フィリピンで医療は、「顧客のニーズ・満足は無視された、金儲けのための道具」・・・とは言い過ぎなものの、極めてクリニック側の利益が意識された行為であると感じます。
30分から40分過ぎて医師は自宅から、医院に到着。慌ただしく問診が始まり、問診の結果、検査となりました。しかし、検査はその受診した医院から車で10分弱の他の医院で受けるようにすすめられます。なぜ移動して検査を受けねばならないかと言うと、その医師は、掛け持ちしている医院に著者を問診後、移動する必要があるため。医師の都合によるものです。著者は、痛みのため、移動は困難であると訴え、ようやく受診したクリニックでの検査が許されましたが、医師の都合で患者が振り回されることを体験します。
問診、検査を終え、薬が処方されましたが、その薬が高くて驚きました。医師が提携する薬剤会社の販売する薬です。もちろん、医師は薬剤会社との提携等については、何ら口にすることはありませんが、医院にいる際に何も知らされず作らされた「お薬カード」からも明らかです。
「お薬カード」は特定のブランド薬を購入する際に提示することでディスカウントを受けられるというもので、医師にやや強引に登録させられました。しかし、ブランド薬はジェネリックの2倍から3倍の値段がするほか、ディスカウントも微々たるものです。
フィリピンの医療システムにすっかり疲れてしまいましたが、これは著者が経験した特異なケースなのでしょうか。
しかし、具合が悪くて病院に来ている患者に医師の都合で移動しなければならない不便を彼らは考えたことがあるのか、気になります。
例えば、著者は以前にデング熱に罹ったことがありますが、その際受けた血液検査の前、検査費を支払いました。支払いがないと、次の医療にすすめないという仕組みです。これはフィリピンの医療に限ったことではありませんが、日本の仕組みとは異なるため、少々、具合が悪い時には、早く検査してほしいという気持ちでいっぱいになります。
薬局で値段を尋ねると、一錠47ペソ、日本円にして100円以上とのこと。それを一日3回、1週間分処方されました。薬剤師さんにジェネリック、同じ成分配合の薬がいくらなのか聞いてみました。お値段は半額以下の17ペソでした。
医者としてジェネリックをすすめられない理由もあるのでしょうが、フィリピンのような医療制度が整っていない国では、その金額の薬だったら実際買えない人は多いハズです。
日本円で12万程ですが、フィリピンの平均給与1万ペソ前後を考えてみても、かなりの大金であることが想像できるのではないかと思います。
製薬会社の医薬情報担当者が、医師にカードを渡します。医師は、それら製薬会社から渡されたカードを患者に登録させます。患者がその登録したカードを利用して薬を購入した場合、医薬品購入に費やした額がカウントされる仕組みになっています。その薬の売上に応じて、製薬会社から医師に対してお金が支払われる仕組みです。
低所得者程、医師の指定するブランド薬を購入する傾向があるようです。
そのため、それらの友人たちは、医師に事前に帝王切開の理由の説明を受けたことが予想されるのですが、実際の所さしたる理由もなく、帝王切開をすすめられるようです。
フィリピンでは、公立病院で自然分娩に罹る費用は2,000ペソから、市立病院での30,000ペソ前後ですが、帝王切開では80,000ペソ以上の費用が必要になります。そのため、多くの場合、医師の収入増につながる帝王切開が推奨されると言われています。
統計上では、フィリピンは帝王切開による出産が日本と比較して低いようですが、医療設備が整ったクリニックで分娩する社会階層で、帝王切開での分娩が多いのではないかと予想されます。
お医者さん、もうちょっと貧乏人に優しくなれないのでしょうか。
顧客のニーズ・満足度は無視された医療を経験
具合が悪くなり、フィリピンで医者にかかったときのこと。医師は、診療時間になってもなかなか診察室、医院には現れず、激痛を堪えてままひたすら医師が現れるのを待つことになりました。30分から40分過ぎて医師は自宅から、医院に到着。慌ただしく問診が始まり、問診の結果、検査となりました。しかし、検査はその受診した医院から車で10分弱の他の医院で受けるようにすすめられます。なぜ移動して検査を受けねばならないかと言うと、その医師は、掛け持ちしている医院に著者を問診後、移動する必要があるため。医師の都合によるものです。著者は、痛みのため、移動は困難であると訴え、ようやく受診したクリニックでの検査が許されましたが、医師の都合で患者が振り回されることを体験します。
問診、検査を終え、薬が処方されましたが、その薬が高くて驚きました。医師が提携する薬剤会社の販売する薬です。もちろん、医師は薬剤会社との提携等については、何ら口にすることはありませんが、医院にいる際に何も知らされず作らされた「お薬カード」からも明らかです。
「お薬カード」は特定のブランド薬を購入する際に提示することでディスカウントを受けられるというもので、医師にやや強引に登録させられました。しかし、ブランド薬はジェネリックの2倍から3倍の値段がするほか、ディスカウントも微々たるものです。
フィリピンの医療システムにすっかり疲れてしまいましたが、これは著者が経験した特異なケースなのでしょうか。
医師の医院・病院の掛け持ち
フィリピンでは、お医者さんが異なる医院での診療業務を掛け持ちしてることがあります。特に地方ではそれが顕著です。なので、○曜日は○○病院に、△曜日は△△医院にという感じなので、先生も時に「私は○○にいるので、結果が出たらこっちに来てね」と、患者に伝える形になります。しかし、具合が悪くて病院に来ている患者に医師の都合で移動しなければならない不便を彼らは考えたことがあるのか、気になります。
お金がなけりゃ、医療は受けられない
医療に対して支払うのは当然のことですが、フィリピンではそれが仕組化されています。医院で、問診をうけてから検査となった場合、検査一つ一つに対して、検査の前にお金を支払わなければなりません。例えば、著者は以前にデング熱に罹ったことがありますが、その際受けた血液検査の前、検査費を支払いました。支払いがないと、次の医療にすすめないという仕組みです。これはフィリピンの医療に限ったことではありませんが、日本の仕組みとは異なるため、少々、具合が悪い時には、早く検査してほしいという気持ちでいっぱいになります。
処方薬で医師が受ける見返り
上記の体験談のように「お薬カード」を発行されることがあります。カードで「登録」後、有名製薬会社の薬が処方されました。薬局で値段を尋ねると、一錠47ペソ、日本円にして100円以上とのこと。それを一日3回、1週間分処方されました。薬剤師さんにジェネリック、同じ成分配合の薬がいくらなのか聞いてみました。お値段は半額以下の17ペソでした。
フィリピンでは、医師が薬剤会社からリベートを受けることもしばし・・・ |
「お薬カード」の仕組み
フリーランスのお仕事でフィリピンの医療事情に関する翻訳をしたことがありますが、その本に書かれていた文章が蘇ってきます。医療品売り上げの一部が医師へ現金で支払われるシステム・・・〈略〉6万ペソ?
低所得者の患者ほど医師の処方通りに購入する・・・〈略〉
15日~30日事ごとに、医薬情報担当者から医師への取り分が支払われる。・・・多くの医師は複数の卸売業者と契約しているので毎月6万ペソは得ている。p149 医療アクセスとグローバリゼーション
日本円で12万程ですが、フィリピンの平均給与1万ペソ前後を考えてみても、かなりの大金であることが想像できるのではないかと思います。
製薬会社の医薬情報担当者が、医師にカードを渡します。医師は、それら製薬会社から渡されたカードを患者に登録させます。患者がその登録したカードを利用して薬を購入した場合、医薬品購入に費やした額がカウントされる仕組みになっています。その薬の売上に応じて、製薬会社から医師に対してお金が支払われる仕組みです。
低所得者程、医師の指定するブランド薬を購入する傾向があるようです。
自然分娩よりも帝王切開を推奨?
著者の周囲では、病院で帝王切開で出産した!医師に帝王切開をすすめられたという話をよく耳にします。帝王切開の理由は、定期健診の段階で、経膣分娩ではリスクが大きいことが事前にわかっている場合(逆子、多胎妊娠、妊娠高血圧症候群等等)は、母体と赤ちゃんの安全を守るために医師から帝王切開を勧められることがあります。そのため、それらの友人たちは、医師に事前に帝王切開の理由の説明を受けたことが予想されるのですが、実際の所さしたる理由もなく、帝王切開をすすめられるようです。
フィリピンでは、公立病院で自然分娩に罹る費用は2,000ペソから、市立病院での30,000ペソ前後ですが、帝王切開では80,000ペソ以上の費用が必要になります。そのため、多くの場合、医師の収入増につながる帝王切開が推奨されると言われています。
統計上では、フィリピンは帝王切開による出産が日本と比較して低いようですが、医療設備が整ったクリニックで分娩する社会階層で、帝王切開での分娩が多いのではないかと予想されます。
医療はビジネスだ!
こうなると、医療はビジネスです。儲けないと成り立ちませんが、貧困層が未だに多いこのフィリピンで、医療のビジネス化が意味することは、低所得層がそれらサービスを受けられない=治療を諦めること、です。治療の故の借金という話もしばし聞きますが、何ともやるせない話です。お医者さん、もうちょっと貧乏人に優しくなれないのでしょうか。
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