子どもができない:夫婦の認識と周りからのプレッシャーとストレス

このたび幸い妊娠することができ、出産を控えていますが、結婚後数年、子どもができない故に周囲からのプレッシャーがありました。
フィリピンで生活していた時、近所は子どもが多い家も多く、うちら夫婦の子どもがいないこと、特に子どもがいない外国人の嫁と変に目立ちました。なんせ、田舎だったので、夫婦が居て、子どもが数人いることがスタンダードでした。
子どもができないプレッシャー
子どもができないプレッシャー



悪気はないけど・・・実母、親族からのコメント

「子どもはまだなの?」「早く孫の顔が見たいわ」「仕事もいいけど、子どもを作ることは仕事よりもっと大切なことなんじゃないの?」という実家の母、「これで子どもができたらよいのにねぇ」「子どもは作らないの?」という何気ないフィリピン側の親族の問い・・・に、「子どもを作るのは私だけじゃねぇ」旦那にもおんなじ質問しやがれ!と時にキレたくなったことしばし(まぁ、女性同士だから私に対して言いたい気持ちもわかるし、実家の母については英語が話せないから、旦那に直接もの言うことなんてできないけどね)。悪気はないのだけど、ことある毎に聞かれ、ちょっと辟易した時期も・・・。

「養子」について考えたこともあったけど・・・

夫婦で、養子について考えたこともありました。夫婦とも、「血がつながっていなければ家族にはなれない・・・!」とは思っていなかったことも理由にあります。

養子―フィリピンでは度々聞く話

養子は、フィリピンで度々聞かれ、養子を育てている人が周りにおり、日本ほど際立ったものではありません。友人夫妻、子どもがいなかったわけではありませんが、養護施設で引き取り手がいなかった子どもを引き取りその後自分の娘として育てて、もうその彼女も、高校生・・・という話もあったり、また親が面倒を見切れず、親族に預ける、養子に出すということも度々あったりします。一体いつの時代の話?と思われるかもしれませんが、経済的事情が養子の理由になることはただただあります。
また、フィリピンでは、子どもがいない夫婦に子どもを預けると、夫婦、特に母親に母性が目覚め(?!)子どもを授かるというある種の「迷信」があります。その理由で、遠方の親族から子どもの養子を受けた友人夫妻もいます。理由はいろいろですが、日本では全く聞くことがなかった話ですが、フィリピンではちょこちょこと聞いています。

こんな文脈で、我々夫婦にも養子という話がありました。・・・我々が自主的に養子を求めたということではなくて、フィリピンの子だくさんの親族が、子どもを育てきれないからと、子どもがいない我が家に養子に出そうとしていた・・・ということでした。その話をまた聞きして、「育てられないなら、作るんじゃねぇ」と激怒したこともありました。話によると、できちゃった・・・けど、子どもはもう●人いるし・・・家の経済きびしいし、あぁ、そうだ、あの夫婦子どもいないし、共働きで、経済も安定しているから・・・養子に出して育ててもらおう!・・・とのこと。

上記の通り、夫と共に「養子」を考えたこともありましたが、親族から・・・というのは、絶対ないと思っていました。特に、前述の夫妻は、大学まで出したら、(稼ぎ頭となるであろう)私たちの子どもを返して・・・と言いそうな夫婦だったので、そんな親の勝手で、子どもを養子にしたり、肉親に戻したりするのは絶対にありえないと思っていました。

フィリピンでも晩婚化の晩産化

フィリピンは、子だくさん!というイメージがあります。もちろん十代の妊娠・出産が社会問題となっています。しかし、誤解を避けるためにここで言っておくと、フィリピン全体が子だくさんというわけでもありません。
30歳代で結婚したカップル、所謂、高学歴なカップルは子どもがいないこと悩んでいたりします。当時の職場(大学)や、友人たちも我々夫婦と似たような状況で、結婚して数年経つのに、子宝に恵まれない・・・と悩んでいる人も。
我々夫婦も、30代で結婚・・・子どもがなかなかできないと悩み始めたのはそれから数年後でしたので、おのずと妊娠も遅くなりました。

認識の甘さ―自然にできると思っていた

結婚して、”自然に”子どもができるものと思っていた・・・という話はよく聞きます。我々夫婦、特に我が夫は、多産状況な田舎で育っていただめ、そう思っていたようです。なので、結婚して、数年、こどもができなかった時に、病院に行って検査をしよう!といっても、いつかはできるものだから・・・とか、仕事が忙しいと取り合ってくれませんでした(結局一人で病院に行って、お医者さんに「旦那はどこ?なんで一人で来たの?と突っ込まれました」)。
近年の晩婚化、ライフスタイル、その他もろもろから”自然と”つまり、結婚した流れで子どもができるとはならなくなってきているようです。そして、「不妊」である夫婦の数は、かなり多いようです。
日本では、不妊を心配したことがある夫婦は35.0%となり、これは夫婦全体の約2.9組に1組 の割合になります。 また、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けてい る)夫婦は18.2%となり、これは夫婦全体の約5.5組に1組の割合になります。(厚生労働省)

我々夫婦の子どもができないのは、社会的傾向の一つ・・・なんて悠長に構えてしまいたくなりましたが、いつも自然に子どもができるというわけではないことは強調しておきたいです💦 

自分たちを不妊だとは思わない

WHO、日本産科婦人科学会ともに、「1年以内に妊娠に至れない状態」と定義されているそうです。2009年10月4日に発行された、Human Reproductionのvol24に提示された定義は以下です。
不妊症(医学的定義):12ヶ月以上の定期的な性交によっても臨床的妊娠を達成できなかったことによって定義される生殖器系の疾患。
こんな風に定義されると一大事だと思いますが、大体の夫婦は、病院に行って、検査を受けたり、医師の助言を受けるまでは、きっと自分たちを不妊だとは思わないでしょう。また、検査しても「不妊」理由が明確にわかるというわけではありません。
夫を説得し、ようやく、通院し、夫婦ともに一通りの検査を受けました。検査を通して子どもができない理由がわかるのかと思いきや・・・夫婦共に健康体・・・で、不妊の明確な理由はわからないといわれました。

そもそも、不妊治療に通っているなどとは言いづらい・・・高額な医療費の自腹はきつい

国によって、文化によって、不妊の検査をしに行く、不妊治療を行っているとは言いづらいことも、子どもができない夫婦に追い打ちをかけているようにも感じます。幸い、日本では、晩婚化から、医療機関を訪れる夫婦、検査を行ったり、実際治療を受ける人たちも少なくありませんが、とある友人は、子どもはほしいけど、医学の力で子どもを授かるとは!キリスト教の原理に反する!と不妊治療は受けませんでした。

また、検査、治療にかかる費用は高い上、不妊治療として知られる体外受精は、母体にかかる負担が大きい上、やって必ず成功するわけではなく、そしてその一回の費用が高額であることから、保険でカバーされない日本のような国では、経済的な余裕がない世帯はそうした治療を受けることはできません。そうなると、子どもが欲しいけどできない夫婦は、選択肢がなくなってしまいます。

子どもができないプレッシャーは主に女性にのしかかる、しかし最後は、気にしないことに。

子づくりのプレッシャーはややもすると、女性にどしんと重くのしかかります。男性だってプレッシャーを感じるさ!という声は聞こえてくるかもしれませんが、周囲から主に言われるのは、女性であり、また不妊の原因がしっかりしていない状況で、女性が一方的に責められることもあります。

私は、幸いそのことについて責められりしたことはありませんでした。しかし、上記のように、親族から「養子」についての話が実はあった!という時は、さすがにキレました。余計なお世話であり、無責任に親に怒り、旦那に「次にこういう話が私の知らないところであったら、直接文句言ってやるから、教えて」と言ったことを思い出します。

色々ありましたが、結局は、できないなら、仕方がない・・・と思うようにしました。まぁ、そもそも、仕事のなどの都合で結婚生活●年常に一緒というわけではなかったことも大きな理由でしたし・・・一応、一通り検査を受けて調べて、子どもを授かれないわかりやすい理由がなかったことも、「仕方ない」という理由として、親族が云々言ってきたときの説明材料としました。私のように割り切り、それ以降は周りのコメントを受け流せるような心理的、物理的状況にある人ばかりではないので、やはり周りからのプレッシャーから折り合いをつけていくのは、難しいのだろうとつくづく思います。なので、こういう状況にいる夫婦が周りにいたら、ぜひ温かい目で見守ってあげてください。

参照リンク

The International Committee for Monitoring Assisted Reproductive Technology (ICMART) and the World Health Organization (WHO) Revised Glossary on ART Terminology, 2009
http://www.who.int/reproductivehealth/publications/infertility/art_terminology.pdf

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