ジョージアに旅行したら、トビリシだけではなく、地方を旅するのがベスト。しかし、そんな時間も予算もない!という人に朗報、トビリシに居ながらにしてジョージアの地方の雰囲気をちょっとだけ味わえてしまう博物館、野外民族博物館があります。
野外民族博物館(The Open Air Museum)の展示家屋 |
野外民族博物館(The Open Air Museum)とは
トビリシ市郊外のヴァケ地域、52ヘクタールという広大な敷地に作られたその博物館には、ジョージア各地の生活の様子が、その家屋と共に展示されています。家屋は、実際に人が生活していたもので各地域から移動し、敷地に運ばれ、修繕された上で展示されています。この博物館は、民俗学者のギオルギ・チタイアによって1966年に開館されました。
各家には、説明をしてくれるガイドさんが待機しています。ジョージア語あるいは英語で家屋について、あるいはその家屋で生活していた人について説明をしてくれます。ただ、このガイドさんは各家一人しかいないため、すでに他のグループに説明している場合は、説明を聞くことができないこともあります。それでも、100年以上もの歴史あるジョージア各地の家屋を見て歩ける経験ができる場所は、恐らく他にはないかと思われます。
家屋の見学
サメグレロ地域から運ばれた家屋は19世紀のもの。
母屋はリビングルームと奥に寝室が2部屋、寝室の広さは恐らく4畳~5畳ぐらいと小さめですが、狭さは感じさせません。
展示家屋、正面、左右対称な作りです。 |
家屋の内装 |
家具、特にクローゼットの装飾は見事で、100年以上経った今も美しく、そして丈夫なままです。また、美しい手編みのカーペットが壁に掛けられておりました。これは床に敷かれていたものです。
黒海に面した地域では、湿度が高いため、母屋は台となる石に支えられて建っています。
母屋の下側 |
見学した家屋は、寝室がある母屋と台所は別棟になっていました。台所は火元を中心にして、席があります。ゆったりと腰を下ろせる広さですが、家人は台所で就寝はしません。
台所にも興味深い展示物があります。大事な貯蔵食糧を狙ったねずみをしとめるためのネズミ取り機、銃まであります。銃は、通常は狩りに利用しますが、戦争が多かったために武器としても使われていました。
ネズミ取り 木でできている上の部分をつまむと、石の重りの部分と木の台に隙間ができます。そこに食べ物などを仕込んで ネズミを圧死させるというもの。 |
銃 |
また、館内の家屋の何棟かは「教育センター」として開放され、この地域の民族衣装などが展示されていました。結婚式のドレスが展示されていましたが、色使い、繊細な美しさにうっとりでした。また、ワインの樽やその道具なども展示されており、この国の歴史がワインと共にあったことを改めて実感しました。
ウェディングドレス |
民族衣装、スケッチ |
館内の周り方
広い館内をどのように周るかは、プラン次第ですが、入口から近いところから周り、それから山頂に近いところへ行き、それから入り口から見て右手側をカバーするのがよいと思われます。
しかし、地図番号の⑪~⑮は坂を上った山頂にかけた、入り口からかなり離れた場所にある他、2018年5月時点では家屋は修繕されておらず、開放されていません(建物の外観のみ見れます)。そのため山頂へは、⑮のスヴァンの塔(Svan Towers)と山頂から見える風景を愉しむ以外、30分近く掛けて登っていくほどの見どころはないと言ってもよいでしょう。
館内地図は、入口すぐ右手の建物に置かれています。 ただしこの地図、位置関係はあまり正確ではありませんので、あしからず。 |
所感
トビリシ市内の美術館、博物館を何件か周っていますが、それらはきらびやかな宗教芸術であったり、アーティストの作品でした。それらはどれも美しく、そして興味深いものでしたが、それだけでは見えてこなかったのが市井の人の暮らし、文化でした。
野外民族博物館も一部の人たちの生活を切り取ったある種人工的な展示物とも言えますが、それでも一般的な家庭がどのような暮らしぶりであったのか、実際に家屋に入って見学をすることで生活者の息遣いが聞こえてくるようで、満足度は高ったです。
野外民族博物館も一部の人たちの生活を切り取ったある種人工的な展示物とも言えますが、それでも一般的な家庭がどのような暮らしぶりであったのか、実際に家屋に入って見学をすることで生活者の息遣いが聞こえてくるようで、満足度は高ったです。
一方、博物館の予算が少ないためか、修繕が進んでいない家屋も多いこと、そしてやたらと広い館内は近道などはないため、ひたすら歩かねばならないことが苦でした。そんな事情もあってなのか館内で一番高所、かつ遠方にあった塔に行くすがら、誰にも会いませんでした。山頂に着いた時には、疲れと安堵をおぼえたほどでした。
山頂からの風景 |
スヴァンの塔(Svan Towers) |
今回は利用しませんでしたが、館内には見晴らしのよい場所にジョージア料理を楽しめるレストランもあります。レストランでの食事と週末にデモンストレーションをたのしむため、また行きたいと思っています。
行き方
トリビシ中心地からはバス61番。Vake Cemetaryが下車駅です。バス亭から降りて、タクシーを捕まえていくのがよいでしょう。もちろん徒歩でも可能ですが、登り坂をひたすら20分ほど歩くことになります。
アクセス
野外民族博物館(The Open Air Museum)入り口 |
野外民族博物館(The Open Air Museum)
所在地:25, M. Berdzenishvili Str. (Turtle Lake Road), Tbilisi, Georgia
ウェブサイト:http://museum.ge/index.php?lang_id=ENG&sec_id=46
Tel: + (995 32) 272 90 45
Tel: + (995 32) 272 90 45
開館日:火曜日~日曜日、10:00-18:00
入館料:大人3ラリ、学生1ラリ
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