人の命を奪う生き物と聞くと、映画ジョーズの「(ホオジロ)サメ」の恐ろしい姿、日本でも時々報道されている「くま」、猛毒を持つ「蛇」等がイメージされます。しかし、地球上で最も人間の命を奪っている、人類生物は、それらの生物ではなく「蚊」です。
関連ブログ「感染者は年間推定3億9000万人のデング熱、罹ったらどうする?デング熱の症状、療法と感染源とその予防について」
これまでに国際的な取り組みでその致死率は60%減少しましたが、WHOによると、世界で年間約2億人が感染し、約40万人が亡くなっていると言われており、その死者の多く(90%)が、サハラ以南のアフリカ地域に集中しています。
マラリアに感染して、亡くなる多くは乳幼児および5歳未満の子ども、妊婦、HIV/AIDS患者、並びに免疫力を持たない移住者や旅行者等です。
これらの蚊に刺されたら、病気に絶対かかるという意味ではありませんが、病気の原虫を身体に宿している場合は、それらの病気に感染する可能性があります。
デング熱の発症例の多いフィリピンでの蚊の対処
フィリピンでは、無茶苦茶に蚊に刺されます。田舎町、田んぼに囲まれ、尚且つ先週の洪水のたまった水からも大量に蚊が発生。毎日日暮れから夜寝るまでの時間に蚊にこれでもか!というほど刺されます。それ故に、以下のような方法で対処しています。
蚊取り線香
日本では、この煙を出すタイプの蚊取り線香はあまり見かけなくなりましたが、フィリピンではサリサリストア(雑貨店)で一個2ペソで販売しています。
使い方は、火をつけて煙を出すこと。しかし、それではその煙をかいくぐって、蚊は確実にやってきます。そのため、座る椅子の真下で炊くことも。すると流石に蚊は寄ってきません。しかし、困ったことにその近くの人間が大量の煙を吸引することになります。
発がん性があるベンゼンを含んでおり、6畳間で1時間炊いたときのベンゼン濃度は大気汚染基準値を超えているため、燃焼時間の短縮や換気が必要とのこと。
蚊帳
蚊帳によって、蚊を近づけることを防ぐことができます。しかし、蚊が多すぎて蚊帳の出入りの時に数匹の蚊が侵入することもありますので注意。また、言うまでもないことですが、穴の開いた蚊帳では、蚊が侵入し放題になるので、穴は絶対塞ぐこと。
マラリアが多い地域では、住友化学の開発した「オリセット ネット」等殺虫剤入りの蚊帳等もあります。
電気ショックー電撃殺虫ラケット
蚊を電圧でやっつけるという機器「Mosquito swatter」で ハエ叩きならぬ、蚊叩き。形はなんとテニスのラケットのよう!スイッチをオンにして蚊がいるであろうあたりにかざし、蚊にあたると蚊が電気ショックで落ちるという仕組み。
何とも残酷な機器。その残酷さ(汗)とラケット局面に蚊が当たった時に生じる電気ショック音に少々ビビりますが、家内の蚊の数を減らすことができます。
蚊にお気をつけください。
参照ウェブサイト
10 facts on malaria
https://www.who.int/features/factfiles/malaria/en/
遺伝子組み換え菌、マラリア媒介の蚊を強力駆除=最新研究
https://www.bbc.com/japanese/48469623
そのように聞くと、拍子抜けしますが、蚊を媒介する病気によって亡くなる人の数は年間75万人といわれます。
蚊が倍加する主な病気とその死者数
蚊が媒介する病気は、ジカウイルス感染症(ジカ熱)デング熱、チクングニア熱、ウエストナイル熱、マラリア、黄熱等です。マラリアでは約40万人、デング熱では約2万5千人が年間亡くなっています。関連ブログ「感染者は年間推定3億9000万人のデング熱、罹ったらどうする?デング熱の症状、療法と感染源とその予防について」
死者数が多いのがマラリア!
マラリアはマラリア原虫(Plasmodium)という寄生虫によって引き起こされる疾患です。その寄生虫を保有しているハマダラカに刺されて感染します。人にマラリアを引き起こす原虫は5種類で、熱帯熱マラリア原虫と三日熱マラリア原虫が生命に最も大きな危険をもたらします。これまでに国際的な取り組みでその致死率は60%減少しましたが、WHOによると、世界で年間約2億人が感染し、約40万人が亡くなっていると言われており、その死者の多く(90%)が、サハラ以南のアフリカ地域に集中しています。
マラリアに感染して、亡くなる多くは乳幼児および5歳未満の子ども、妊婦、HIV/AIDS患者、並びに免疫力を持たない移住者や旅行者等です。
全ての蚊はみな血を吸うの?
蚊は確認されただけで3,500種あると言われていますが、そのうちで吸血性の蚊は数百種類です。また、血を吸うのは産卵期の雌の蚊です。雄の蚊は植物の蜜等を吸っています!雌の蚊も同様に植物の蜜を吸いますが、産卵期に養分を得るために吸血を行います。
蚊の吸血の仕組みとは?
蚊の口吻は、1つの束になった6本の針と、それらを覆う鞘上の下唇で覆われてり、意外と複雑です。
皮下組織を切り裂くノコギリ状の2本の針、針の束を差し込んだ状態に維持するための針が2本、残りの2本のうちの1本は、血管を感知する受容体を先端に備えており、体内の血液のありかを探り当て、また他の一本は唾液を体内に注入します。
蚊の唾液には皮膚の感覚を鈍らせる麻酔成分と血液の凝固を防いで吸血しやすい成分が含まれています。
繁殖力が極めて高い蚊
雄の蚊は、体内に精子を蓄えており、1回で最大数百個の卵を受精させます。精子の数もさることならが、ジカ熱を媒介する種類の蚊であるネッタイシマカの雌の蚊は生涯5回から6回産卵するというすごい繁殖力です。
気候・また蚊の種類によりますが、蚊は卵の状態から成虫になるまで約10日かかります。雄の蚊は、成虫になってから数日、雌の蚊は約30日から40日の寿命です。そのため、10日弱に一度は産卵しており、その度に吸血していることになります。
気候・また蚊の種類によりますが、蚊は卵の状態から成虫になるまで約10日かかります。雄の蚊は、成虫になってから数日、雌の蚊は約30日から40日の寿命です。そのため、10日弱に一度は産卵しており、その度に吸血していることになります。
病気を媒介する蚊
蚊自体が猛毒を持っているわけではもちろんなく、蚊が病気を媒介します。病原体は血液と共に蚊の体内に吸い込まれて、かの体内を移動し、唾液腺にとどまり、次の吸血の際に唾液に混じって次の宿主の体内に入ります。マラリアは、マラリア原虫を宿した蚊に吸血されることで広がります。
蚊の種類 | 生息地 | 媒介する病気 |
ネッタイシマカ | 市街地に生息 | ジカ熱、チクングニア熱、黄熱、デング熱 |
ヒトスジシマカ | 墓地、公園、竹藪、雑木林に生息、日中も刺す。 | ジカ熱、チクングニア熱、デング熱 |
ヘマゴグス属 | 蒸し暑い熱帯雨林に生息 | 黄熱 |
ハマダラカ属 | 淡水湿原、塩性湿地、マングローブ林、水田、側溝、川の沿岸、水たまりなど | マラリア、リンパ系フェラリア症 |
ネッタイイエカ | 汚水に好んで生息 | リンパ系フェラリア症、ウエストナイル熱 |
これらの蚊に刺されたら、病気に絶対かかるという意味ではありませんが、病気の原虫を身体に宿している場合は、それらの病気に感染する可能性があります。
蚊を媒介した病気を防ぐために
産卵場所を一掃する、幼虫のボウフラを音波で殺す、遺伝子操作等を行い蚊の繁殖を防ぐなどの手法の研究がすすめられ、研究の結果は概ねよいようで、実用化されるまでそれほど時間を要しないと思います。しかし、新しい技術の導入までの期間、どうしたら良いのか?一般市民は考えてしまいます。デング熱の発症例の多いフィリピンでの蚊の対処
フィリピンでは、無茶苦茶に蚊に刺されます。田舎町、田んぼに囲まれ、尚且つ先週の洪水のたまった水からも大量に蚊が発生。毎日日暮れから夜寝るまでの時間に蚊にこれでもか!というほど刺されます。それ故に、以下のような方法で対処しています。
蚊取り線香
フィリピンで販売されている蚊取り線香 |
使い方は、火をつけて煙を出すこと。しかし、それではその煙をかいくぐって、蚊は確実にやってきます。そのため、座る椅子の真下で炊くことも。すると流石に蚊は寄ってきません。しかし、困ったことにその近くの人間が大量の煙を吸引することになります。
発がん性があるベンゼンを含んでおり、6畳間で1時間炊いたときのベンゼン濃度は大気汚染基準値を超えているため、燃焼時間の短縮や換気が必要とのこと。
蚊帳
蚊帳によって、蚊を近づけることを防ぐことができます。しかし、蚊が多すぎて蚊帳の出入りの時に数匹の蚊が侵入することもありますので注意。また、言うまでもないことですが、穴の開いた蚊帳では、蚊が侵入し放題になるので、穴は絶対塞ぐこと。
マラリアが多い地域では、住友化学の開発した「オリセット ネット」等殺虫剤入りの蚊帳等もあります。
電気ショックー電撃殺虫ラケット
蚊を電圧でやっつけるという機器「Mosquito swatter」で ハエ叩きならぬ、蚊叩き。形はなんとテニスのラケットのよう!スイッチをオンにして蚊がいるであろうあたりにかざし、蚊にあたると蚊が電気ショックで落ちるという仕組み。
何とも残酷な機器。その残酷さ(汗)とラケット局面に蚊が当たった時に生じる電気ショック音に少々ビビりますが、家内の蚊の数を減らすことができます。
電撃殺虫ラケット |
関連ブログ
参照ウェブサイト
10 facts on malaria
https://www.who.int/features/factfiles/malaria/en/
遺伝子組み換え菌、マラリア媒介の蚊を強力駆除=最新研究
https://www.bbc.com/japanese/48469623
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