2800年の都市エレバン、観光で何を観る?博物館、展望台、慰霊碑、一日じゃ回りきれない!

南コーカサス3国で一番、ソ連の面影が残ると言われているアルメニアの首都エレバン、人口約300万人のうちの3分の1にあたる100万人が生活しています。ひときは目をひくのが、街全体を彩る薄いピンク色の建物。南コーカサスを旅したら一度は訪れるだろう、アルメニア。その歴史は紀元前8世紀にまで遡る、最も古い町の一つで、2018年には都市の歴史2800年を祝い、またアルメニア自体は、同年に共和国建国100周年が祝われました。古都エレバンでは何が`楽しめるのか?

共和国広場(Republic Square)

アルメニア、エレバンの共和国広場(Republic Square)
アルメニア、エレバンの共和国広場(Republic Square)

エレバン(エレヴァン)の町は、共和国広場を中心に広がっています。広場を取り囲むようにアルメニア歴史博物館、アルメニア国会の建物、ホテル、郵便局があり、それらの建物はピンク色の凝灰石で作られており、「ピンクの町」と言われる所以となっています。

この共和国広場を起点にして、放射状に道が伸びており、ここを拠点に町内の観光を楽しむのがよいでしょう。開放的な広場は見ているだけでも楽しいものの、夏時期の日中は日陰も少なく、大変暑いため、それほど多くの人を見かけませんが、夕方から日が沈む頃にエレバン市民が博物館前にある噴水周辺に涼を求めて集まってきます。何も無くても、ただ座っているだけでもリラックスできる場所です。

カスカード(Cascade)ーエレバンの町とアララト山を臨む展望台

町全体とそれを見渡すようにそびえるアララト山が見渡せるのがこの展望台、カスケード。展望台頂上から見渡す風景はもちろん、階段状になっているその堂々たる外見に圧倒されます。
アルメニア、エレバンのカスカード(Cascade)
アルメニア、エレバンのカスカード(Cascade)
石造りで、近くでみると結構な迫力と重量感。

自力で展望台まで登ることも可能ですが、カスカード左手の入り口からエスカレーターがあり、そこから登ることが可能です。特に夏場は大変暑いため、自力で登るよりはこれを利用するのがよいでしょう。

カスカード(Cascade)の建物内、下層階と上層階を結ぶエスカレーター
アルメニア、エレバンのカスカード(Cascade)の建物内、下層階と上層階を結ぶエスカレーター

エスカレーターで行ける所まで行くと、展望スペースにたどり着きます。しかし、そこは最上階ではないため、今度は徒歩でさらなる高さを目指します。
カスカード(Cascade)のエスカレーターで行ける所まで行ったあとは階段をひたすら登って行きます
カスカード(Cascade)のエスカレーターで行ける所まで行ったあとは階段をひたすら登って行きます
アララト山を臨む風景
アララト山がうっすらと見えます。
アララト山は、トルコにある標高5,137mの山でありながら、アルメニアはこの山を神聖視しており、様々なシンボルとして使用しています。これに対して、トルコは自国にないものを使用するなと抗議したものの、アルメニアは、トルコだって自国にない月と星を国旗に使用していると、反論したのだとか・・・
ノアの方舟らしき遺跡が2007年から2008年に見つかっています。

聖グリゴル ルサヴォリチ大聖堂(Saint Gregory The Illuminator Cathedral)

アルメニアはキリスト教が国教化された最初の国。国民の大多数が、アルメニア正教徒。この大聖堂は、2001年に完成し、トビリシの三位一体教会と並んで南コーカサス地域で最も大きな宗教建造物の一つで、多くの信徒を迎えることができます。

大聖堂の奉献は2001年9月23日、アルメニアの国家宗教としてのキリスト教の宣言の1700年の記念日に行われました。この直後に教皇ヨハネパウロ2世が大聖堂を訪問しています。

青いモスク(Blue Mosque)

アルメニアのエレバンにある18世紀のシーア派モスクです。ソビエト時代には、モスクはその活動を停止し、エレバン歴史博物館の一部となりました。アルメニアの独立後、モスクはイラン政府の支援を受けて改装され、再びイラク国民のためにモスクとして活動を再開しています。そのため、モスク内には改装工事の様子が記された写真展示の他、ホメイニー師の像があります。ペルシャ語を学ぶ教室も開催されているようです。

青いモスク(Blue Mosque)
エレバンの青いモスク(Blue Mosque) 

 アルメニア人虐殺博物館(The Museum of the Armenian Genocide)

町の外れのツィツェルナカベルドの丘には、オスマン帝国末期(特に1915年〜1916年)に起こったアルメニア人大虐殺の慰霊碑と祈念博物館/資料館があります。
メニア人虐殺博物館(The Museum of the Armenian Genocide)
メニア人虐殺博物館(The Museum of the Armenian Genocide)の慰霊碑に消えぬ灯。
訪れる人が祈りを捧げていきます。

オスマン帝国の少数民族であったアルメニア人の多くが、強制移住、虐殺などにより死亡し、その被害者数は一説によると150万人とも言われています。慰霊碑には消えぬ火が灯り続けています。
アルメニア人虐殺博物館(The Museum of the Armenian Genocide)の入口
アルメニア人虐殺博物館(The Museum of the Armenian Genocide)の入口
何の表示もないため、見逃さないように。
博物館の内部は撮影禁止です。


著者が慰霊碑を訪れた時に、死者を悼み泣いているアルメニア人らしき年配の女性の姿を見ました。資料館には、その迫害の様子が説明され、写真の展示もされており、訪問者の胸を打ちます。

エレバンに行ったら、ぜひ見て頂きたいところですが、展示は膨大で、インターアクティブな博物館ではなく、読み物が多いうえ日本語の翻訳はもちろんありません。ですので、英語が苦手という人は、タイトルを追って、写真を見ていくのが良いと思います。また、事前に学習してから行くのがよいと思われました。

博物館情報
所在地:8, 8 Ծիծեռնակաբերդի խճուղի, Yerevan 0028 アルメニア
入館料:無料
開館日・時間:火曜日から日曜日 11:00〜16:00
※祝日、月曜日は休館日
アクセス:バス33、バス63で「Dalma Garden Mall」まで行き、そこから徒歩20分。行きは坂道を上がり、夏場は暑くきついため、タクシーで行くのが無難。

アルメニア歴史博物館( History Museum of Armenia)

アルメニア歴史博物館( History Museum of Armenia)正面
アルメニア歴史博物館( History Museum of Armenia)正面
共和国広場にある博物館で、先史時代の発掘物から民族衣装、アルメニア絨毯等様々な展示がある。3階建ての建物で、25の展示スペースがあり、3階から見ていくようになります。

先史時代に遡る展示物、セバン湖で発見された木製の馬車にも驚き、アルメニア最盛期、バグラトゥニ朝アルメニアの首都アニ(現トルコ領)のジオラマからも、栄えた文明を観ることが出来、とにかく盛りだくさんでした。

博物館情報
入館料:2,000アルメニアドラム(学生500アルメニアドラム)
ガイド付き5000アルメニアドラム
開館日・開館時間:火曜日から土曜日11:00〜18:00(※17:15以降は入館できない)、日曜日11:00〜17:00(※16:15以降は入館できない)※祝日、月曜日は休館日

宿泊した宿はフィリピン人オーナー、Radiance Hostel and Tours

今回は、出発ギリギリで宿を予約。Booking. comで検索していたら、突然現れた「radiance hostel and tours」に宿泊することにしました。理由は、評価が高いうえに、安価で、観光の拠点となる共和国広場から近かったため。
radiance hostel and toursの外観
radiance hostel and toursの外観

実際宿に行ってみて、その宿の看板をみて気がついたのがアルメニアとフィリピンの国旗が描かれていること。あれ、とおもって中に入るとフィリピン人スタッフが出迎えてくれ、フィリピン人がオーナーであることをそこではじめて知りました。つくづくフィリピンに縁があるなぁと思った次第です。

元々ドバイで働いていたご夫婦でしたが、アルメニアが気に入り、そこで商売をはじめたという経緯があり、宿の建物は新築ではありませんが、商売を始めてそれほど経っていないとのことでした。

昨年のアルメニアでデモが起こった時には、国際ニュースとなり、それほど現地の治安は悪化していなかったものの、観光客が減少して苦しんだ時期もあったといいますが、評価が高いため、今はコンスタントに顧客を得、リピーターもいるようです。

個室を利用しました。朝食付きです。スタッフは、さすがフィリピン人、フレンドリー、アットホームで、チェックインよりかなり前の時間に到着したにも関わらず、柔軟に対応いただき、列車の旅でとても疲れていたので感謝でした。気に入ったので、今度のアルメニア旅行でまた利用したいと思っています。


Facebookページ:https://www.facebook.com/RadianceArmenia/

ちなみに、エレバンにはフィリピン料理の店もあります。ここまで来てフィリピン~(笑)ですが、フィリピン人経営故に本物のフィリピン料理が楽しめます。興味がありましたら、ぜひ。

関連ブログ

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参照ウェブサイト

Glance back at Pope John Paul’s 2001 visit to Armenia

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