようですが、前置胎盤で出血が多い場合、その限りでないので、お医者さんも、看護婦さんも、いつまでに帰れるのか、明確には教えてくれませんでした。
ちなみに、日本の帝王切開での入院日数は約1週間。経腟分娩よりも長いとはいえ、やっぱり、オランダの病院滞在日数は短いです。
帝王切開当日~帝王切開の実際
実際の手術の手順
オランダでは、帝王切開は前日入院とはなりません。当日に、検温や血圧測定等が行われました。手術室で、麻酔を挿入。麻酔の効き目が現れるのは麻酔薬を注入してからそれほど時間はかかりませんでした。帝王切開にかかった時間
一般的に帝王切開にかかる時間は一時間ほどといわれていたので、結構気軽に考えておりました。事前の説明でもそのように伝えられていましたし、実際のところ、賞味はそのようなものだったと思います。意識はある
病院に到着してまず初めに、鎮痛剤パラセタモールが処方され、その後手術室に運ばれ、麻酔が施されました。半身麻酔(腰椎麻酔・硬膜外麻酔)でおこなわれました。もし半身麻酔で効かない場合は全身麻酔になるのですが、幸い麻酔はすんなり効いてくれました。しびれるような感覚がして、胸から足までの感覚がなくなるまですぐです。麻酔の効きを待って尿管カテーテルの挿入。同時に「テント」をはって患者と同伴家族に術中の様子は見せないようにします。10㎝ちょっとは切るので、それを見せるのはかなりえぐい。へその緒を切らせてもらえる
状況が許せば、旦那がへその緒を切れるということでしたので、ビニール越しにへその緒をカット。日本でもあると聞いていますが、なんか、リボンカッティングみたいで・・・けど、妊娠を身体として経験していない夫には貴重な経験だったのではと想像します。術後
人生初の手術というわけでもなく、人生初の入院というわけでもないので、こういうものかぁと思いつつ、一番気になったのが、赤ちゃんの健康状態。なので、それを確認できるまでは、あまり痛さを感じませんでしたが、基本的に、手術・・・術後、麻酔が切れた後痛みました。
痛い、本当に・・・体を起こすことが出来ませんでした。妊娠中に失われた腹筋(笑)とあいまって、本当に体の自由がきかない。ベッドの上で体を起こすのがやっとな術後24時間でした。
帝王切開の痛みには傷の痛みと子宮収縮の痛み(後陣痛)の両方があると聞きます。痛みのピークは手術当日夜~産後2日くらいで、術後3日目くらいから少しずつ楽になっていくのだとか・・・。しかし、排尿時のの痛みは半端ないです。膀胱が傷口を押しているからなのだとか。
自分でトイレに行くことができ、シャワーを浴びれたら退院ということは聞いていましたが、亀なみにしかるけず、トイレに行くのがやっと・・・シャワー、しんどかったです。
とにかく痛いので、気を紛らわせるために、持ち込んだ書籍を読もうとするものの・・・体が起こせないので諦めました。
傷の回復に9ヶ月…医師からのアドバイス
こんなに痛いので一体回復にどれぐらいかかるのか聞きましたが、9ヶ月ほどとのこと。お腹を何層も切っているので、外側は1ヶ月ちょっとで癒えるものの、中はもっと時間がかかります。
まず、一週間はベッドで休養、家のことはしない、赤ちゃん以上重いものを持たない…階段の昇降も傷の回復を遅くするため極力しないこと....等言われました。個人差はあるそうですが、痛いので言われなくても絶対にしない!って思いました。
妊産婦の死亡率は減った・・・とはいうものの・・・
お陰様で、無事に出産を終え、術後の痛みは強く残るものの、母子ともに健康であったことは本当に幸いであったと同時、医学ゆえに・・・ということを感じざる得ませんでした。
これが、医療が乏しい地域での出産であったら・・・出血多量で母子とも命が危なかった、そもそも、出産そのものが難しかったのではないかと思います。(所謂先進国でも、母親が大量出血をして危なかったという話は聞きます。私の場合幸い、前置胎盤による胎盤癒着は起こっていませんでしたので、出血量も想定内でした。)
世界保健機関(WHO)によると、世界の妊産婦死亡数は年間30万3,000人、死亡率は0.216%、つまり、妊産婦10万人に対して216人です。単純に計算して、毎日830人が出産により死亡している計算になります。もちろん、この99%が所謂開発途上国にてのことです。
医学の進歩、医療へのアクセスの故に子どもを無事に出産することができましたが、出産はまだまだ命がけだと思いました。
ちなみに「胎盤のお持ち帰りって何?」
オランダでは、望めば、この胎盤をお持ち帰りできるようです。Birth Plan(妊婦側、家族の意向)を述べる時に、胎盤の処理について聞かれます。日本のように、へその緒として・・・というのではなく、この20㎝から30㎝の胎盤をすべて持ち帰りとのこと。
・・・ビニール袋に入れてくれるそうですが、胎盤のお持ち帰り・・・ってちょっと・・・。思わず、看護師さんに持ち帰ってどうするんですか?と聞いたところ・・・
庭に埋めて、植物の肥料に・・・ペットに与える!(げ!感染症なんかのリスクがあるんじゃないの?と思うのですが、その場では突っ込みませんでした)などでした。いやいやいやいや・・・いらないです。
夫の国では庭に埋めるようですが、今回は辞退させて頂きました。
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