ブログ「」でもご紹介した通り、フィリピン人はとても迷信深い人たちです。フィリピンに生活している時に色々な迷信を聞きましたが、妊娠・出産・赤ちゃんに関しても迷信は少なくありません。ここでは、8つの迷信をご紹介します。
セブ
1.妊娠中は「醜い」人を見てはいけない。
「醜い」人を見ると「醜い」子どもが生まれるといわれます。また、「魅力的な」人を見ると「魅力的な」子どもになるとも言われています。また、妊婦は妊娠中に好きな俳優・女優がおり、その顔に魅力を感じることがあり、子どもがそのような顔になるといわれるのも、この迷信の現代版ではないでしょうか?なので、妊娠を経験したフィリピン人女性に「妊娠中にお気に入りの俳優などはいましたか?」などと聞くと面白いと思います。しかし、産前も産中も、フィリピン人俳優だったら、Sam Melbyが好きなのですが・・・しかし、醜美については、まず主観であり、かつ遺伝なので、いくら美男美女を見続けても子どもは親が願うような顔立ちにはならないのですが・・・
2.妊婦の食欲・欲求は赤ちゃんの容姿に影響する
これも赤ちゃんの容姿に関する迷信ですが、妊婦が欲しがる食べ物によって、赤ちゃんが特定の特徴を持つようになると言われています。例えば、チョコレートなどの色の濃い食べ物は、赤ちゃんの肌の色を濃くすると言われ、牛乳などの色の薄い食べ物は、肌の色を薄くすると言われています。迷信は、食べ物だけではなく、妊婦の嫌がる臭い、景色にまで及んでいます。もちろん、妊婦の欲求や執着に関して、赤ちゃんの容姿に何ら影響は与えません。3.妊婦が妊娠中に美しくなると女子を出産し、そうではない場合は男子を出産する
性別がまだわからない時など、周囲はお腹の子どもの性別を妊婦の顔の様子で予想します。「あなたの顔は輝いているから、絶対に...女の子」などと言われます。日本では、「男の子だとおなかが尖って前にせり出す」、一方で「女の子だと横に広がる」とか、「塩辛い物を食べたくなったら男の子」、「甘いものを食べたくなったら女の子」と言われますが、これに関しては、フィリピンでも同様のことが言われます。
4.妊婦はお葬式への参加を避けるべき
死のそばにいると死産になる、成仏できない霊が赤ちゃんを奪おうとするという説があります。心霊現象の専門家ではないので、霊が胎児に及ぼす影響については何ともいえませんが、一般的にはお葬式に参加したからといって、そのようなことが起こるわけではないそうです。一方で、誰かの死は精神的なストレスになります。ストレスを感じると、体はストレスホルモンであるコルチゾールを分泌して対処します。残念ながら、赤ちゃんを包む胎盤からもこのホルモンが分泌されます。このホルモンは少量ですが羊水に入り、胎児の代謝を変化させる可能性があるといわれることから、この迷信には一定の信ぴょう性があるようです。
5.ネックレスやタオルを首に巻かない
アクセサリーなどを首につけていると、へその緒が赤ちゃんの首に巻きついてしまうという迷信があります。臍の緒が赤ちゃんの首に巻き付くことは、特に妊娠2〜3ヶ月目にはあり得るそうです。これは、外的要因ではなく、胎内での赤ちゃん自身の動きによるものだそうです。臍帯(へその緒)が赤ちゃんの体や首に巻き付く(巻絡)のは胎動によって自らが絡まって起こることですので、予防法も対処法もありません。しかし、産まれてきた赤ちゃんの3人にひとりはどこかに巻絡を持っているものです。決して珍しいことではなく、普通の事です。日本産婦人科医会
6. 双子のバナナを食べると、双子を授かる確率が上がる
他にも「双子」の食べ物ー双子の黄身を持つ卵など、を食べると、双子を授かる確率があがると信じられています。双子を授かるために、このような食べ物を妊婦に食べるように勧める人もいれば、避けるように言う人もいるでしょう。実際には、受精後に1つの胚が2つに分裂する(一卵性双生児)あるいは、2つの卵細胞がそれぞれ別の精子と受精した場合(二卵性双生児)で双子が生まれます。双子の可能性には遺伝、家族歴、生殖能力、そして体外受精(IVF)などの治療法によるところが大きいようで、食べ物には関連していません。
7.陣痛困難を避けるために、縫い物をしてはいけない
縫うというのは、帝王切開をした母親を縫合するところから、そのように言われますが、事実上の根拠はありません。陣痛が起こらない要因としては、年齢、遺伝、ストレス、既往症などがあります。8.邪眼や他人からの呪いから赤ちゃんを守る方法
ウソグといわれますが、邪眼を持っていると言われる見知らぬ人や訪問者によって、赤ちゃんに不快な症状(発熱、腹部膨満感、吐き気・嘔吐)がもたらされるというものです。その訪問者が挨拶をしただけで、この呪いがかかると言われています。この呪いに対抗するには、見知らぬ人が「pwera usog」と言いながら親指をなめ、唾液をつけて赤ちゃんの額に十字を描く必要があります。
しかし、他人の唾液には赤ちゃんにとって細菌が含まれる、かえって病気になるのではないかと思ってしまいます。
迷信を楽しみつつも事実に目を向ける必要
フィリピンの文化を観察するものにとって、迷信は好物です。しかし、迷信を見るときに気をつけねばいけないことは、赤ちゃんの髪の毛を初めて切った時に、辞書に髪の毛を挟むと言葉の達人になるとか、いうある種無害な迷信もあれば、妊娠後にお腹を強く縛ると、子宮が引っ込むみ、お腹の形が元に戻るなど実害がある迷信もあることです。出産後にお腹に強く布を巻くことで子宮を圧迫し、出血するため実際にはよくないそうです。そのため、大病院のウェブサイトでは、迷信について医学的な説明もされています。迷信の多くには何らかの理由がありますがそのうちの一つとして、個人や集団の偶然的な経験で、〇〇をしたら、うまくいった、災厄を避けることができたというたぐいのものです。それが条件付けとなっている等です。また、文化的な予見も大きいと思われます。今回ご紹介した迷信1と2については、外見の美しさに関することです。フィリピンでは、顔の醜美にとてもこだわります。醜いことは、「厄」でもあることから、それを避けられるようにというある種の願いを込めたような迷信だともいえると思います。
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