フィリピンで現在も信じられている迷信15選(後編)

フィリピンで現在も信じられている迷信15選」(前編)の続きです。

11.幸運と富を呼び寄せる―正方形や長方形の土地

これらの形はバランスがとれており、家に調和をもたらすと考えられています。財布の形をした土地にすると、富と幸運を集めることができると信じられています。似たような迷信で、大晦日に家の中にコインを投げると幸運をもたらす、あるいはコインや、聖ベネディクトや聖ヨセフ等聖人のメダルを埋めると、家に富と保護をもたらすといわれています。また、楽譜を買うと、家族に調和がもたらされるといわれています。

12.「パドゥゴ(Padugo)」ー動物の血を流す

血が命の象徴であった古代には、神への捧げ物として動物の生け贄が一般的でした。近代的な建設方法が確立される前の建設現場では、安全対策が不十分であったために多くの犠牲者が出ていました。そこで労働者は、動物の血が工事中に人間の血が流れるのを防いでくれると信じて、動物を犠牲にしたのです。今ではほとんど行われていませんが、先住民族のコミュニティでは、まだ行われているようです。建設現場ではありませんが、私自身もこうした儀式を見たことがあります。

動物の血を流す
動物の血を流す


13.精霊に乾杯

フィリピン人は、この国に住む精霊や存在の伝説に精通しています。そのため、ある人たちは、中に住んでいたり、建設中に追い出されたりする精霊・霊的な存在を鎮めるために、高価なお酒を掘削の足元に流し込むなどします。
お酒に関連する迷信では、ブログ「一杯目は悪魔に?フィリピンの「飲み会」の作法と楽しみ方」でもご紹介しましたが、飲み会などで、ボトルを開けて、まずやることは角に向かってグラスについだ(少量の)酒を「To the demon(悪魔へ!)」と放ります。悪魔を酔わせて、楽しんでいる男たちに悪魔が嫉妬して、危害を与えないようようにするのだとか。

14.満月の日にセメントを注ぐ

月の周期は農業において重要であることが知られていますが、建築においても重要な役割を果たしています。満月の直前や満月の間にコンクリートやセメントを注ぐと、家に幸運をもたらし、建設プロセスを早めることができると信じられています。

15.本を埋める

将来の家に子どもがいる場合、構造物の下に古い本を埋めると、子どもが知的に育つと信じられています。似たような迷信で、生まれた子どもの髪の毛を初めて切った時に、その髪の毛を辞書に挟むと、子どもが知的になるという迷信もあります。

フィリピンの迷信

こうして、フィリピンの迷信を見ていくと、妖怪・精霊などに関わる迷信、土地と結びついた迷信が多いことがわかります。首都圏マニラで生活するとあまり感じませんが、田舎などに広がる深い森(ややもするとジャングル)をみると、何かがいそうだと感じてしまうのはフィリピン人だけではないと思います。

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