聞くだけで痛そう・・・フィリピン、通過儀礼としての割礼

「明日、病院に行って”割礼”をする」・・・という小学校高学年の甥っ子たちが話していました。

フィリピンにいると一度は話題に挙がる割礼。英語ではサーカムジション(circumcision)。フィリピン各地の地方語にはそれに該当する言葉が存在しています。

ここフィリピンでは恐らく100%に近い割合で(確認はしたことはありませんが)、男子が通過儀礼として、また時に宗教的な意味合いとして「割礼」を経験しております。
フィリピンの田舎町の風景
フィリピンの田舎町の風景

割礼って何?

そもそも日本に馴染みがないこの割礼という儀式は、男子の性器の包皮の一部を切除するというもので、フィリピンでは小学校の高学年で男の子が経験します。

この割礼と言われる儀式は、旧約聖書にも書かれユダヤ教、イスラム教、そしてキリスト教といった啓典の民や先住民族の間で現在もかなりの地域で行われています。信仰の証、そして男性の場合は衛生的な理由からも良いといわれています/そう信じられています。

生後すぐに行う幼児割礼、あるいは少年時代に行う割礼があります。フィリピンでは少年時代に”自らの意思”/社会からプレッシャーの中で行う割礼が主流のため、宗教的意味はあまりないと言われています。

ポクポク?

一昔前の割礼
旦那の時代は「ポクポク」といい、コミュニティの大人がラバハと呼ばれる刃物である種の外科手術を行いました。勿論麻酔などを使用しないため、ひと世代前の男子たちはバナナの葉を噛みながら痛みを堪えたと言います。

術後は噛んでいたバナナの葉を患部に塗るというか、置くそうです。勿論患部を乾かさないといけませんので、ズボンは履かず腰布を巻いて、患部に触れないようにガニまたで歩くのだとか。それを見て身内も近所の人とも彼が割礼を終えたことを知ります。

現代の割礼
今では、上述した通り、衛生上の問題、そして痛みも伴うこと、そして施術後の跡が従来の方法では美しくないため、病院に行って麻酔を打ってもらい割礼をおこなうそうです。

病院で行う割礼は”カット”の仕方も変わるようです。現代は切れ目を三つの場所に入れている”ジャーマンカット(なんだそれ!とツッコミを入れたくなりますが・・・そんな名前なのであしからず!)”と言われる術の方法なのだとか。

近代化されましたが、術後の痛みがあることは変わらないようです。術後安静にしていないといけないため、夏休みにおこないます。

フィリピン人男子なら疑問に思うこともなく通り過ぎる一行事。そして、家族も親族も知っていますが、お祝いは特にしません。

みんな割礼やるの?

100パーセントに近い人が割礼をおこなっていますが、中にはやりたくないという人もいます。お兄ちゃんが割礼を行い、その様子を見た弟が恐れをなしたといいます。そんな子どもに親たちは様々な理由を子どもに提供します。「将来結婚できない」とか「友達にからかわれる」とか。しかし、本当に割礼をしていないとどうなるのでしょうか?

割礼していないとどうなるのか?

そんな男と結婚したくない!フィリピン人女子?!
彼女が出来る年頃となり、ステディな関係を築くころに割礼していないことが発覚すると女子に嫌がられる他、ひどい時には別れる遠因ともなってしまうといいます。

外国人、とくに割礼の風習がない地域の男性と結婚したフィリピン人女性は割礼していない夫に若干の不満を冗談を交えながら話します。

上記の男の子「割礼したくない」と言うと、お母さんに「将来結婚できないわよ」と言われたそうですが、それに対して「日本人と結婚するからいいもん」と言ったのだとか(笑)

ソポットな奴だ!

割礼していない男子は男子の間での冗談のネタになります。また、割礼していない男性の大事な部分をソポット(Supot)と夫の地方の言葉(ビコール語)では言います。この冗談は、男子のプライドに関わる問題で、かなりきついようです。

フィリピンでは、幸いなことに女性の割礼はしておりませんが、このような形で男性の割礼はほぼ100%行われています。

コミュニティで行う場合でも女子は立ち入り禁止なので実際に割礼の場所に立ち入ることはできません。一度医療チームの友人が割礼の場を写真に収めており、見せてもらいましたが・・・ああ、痛そう。

甥っ子よ、大人への第一歩・・・がんばれと静かに見守っています(汗)

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