フィリピン滞在、蚊から身を守る!

著者は蚊に好かれています。屋外で活動があり、寝泊りをしようものならたちまち彼らの餌食になってしまいます。刺された箇所、最大で数十か所。顔を刺されて、元の顔がわからないほど腫れたこともありました。ただ、これは著者のみではないようで、多くの邦人旅行者も同様に「なぜ、私ばかり刺されるのか」という悩みがあるようです。

デング熱を媒介するネッタイシマカ
黄熱・デング熱・ジカ熱などの感染症を媒介するネッタイシマカ
写真 wiki (https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/48/Aedes_aegypti_biting_human.jpg)



フィリピンの蚊は手ごわい?!

南国の蚊と言った方が、良いかもしれませんが、フィリピンの蚊はとにかく手ごわい!
フィリピンの蚊は素早く、そして刺されるととてもかゆく、場合によっては刺された箇所がとても腫れます。瞼の皮膚は薄いので、刺されると目の上が腫れます。また、蚊は病気を媒介するためにたかが蚊と侮れません。

蚊を媒介とする感染症

毎年フィリピンでは、蚊を媒介とした感染症に悩まされています。その一つがデング熱。1970年には幼児の死亡・病院の入院の主だった原因となりました。2004年から2010年の間、WHO(世界保健機構)によると、フィリピンは世界で7番目にデング熱のケースが多く報告されました。そして、2016年前期、20161月から同年6月11日までの期間のデング熱のケースは2015年の同時期と比較して41パーセント増加しました。2016年前期の発生件数は52,177件、死者は207名(2015年前期は36,972件、129名)。多くのケースが報告されるのが、カラバルソン、セントラル・ルソン、北部ミンダナオ、ソクサージェン地方。
http://www.healthmap.orgより

関連ブログ
フィリピンの医療(1) フィリピンでデング熱
海外で病気に罹る(2) 2度目のデング熱―時系列症状―
フィリピンの医療(3) フィリピンでデング熱にかかったらどうするか

マラリア罹患のケースも毎年報告されています。フィリピン保健省によると、2017年前期(2017年1月1日から5月6日)までの期間は501件、マラリアと疑われるケースがありました。また、ジカ熱も2016年に初めて症例が報告されました。

なぜ、わたしばかり蚊にさされる?ー蚊に刺されやすい人の特徴

フィリピン人は冗談で「フィリピン人の血に飽きたから、日本人の血を頂きたいんでしょう」とこたえますが、通説では「体温が高い」「太めの人」「潤いある肌」「血液型はO型」「酒を飲んだ後」と言われています。それらは本当なのでしょうか?
蚊はヒトや動物の排出する二酸化炭素、体温と湿度、汗に含まれる乳酸などの揮発性物質などに反応して吸血行動のターゲットを決めています。ヘルスケア大学 
それゆえに蚊に刺されやすい人は、運動直後、体温が高く汗をよくかく人、妊婦、飲酒後の人とのこと。一方、蚊も常に人を刺すわけではなく、メスの蚊が産卵時に必要な栄養を得るために人や動物から血液を搾取しています。

蚊から身を守るために

著者は体温は体温もそれほど高くなく、身長と体重のバランスでいえば痩せており、旦那に比較して汗かきではない、飲酒もしないのですが旦那より刺されます。シャワーを浴びて、すっきりしている所でも容赦なく刺されます。

なぜ、わたしばっかり?

という疑問は、著者だけが呈する疑問ではなく、フィリピンに訪れた日本人からもちょくちょく聞きます。このなぞは未だ解けないので、せめて蚊に刺されない/刺される可能性を低くするために出来ることを考えてみました。

1) 発生源を作らない、近づかない

雨などで水がたまりやすいところは要注意。また、水がたまったらすぐに捨てる。また、流れていない下水がある場所などに近づかない、長居しない。

しかし、雨季になるとそうもいかないのがフィリピンです。蚊寄せのバケツ(中に蚊の好きそうなものを入れる)を置いて、そこに産卵させて定期的に捨てるという方法があります。蚊が卵から成虫になるまでは2週間、そのサイクルを意識した対策を講じることができます。蚊の卵、幼虫を確認できたら、晴天の日にかわいたアスファルトにバケツの水を捨てるだけです。間違ってもそのバケツの水を雨の日に捨てたり、小川や下水に流したりしないように。

2) 虫よけを頻繁に塗る

虫よけは汗ですぐに流れてしまうのですが、頻繁に塗りましょう。日本で購入した虫よけを使用するということも可能ですが、日本製の虫よけは少々弱いようです。日本ではディート(DEET, 虫忌避の化合物、化学名:ジエチルトルアミド)の含有量の制限が設けられているためです。昨年6月のニュースで、厚生労働省が、ディートの濃度を高めた虫よけ剤について、製造販売の申請があった場合に早期審査の対象にすると報道されましたが、現時点ではまだ日本では販売されていません。そのため、フィリピンの薬局で虫よけを購入するのがよいでしょう。価格は小さいもので100ペソ以下で購入可能です。

フィリピンで虫よけを購入する際におススメなのがHuman Natureの商品。ユーカリエキス配合の虫よけの効きはかなりよく、肌の弱い著者でもかぶれたりしませんでした。
Human Nature の商品は近年専門店だけではなく、大型のスーパーマーケットでも販売されるようになりました。
参照リンクはこちら(Human Nature ウェブサイト、ディート成分無しの虫よけオイル:Bug Shield DEET-Free Oil、http://humanheartnature.com/buy/index.php/protective-care/100-natural-bug-shield-deet-free-oil.html)

3) 蚊取り線香を炊く

蚊取り線香、日本で使用されることがなくなりましたが、フィリピンでは今でも頻繁に使用されています。フィリピンでの蚊取り線香はサリサリストアで一個(2ペソ(4円))から購入可能です。殺虫効果はありませんが、蚊は逃げていきます。

また、近年はフィリピンでも電気式の蚊取りが販売されています。単価は旧来の蚊取り線香よりは高くなりますが、効果てきめんです。ただ、日本で購入した電気式の蚊取りは、充電式ではない限り、電圧の関係でフィリピンでは使用できないことも。

4)服装ー黒い服、袖無、短パンを避ける

蚊は色を識別しません。色がはっきりと認識できるほうに寄っていきます。そのため、濃い色の服、とりわけ黒は避けます。また、肌を露出している分蚊に刺される可能性はたかまります。蚊が活発になる夕暮れから夜は特に服装に気をつけましょう。

5) 虫よけ成分が付着の洋服の着用

維に虫よけ成分を付着させることで洋服自体が虫よけ機能を持つ、インセクシールド加工の洋服を購入することも一つの手段。肌が弱い人にはおススメです。繊維に虫よけ成分「ペルメトリン」を付着させているので、直接肌に虫よけ成分を付けずにすみます。種類も豊富で、パーカーのほか、ズボンやストール、バンダナ、帽子、靴下、ブランケットなどもあります。

6)蚊帳

蚊帳があれば、ベストです。蚊取り線香の煙に悩まされず、虫よけ剤のなんとも言えない塗り心地や塗残した場所の心配なく、ゆっくり休むことができます。
しかし、蚊帳を使っても、蚊帳に少しでも身体が触れていようものならばその触れている部分から、容赦なく刺されます。ご注意を。蚊帳に触れる身体の部分は、手先や足の裏や先。その痒さと来たらたまりません。

7) お酒の飲みすぎを避ける

アルコールが分解されるときに二酸化炭素が発生するために、飲酒後の人が蚊に刺されやすいと言われています。そのため、お酒を控える、屋外での飲酒を控えるなどの対策が可能でしょう。

8) 扇風機を回す

蚊を散らす方法として扇風機があります。蚊帳がない、虫よけスプレーが切れたなどの場合の対処法にもなります。ただ、南国フィリピンと言えども、扇風機を一晩かけっぱなしにしておけば、身体も冷えます。扇風機を利用する時には長袖、長ズボンを履くか、あるいは薄手のブランケットを持っていきましょう。
腰巻スカートにもなり、ブランケットにもなる薄手の布を利用しています。日本では虫よけが施されたブランケットが販売されているとのこと。効果のほどは分かりませんが、興味があります。


9) 身体を清潔に保つ

フィリピン滞在中は、身体を清潔に保つこと。1日一回は水浴びをして、身体を清潔にたもっていても高温で多湿なため大量の汗をかきます。そのため、とくに汗っかきであるばあいは、代えのTシャツを持ち歩くのよいでしょう。そして、足の蒸れを防ぐため、フィリピンではサンダルを使用するなどして、熱を身体にこもらせないようにする。

その他にも、アロマで蚊よけなどの方法もあります。特に蚊取り線香は子どもがいるからあまり使いたくない!という人は「ゼラニウム」「レモングラス」「ユーカリ」「シトロネラ」など蚊が忌避する植物を蚊の入ってくる窓などに置いておくというもの。しかし、フィリピンの蚊に対する効果望めなさそうです。

ちなみに蚊に刺された時にはかきむしってはだめです。冷やしてください。

フィリピンのとある地区のプロジェクトの担当になった時に、コミュニティのセンターに宿泊させて頂きました。コミュニティセンターといいましても勿論ベッド等はありません。机の上に2人のボランティアと共に蚊よけのために扇風機をがんがんにかけて就寝。しかしぜか著者だけ、しかも顔を猛烈にさされました。腫れて、半日間は人相が変わったこともあります。今となっては笑い話ですが、上述のようにフィリピンでは蚊を媒介とした感染症にかかる可能性が高いため、なるべく蚊に刺されないよう、対策を講じ、フィリピン滞在を楽しみましょう。

関連ブログ


参照ウェブサイト
InterHealth, Dengue fever cases rise in the Philippines
07 July 2016発行
https://www.interhealthworldwide.org/home/health-resources/health-alerts/2016/july/07/dengue-fever-cases-rise-in-the-philippines/

保健省 Epidemilogy Bureau
http://www.doh.gov.ph/sites/default/files/statistics/2017%20Malaria%20MW%201%20-%20MW-18.pdf

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