日本人がフィリピンで生活するにはいくら必要か?ー生活費を算出してみた

時々、「フィリピンで生活するには、毎月いくらぐらい必要ですか?」という質問をフィリピンで年金生活したい人、留学で長中期滞在したい邦人から生活水準に関する質問を受けることがあります。ブログ「検証:フィリピンでは5人家族が10,727ペソ(23,000円)で生活できるのか?」では、フィリピンが算出した、最低限の生活費をご紹介しました。やはり、約23,000円では、少々かつかつです。

「毎月必要な額」に対して、まず、どこの都市に移住を希望され、家族は何人で、どのような生活水準を望んでおられ?健康状態はいかがですか?等ということを伺います。これがないことには、いくら必要か、とはなかなか申し上げられません。

しかし、よくいただく質問なので、夫婦二人で生活するとして、生活場所別に概算のパターンをいくつか、ご紹介したいと思います。概算には、交通費、エンタメ代、医療費は含まれておりませんのであしからず。

いくら必要
いくら必要
(c)ぱくたそ

マニラで生活する場合

警備員がいるコンドミニアムで生活する場合

マニラ圏のコンドミニアムはピンキリですが、清潔・安全、そして時々日本的な食生活を楽しみつつ生活を送りたい場合の試算は以下のようになります。
  • 家賃:20,000ペソ(約44,000円)
  • コンドの共益費:2,000ペソ(4,400円)
  • 水道代:500ペソ(1,100円)
  • 電気代:500ペソ~1000ペソ(1,100円~2,200円)
  • ガス代:800ペソ(1,750円)
  • インターネット:1,000ペソ(2,200円)
  • 飲み水代560ペソ(1,230円)
  • 洗濯代:500ペソ(1,100円)※警備員がいるようなコンドでも、洗濯機を備え付けている物件はそうそうありません。
  • 食費(自炊):700ペソ/1日(1,530円)=21,000ペソ(約46,000円)※日本的な食事、日本食を作る場合
合計は、約46,860ペソ(102,880円)

これで、もちろん月に何度か外食する場合は、2人で500ペソ~1,000ペソ/1回、あるいはもっとかかりますので、毎月15万円ほどの出費になるのではないかと思わます。
ちなみに、コンドミニアムによっては、ジムや屋外にプールなどもあり、入居者は無料あるいは、いくらか100ペソ前後を払って使用することができたりします。新しいコンドミニアムだと、リゾート地にいるような気分となります。

マニラ首都圏で家を借りた場合

外国人がマニラで家を一軒借りて生活するというケースは、あまり聞かれませんが、家屋
を借りて生活する場合の生活費は本当に、家屋の家賃段次第です。大家さんとの関係がよくて、お屋敷のような大きな家(8つのベットルームがある)を20,000ペソ(約44,000円)ほどで借りているという友人、マカティ市という金融や商業の中心地にほど近い場所でタウンハウスを10,000ペソ(22,000円)で借りている友人もいます。その他の費用についてはコンドで生活する場合とあまり変わりありません。

マニラ近郊で生活する場合

家屋やアパートを借りて生活する場合
リザール、アンティポーロ、カインタと言われる郊外になると、家屋の値段は少々落ち着きます。しかし、家賃が安い家屋は、窓が少なくて、昼間でも室内で電気をつけなければならないような住居であったりします。狭く、換気がよくないけど、安ければ安いほどいい!という場合は、3,000ペソ台から家屋が見つかる可能性があります。

  • 家賃:3,000ペソ~8,000ペソ(約6,600円~17,500円)
  • 水道代:500ペソ(1,100円)
  • 電気代:500ペソ~1000ペソ(1,100円~2,200円)
  • ガス代:800ペソ(1,750円)
  • インターネット:1,000ペソ(2,200円)
  • 飲み水代560ペソ(1,230円)
  • 洗濯代:500ペソ(1,100円)
  • 食費(自炊):440ペソ/1日(940円)=13,200ペソ(約28,200円)※日本食材等が入手しづらくなるため、食事がローカル化する傾向がでてきます。

合計:20,060ペソ(約43,280円)

首都圏に出勤しないといけない場合は、通勤時間がかかる地域です。そして、首都圏マニラと同じく、人が多いので、静かに過ごしたいという人にはあまり向かない地域かと思います。
ただ、マニラには頻繁に行かないけど、首都から遠ざかりたくないという場合、そして生活費を安くしたいという人向けだと思います。

地方の中心都市で生活する場合

家屋やアパートを借りて生活する場合

地方の都市部で生活する場合の生活費とマニラ郊外で生活する場合の生活費は大きく変わらないと思われます。一方で、地方都市の家屋の状態、立地環境はマニラ郊外の物件よりも生活しやすく、よく探せば、そこそこよい状況の物件を比較的安価に借りることができます。

  • 家賃:3,000ペソ~8,000ペソ(約6,600円~17,500円)
  • 水道代:500ペソ(1,100円)
  • 電気代:500ペソ~1000ペソ(1,100円~2,200円)
  • ガス代:800ペソ(1,750円)
  • インターネット:1,000ペソ(2,200円)
  • 飲み水代560ペソ(1,230円)
  • 洗濯代:500ペソ(1,100円)
  • 食費(自炊):440ペソ/1日(940円)=13,200ペソ(約28,200円)※日本食材等が入手しづらくなるため、食事がローカル化する傾向がでてきます。

合計:20,060ペソ(約43,280円)

私見ですが、マニラにこだわらないならば、地方都市に生活するのがおすすめです。地方都市でも、国際空港がある地域などは、日本との往来も容易となります。わざわざ、込み合っているマニラに行かず、日本に帰国できる地方都市をフィリピンの生活の拠点にするというのもいいのではないでしょうか。

何が高くつくのか?

上記の試算には含めませんでしたが、フィリピンの生活費に必ず計上しておくべきは、医療費、歯科治療費です。問診で、500ペソ(1,100円)前後、検査などがあると数千ペソが必要になり、ましてや入院ともなれば、数万ペソが必要になります。
歯科治療も質はあまりよくないうえに高額であることが多く、根の治療で数千ペソから数万ペソという場合もあります。そのため、医療費のための蓄えがあることが望ましいです。

関連ブログ:医療はビジネス!フィリピンの医者さん、って何でこうなの?こんな人もいて、少々不快に思う件

フィリピンで、月々の出費で馬鹿にならない出費が、電気代です。家電の数で、電気代が大きく跳ね上がることもあるので、注意が必要です。また、フィリピンは諸外国と比較して、その平均収入と比較しても、インターネットは割高です。


以下の生活費計算のもと

住居費

タイプにより異なりますので、各項目をご参照ください。ちなみに、都市部でもワンルームタイプ、交通の便のあまりよくない、古い物件は、3,500ペソ(7,700円)~あります。細かいことはあまり気にしない、古く、狭くても大丈夫という場合は、居住可能だと思います。

しかし、ある程度の住居水準を求めるのであれば、コンドであれば、10,000ペソ(22,000円)ほどの出費は最低必要かと思います。また、共益費も立地、築年数などから値段が変わってきます。前述の3,500ペソほどのアパートである場合は、300ペソ(650円)~500ペソ(1,100ペソ)ほどですが、築年数が新しく、特に警備員が常時いるような物件では、2,000ペソ以上(4,400円)は覚悟しておくべきです。

電気代

フィリピンでは電気代が総じて高いので、家に家電が多いと、それなりに電気代がかかります。例えば、冷蔵庫1台、パソコン1台~2台、テレビ1台、扇風機2台、エアコン1台の家で、テレビを頻繁につけて、エアコンをたびたび使用する場合の電気代は、約2,000ペソ(4,400円)です。もちろん、エアコンやテレビの稼働時間を減らすこと等で、電気代を抑えることが可能です。

水道代

水道代は、電気代に比較して安いので、少々安心ですが、毎日シャワーを浴びて、時々洗濯をする場合(フィリピンの多くの世帯に、洗濯機はないので、手洗いです)の水道代金は、500ペソ前後(1,100円)かかります。

ガス代

フィリピンに都市ガスはありません。自宅で自炊をする際は、電気コンロか、自らガスボンベを購入するかです。ガスの消費量は、料理の頻度に比例しますが、家庭で使うボンべのサイズで、現在約800ペソ(1,750円)と言われています。以前、夫婦で生活して、自炊していた時は、1つのボンベを約一か月半で消費していました。使用頻度は、毎日、お湯を2回若し、ご飯を炊き、毎日ではありませんが、家で自炊していました。
ちなみに、ガスをガスコンロに取り付ける際は、レギュレーターなどが必要となるため、初期には約2,000ペソ(4,400円)ほどかかります事を追記しておきます。

フィリピンで一般的なガスボンベ
フィリピンで一般的なガスボンベ

関連ブログ「生活必需品ガスコンロ、フィリピンで生活必需品を買いそろえる

インターネット

サービスプロバイダー、どのようなサービスであるかによって、その値段は様々ですが、1,000ペソ(2,200円)で月15ギガのデータ通信が可能です。もちろん、インターネットの使用頻度が高い人はもっと高いプランを申し込まねばなりません。

飲み水

フィリピンで、水道からの水は基本的には飲まないほうが安全です。水道管が古くなり、さびていることがその主たる原因です。田舎の場合は、井戸からの水であり、安全であるかはわからないためでもあります。
そのため、フィリピンの現地の人であっても、蒸留水を購入します。蒸留水を購入する際は、蒸留水を扱う近隣の店舗でまずそれを入れる1ガロン(約3.7リットル)ボトルを購入し(200ぺソ前後)、注文します。重たいので、基本的は自宅まで配達してくれます。

食費

朝食を食卓パン(パンデサル)20ペソ(40円)、コーヒー20ペソ(40円)、昼食をご飯、おかず2品で200ペソ(440円)、夕食で200ペソ~300ペソ(440円~660円)とした場合、一日に440ペソ~540ペソ(940円~1,180円)かかると思われますが、栄養を考え、時々日本のおかずを作りたいという場合は、一日にかかる食費はそこから+100ペソ~300ペソ増となります。一方で、現地の人たちと同じような食事なる場合は、食費を抑えることができます。

関連ブログ「フィリピンの地方では、何を食べているか?地方での食生活について

結局のところ・・

結局のところ、予算次第です。そして、何を犠牲にしてもよいのか?というところも大切なポイントになると思います。

都心部で生活するよさは、手軽に日本的なものに触れることができること。日本食材のお店、レストランは、マニラに集中しています。しかし、都心の生活は、物価が高い上、少々高めに家賃を払わないと、よい立地の物件(込み合っていない)を見つけることはできません。
地方都市は、マニラと同じ予算で、もう少しゆったりとした家屋で生活できるほか、地方ならではの緩やかな生活を送ることができます。生活必需品は、地方都市であればたいていのものは入手可能です。もちろん、マニラから離れていることで、移民局の事務所がない場合、大使館が遠いことなど、不便が生じますが、頻繁に通わねばならない場所ではないので、問題はないと思います。

個人的には、地方都市がおすすめ

個人的には、マニラに暮らし、様々なフィリピンの地方都市に仕事で長中期滞在し、その後地方都市に居住したから、地方都市がおすすめです。上記の通りの不便さはありますが、何よりも、マニラの喧騒、空気の汚さ、人の多さから逃れられると思うと、精神的にかなり楽です。
マニラに留学する、仕事でどうしてもマニラ首都圏に居住しなければならないということでないようでしたら、地方都市をお勧めしたいと思います。

関連ブログ

スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe