2014年に69年ぶりに国内感染が報告されたデング熱。2016年には、フィリピンから帰国した女性がデング出血熱を発症し、死亡する事例が発生しました。以降、日本国内でもその脅威について考える機会は増えました。
しかし、他の感染症と比較して日本ではデング熱はそれほど身近な感染症ではありませんが、全世界では、年間3億9000万人が罹患しています。また今年はデング熱の発生が東南アジアで多く報告され、特にフィリピンでは14万6千人が罹患し、600名以上の死者が報告サれており、前年比で98%増です。
報告デング熱とはどんなもので、どのような症状で、感染経路があり、罹った場合にどのような治療が可能であるのか、まとめました。
1 型から 4 型まで 4 つの型のウイルスが存在します。非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデ ング出血熱やデングショック症候群の 2 つの病態が ある。
重症型のデング熱は、死に至る可能性のある合併症を伴うため、緊急な医学処置が必要です。危険な兆候は、初発症状が出現してから3~7日後に起こり、内部の出血等から激しい腹痛、嘔吐、呼吸促迫、歯肉出血、倦怠感、不穏、吐血といった症状がみられます。
日本国内の場合
かかりつけの医院や診療所で一次診療を受け、その後一次医療機関が専門医療機関に、デング熱などが疑われる患者の診断・治療や入院の要否、必要に応じた患者の受け入れなどについて相談する体制がとられています。日本感染症学会のウェブサイトに「蚊媒介感染症専門医療機関一覧」として、専門知識を有する医師が駐在する機関がリスト化されています。
医師が保健所に届け出る感染症であり、感染症法では第4種感染症※に分類されます。(※実施できる措置、分類の考え方としては、動物への措置を含む消毒等の措置が必要とされ、動物等を通して人に感染するという分類。第4種感染症には、肝炎や狂犬病等も含まれます)
海外の場合
大きな医療機関にかかること。開発途上国の田舎の病院は施設が整っていないため、診断に時間がかかることと、万が一悪化した場合の治療と入院の設備は整っていないため、小さい町で罹患した場合は大きな町の医療機関にかかることを強くおすすめします。
デング熱の場合は、白血球と血小板の数が減少するなどが見られ、急変に備えて念のための入院をすすめられることが殆どです。
症状によっては、点滴をうけたり、血漿漏出(血管の外に水分が漏れていくような病態)などの症状が現れた場合、血漿漏出による循環血液量の減少を輸液により補うことが治療の中心になります。
医療機関で受診し検査を行い、病状の変化を見逃さないこと、医療機関で適切な処置を行うことで危篤化を避けることができます。しかし、デング熱に特化した治療はなく、対処療法です。
ネッタイシマカの成虫の飛行範囲は100メートル程度、屋内に侵入して吸血します。繁殖力が強く、吸血してから5 - 7日後に1回に50-120個の卵を産み、卵は3日で孵化します。卵は乾燥に強く、乾燥して半年後でも再び水に触れれば孵化が可能。幼虫発育は27°Cの環境下では1週間、22°Cでは2か月要する。しかし、ネッタイシマカは日本には常在していません。一方、ヒトスジシマカは日本全土で確認されているため依然として注意が必要です。
輸入感染
日本国内で発症例が報告されましたが、多くは輸入感染です。海外旅行・滞在中に感染し、日本で発症したケースです。ただ、流行地でウイルスに感染した発症期の人が国内で蚊にさされ、その蚊が他者を吸血した場合、感染する可能性は低いながらもあると言われています。
ネッタイシマカは通常屋内に生息し、大抵は戸棚、ベッドの下、カーテンの裏、浴室などの暗くて涼しい場所に潜んでいます。影となる場所を作らない、それらの場所には近づかない、行かないこと。
デングが発生した場所には行かない。デングウィルスを持った蚊がいる可能性が極めて高いため、行かないことがベスト。
(著者がデング熱に罹患した時には、どこで感染したのかを聞かれました。その時は大学に席を置いていたので、大学内に流行源があることが心配されましたが、実際は違う場所で罹患していたようでした。)
海外で病気に罹ったら何をしたらよいのか?フィリピンの医療ー海外旅行保険の利用の仕方、医療機関の設備・衛生、疾病予防
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感染者は年間推定3億9000万人のデング熱、罹ったらどうする?デング熱の症状、療法と感染源とその予防について
フィリピンの田舎に滞在中にデング熱に感染したらこうなったー症状とその後の経過
オランダでの医療(1)ーオランダで病気になったらどうする?
医療はビジネス!フィリピンの医者さん、って何でこうなの?こんな人もいて、少々不快に思う件
https://www.healthmap.org/dengue/en/
日本感染症学会
蚊媒介感染症専門医療機関一覧
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=25
厚生労働省
感染症法に基づく医師の届出のお願い
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html
しかし、他の感染症と比較して日本ではデング熱はそれほど身近な感染症ではありませんが、全世界では、年間3億9000万人が罹患しています。また今年はデング熱の発生が東南アジアで多く報告され、特にフィリピンでは14万6千人が罹患し、600名以上の死者が報告サれており、前年比で98%増です。
報告デング熱とはどんなもので、どのような症状で、感染経路があり、罹った場合にどのような治療が可能であるのか、まとめました。
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デング熱とは?
デング熱は、デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、症状はとても辛いインフルエンザのようです。高熱(40℃)を伴い、筋痛と関節痛、激しい頭痛、眼の奥の痛み、筋痛と関節痛、悪心、嘔吐、リンパ節の腫脹等の症状を伴います。これらの症状は、感染した蚊に刺された後4~10日の潜伏期を経て出現し、通常2~7日間持続します。感染は、乳幼児から大人にも起こります。1 型から 4 型まで 4 つの型のウイルスが存在します。非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデ ング出血熱やデングショック症候群の 2 つの病態が ある。
重症型のデング熱は、死に至る可能性のある合併症を伴うため、緊急な医学処置が必要です。危険な兆候は、初発症状が出現してから3~7日後に起こり、内部の出血等から激しい腹痛、嘔吐、呼吸促迫、歯肉出血、倦怠感、不穏、吐血といった症状がみられます。
上記の症状が出たらすぐに医療機関へ!
初期の頃は、デング熱とはわかりづらいのですが、上記のような体調の場合はすぐに医療機関に行きましょう。日本国内の場合
かかりつけの医院や診療所で一次診療を受け、その後一次医療機関が専門医療機関に、デング熱などが疑われる患者の診断・治療や入院の要否、必要に応じた患者の受け入れなどについて相談する体制がとられています。日本感染症学会のウェブサイトに「蚊媒介感染症専門医療機関一覧」として、専門知識を有する医師が駐在する機関がリスト化されています。
医師が保健所に届け出る感染症であり、感染症法では第4種感染症※に分類されます。(※実施できる措置、分類の考え方としては、動物への措置を含む消毒等の措置が必要とされ、動物等を通して人に感染するという分類。第4種感染症には、肝炎や狂犬病等も含まれます)
海外の場合
大きな医療機関にかかること。開発途上国の田舎の病院は施設が整っていないため、診断に時間がかかることと、万が一悪化した場合の治療と入院の設備は整っていないため、小さい町で罹患した場合は大きな町の医療機関にかかることを強くおすすめします。
デング熱による発疹 これが腕と足を中心に現れます |
しかし、医療機関でできることは限られている?
医療機関では問診から、デング熱が疑われ、血液検査と尿検査が行われます。デング熱の場合は、白血球と血小板の数が減少するなどが見られ、急変に備えて念のための入院をすすめられることが殆どです。
症状によっては、点滴をうけたり、血漿漏出(血管の外に水分が漏れていくような病態)などの症状が現れた場合、血漿漏出による循環血液量の減少を輸液により補うことが治療の中心になります。
医療機関で受診し検査を行い、病状の変化を見逃さないこと、医療機関で適切な処置を行うことで危篤化を避けることができます。しかし、デング熱に特化した治療はなく、対処療法です。
フィリピンでの民間療法
病院でできることは、悪化した場合の対処と強制的に休養させるのみと言っても過言ではありません。そのため、デング熱が多い地方では、様々な民間療法があります。まず、著者が体験したのはドリアンを食べること。そして、ハーブの煎じ茶を飲むこと。これらのハーブや食べ物を食べることで症状が良くなる等医学的検証はありませんが、医療機関にアクセスできなかった人たちの経験からの知恵でしょう。小児が危篤化する
大人がかかってもキツイこの病気、子どもが掛かった場合は、より注意が必要であることは言うまでもありません。友人が幼少のころにかかり、入院。死にかけたと言っていました。痛さに耐えられないのと、この病気を乗り切る体力が子どもにないのだと思います。2度めの罹患の可能性もある!重症化するケースも
デング熱は4つの血清型にわかれています。つまり、4種類あります。実は、著者は2回ほどデング熱にかかっております。2度目の時は一度目と比較にならぬほど辛いものでした。過去に感染したことのある患者が他の型のデングウイルスに感染した場合、初回の感染で中和能を有さない交叉性抗体(感染増強抗体)が多量に産生され、2回目の感染時に大量の免疫複合体が血液中に形成される。その影響から、体内の炎症が強く現れデング出血熱を来すと考えられているという。つまり、過去に感染歴のある人は、重症化するデング熱にかかる可能性が極めて高くなります。著者の場合は過去に2度かかっていますので、3度目うっかりかかってしまったらまさに命取りです。
回復期
病気に打ち勝つ体力を持つ大人が掛かった場合は、1週間もすれば体調は改善にむかいます。ただし、体力はすぐに回復しない場合がほとんどのはずであるため、回復期は無理をしないこと。感染源は?
デング熱は雌の蚊、主に吸血性のネッタイシマカあるいは、ヒトスジシマカによっても伝播されます。これらの蚊はデング熱の他、ジカ熱、西ナイル熱、チクングニア熱、黄熱などの感染症も媒介します。ネッタイシマカの成虫の飛行範囲は100メートル程度、屋内に侵入して吸血します。繁殖力が強く、吸血してから5 - 7日後に1回に50-120個の卵を産み、卵は3日で孵化します。卵は乾燥に強く、乾燥して半年後でも再び水に触れれば孵化が可能。幼虫発育は27°Cの環境下では1週間、22°Cでは2か月要する。しかし、ネッタイシマカは日本には常在していません。一方、ヒトスジシマカは日本全土で確認されているため依然として注意が必要です。
輸入感染
日本国内で発症例が報告されましたが、多くは輸入感染です。海外旅行・滞在中に感染し、日本で発症したケースです。ただ、流行地でウイルスに感染した発症期の人が国内で蚊にさされ、その蚊が他者を吸血した場合、感染する可能性は低いながらもあると言われています。
感染を予防するには?
ワクチン?
現時点で、デング熱には感染予防のためのワクチンも薬剤は開発中ながらも完成には至っておりません。ウイルス保有の蚊に刺されると感染する恐れがあるため、とにかく蚊に刺されないようにすることが最大の予防となります。蚊の生息している場所には近づかない
蚊に刺されるリスクは、早朝、夜明けから数時間の間、夕方から日没にかけての時間に最も高くなります。しかし、いつでも蚊は刺すものと思って間違いありません。ネッタイシマカは通常屋内に生息し、大抵は戸棚、ベッドの下、カーテンの裏、浴室などの暗くて涼しい場所に潜んでいます。影となる場所を作らない、それらの場所には近づかない、行かないこと。
デングが発生した場所には行かない。デングウィルスを持った蚊がいる可能性が極めて高いため、行かないことがベスト。
(著者がデング熱に罹患した時には、どこで感染したのかを聞かれました。その時は大学に席を置いていたので、大学内に流行源があることが心配されましたが、実際は違う場所で罹患していたようでした。)
服装に気をつける
虫よけを塗る、蚊が多い場所に行く場合は、暑くても長袖と長ズボンを履き、露出を少なくする必要があります。とはいうものの、フィリピンの蚊は服の上からも刺してきます。ただ、露出度が少ない服装は防止策としては有効です。関連ブログ
死者数は年間75万人?地球上で最も危険な生物!「蚊」との闘い海外で病気に罹ったら何をしたらよいのか?フィリピンの医療ー海外旅行保険の利用の仕方、医療機関の設備・衛生、疾病予防
フィリピンで病気になったらーウォーターセラピーから呪術まで
感染者は年間推定3億9000万人のデング熱、罹ったらどうする?デング熱の症状、療法と感染源とその予防について
フィリピンの田舎に滞在中にデング熱に感染したらこうなったー症状とその後の経過
オランダでの医療(1)ーオランダで病気になったらどうする?
医療はビジネス!フィリピンの医者さん、って何でこうなの?こんな人もいて、少々不快に思う件
参照ウェブサイト
デング熱マップhttps://www.healthmap.org/dengue/en/
日本感染症学会
蚊媒介感染症専門医療機関一覧
http://www.kansensho.or.jp/modules/topics/index.php?content_id=25
厚生労働省
感染症法に基づく医師の届出のお願い
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/kekkaku-kansenshou11/01.html
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