日本人はみんなお金持ち? - 一般的フィリピン人の抱く日本人像とは?なぜ、そう思うのか

これはいつも書くべきか迷うセンシティブなテーマ。フィリピンに関わる日本人がお金にまつわるトラブルがあることはよく聞かれます。また、ネット上でシェアされているお金にまつわる問題は家族を巻き込んだ殺人に発展したりする悪質かつ凶悪なもので、事件性が高いものです。そうすると決まって、だからフィリピン人は・・・となるのですが、そんなことばかりではありません。

日本人はみんなお金持ち?フィリピンで抱かれる日本人のイメージ
日本人はみんなお金持ち?フィリピンで抱かれる日本人のイメージ



しかし、日本人=金持ち説が根強いフィリピンという土地柄で、「日本人は金持ちだ~だから・・・(以下省略)」と言われるときに一部の人たちに我々がどのように見られているのかを知るのは大切なことだと思うわけです。フィリピン人と結婚した私自身身にしみます。
草をはむカラバウ kalabaw
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日本人はお金持ち?

日本人はお金持ち!と言われると、日々の生活に追われる庶民としては、そんな実感がないために何とも感情的に受け入れがたい思いがあります。しかし、世界を見渡すと、日本人はお金持ちと思われいると実感しますし、実際に国全体を見るとそうなのだと思います。世界第三位のGDP、東京は世界一生活費が高い都市として知られており、それは個人が貧しくても仕事さえあれば何とか生活していけると思われているからです。

実際、フィリピンの他にもとりわけ南アジア、アフリカ地域の貧困度合いはレベルが異なります。日本での貧困も年々深刻なものとなっていますが、一般の人たちが感じるものは誤解を恐れずに言えば相対的剥奪という状態にあるのだと思います。日本にはまた先進国としての別の、そして複雑な悩みがありますが、ここでは省きます。

日本人お金持ち説が根強いワケは?
実際、他の諸外国と比較して日本は豊かです。もちろん、日本国内には貧しい人たちもいますが、それら開発途上国における貧しさや経済的な大変さは比較にならない程です。それで「日本人はお金持ち」となるわけですが、そうしたGDP等の指標以外にも、理由があるようです。

日本人がお金持ちと思われる理由の1つは、かつて日本で働いたことがある人たちの経験が広がったこと。2つ目に、フィリピンに滞在する日本人たちの金銭の使い方。特に会社から駐在で来ている人達の経済レベルはすごい!それをサポートするようなメディアなどのイメージです。

あるタクシー運転手さんとの会話
空港からのタクシーで、日本で働いたことがあるという運転手さんと出会ったことが何回かあります。特に印象的だったのがバブル絶頂期にバーの呼び込みで月に8,000ドル(約80万)ほど稼いでいたと得意げに話していた運転手さん。

この運転手さん他の日本人もそれぐらい稼いでいると思っていたようです(笑)。数年日本で8,000ドルほど月に稼いでいたのですから、かなり儲かっていたのですが、使い果たして現在はタクシーの運転手となったようです。

話の全てを真に受けたわけではありませんが、話の詳細に無きにしも非ずという様子。これだけ稼げると聞いたら、著者も是非そこで働きたい!と思います。

勿論、今はそれほど稼いでいるという羽振りのよい話は聞かないと思いますが、日本の大学初任給程でもフィリピンで今流行りのコールセンターで働く以上に稼げます。

日本から派遣される駐在の方々の生活
仕事の関係で日本の駐在の方のお宅におじゃましたことがありますが、高層ホテルのようなコンドに住み、部屋も何部屋もあり広々としたリビングに度肝を抜かれました。しかし、こういう人たちは一般のフィリピン人とはあまり接触する機会がないと思います。

むしろ、夜の世界に繰り出し、羽振りが良い特に男性を見て、そう感じるのではと思います。実際、日本で飲んで軽く10,000円(5000ペソ)ぐらいとんでしまう所が、その半額でもかなり楽しめるのがフィリピンの物価。

フィリピンの月収は大体20,000円ほどですから、それを考えたらもう・・・そして、それらのお客さんが当たり前に硬貨な所有物を持っているのをみたらお金持ちと思われます。

さらに、それらのバー等で働いている女性たちは、経済的に厳しい社会層の人たちが多いわけですから、差を感じます。

メディア
距離的に近い日本の情報はどんどんとフィリピンに入ってきます。食べ物屋さんも沢山あり、比較的安い飛行機がフィリピン日本間を飛ぶようになりました。フィリピン滞在中、年始に購入した新聞の生活欄の特集記事は、「日本で本格日本料理を食べよう」というもので、フィリピンで近年人気のラーメンなども値段と共に記事として掲載されていました。

その記事をどう読むのか?とある友人はその記事を見て、日本の物価って高いのね~と話していました。もう一人は、ラーメンが好きなので、値段云々よりも写真を楽しそうに眺めていました・・・メディアの意図としては、文化や食べ物の紹介なのですが、見る人が見ると両国の経済の格差というものに焦点があたるのだと思いました。

それでも・・・
日本で生活したのなら、日本の物価も分かり、生活が楽ではないことをフィリピン人で日本生活経験者は知っているはず!と思いますが、可能な限り節約して送金する彼らと、我々日本人の生活は基本的に異なると思います。

シンガポール滞在中の経験ですが、1部屋をフィリピン人の姉妹と共有していたことがあります。1部屋3人の共有生活なんて・・・と思われるかもしれませんが、これはまだ良い方で、知り合いの人は4,5人で部屋を借りている人もいました。数人でシェアする理由は勿論、節約目的です。家賃の高いシンガポールの生活を乗り切る1つの方法です。

他にも、日本は援助(と称した投資)を多くしており、日本のODAによる建物、インフラなどを街中で良く見かけます。ODAの理由は外交関係とまわりまわって国益のためなのですが、日本がお金があるから援助が出来るというイメージの定着に一役買っていると見てもいいのではないかと思います。

お金貸して・・・
初の滞在の時にNGOのスタッフやボランティアからしばしば「○○に必要だからお金貸して」と頼まれました。お金貸して・・・と言われるほど、羽振りがよい生活をしていたのでは??と疑われるかもしれませんので、念のためにその時の状況をいいますと、その時の給与は大学生の初任給より低く、出張手当なんて付いていないから、大変でした。どれほど待遇が悪く、それ故にどれだけ節約を強いられたかなど詳細は書きませんが、そんな状況だったので、勿論削れる限りは生活費を削りました。

お金を貸してほしい、どうしても○○のために支払わないと大変だから!とお願いされるときには本当かどうかは確認できませんが、それなりの理由を説明されます。

「学費が払えないと学校を退学になる。だから5,000ペソ(10,000円相当)を貸してほしい。絶対に返す・・・」「○○までに20,000ペソ(40,000円相当)を支払えないと首になる」等・・・実際にお願いされた額たち。お金払えないと会社を辞めさせられるって・・・会社の金を使い込んだんですか?と突っ込みたくなりますが、兎に角それなりの理由がないと人にお金貸してって言えないですよね。

(続く)

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