フィリピンは治安がよくない!と言われて久しいのですが、その汚名をいまだに返上できずにおります。近年のドゥテルテ大統領の麻薬戦争の物騒なニュース、そして数日前に数カ月の交戦の末に終焉したミンダナオ島でのISISシンパであるマウテグループによる町の占拠など、フィリピンから聞こえてくるニュースはどれも物騒なものばかり。そして時に外国人誘拐などの話も聞かれます。
近年はフィリピンでの英語留学、ワークキャンプやスタディキャンプなどでフィリピンに中・短期で滞在する人たちも多く、治安の問題は依然として渡航する本人、そしてそれを送り出す家族にとって心配な要素であると思います。
ここでは、フィリピンの治安状況、外国人が直面する可能性のある犯罪等、そして万が一自分の身、あるいは同行した友人に何かが起きたらどうしたらよいのか?まとめてみました。
フィリピン全国紙Inquireの報道によると、ドゥテルテ氏が就任した2016年7月1日から2017年3月24日までの犯罪件数は、アキノ政権の2015年7月1日から2016年6月30日までの期間と比較して158,879件から78,941 まで減少したと報道されています。これらの数には殺人(「murder」と「homicide」を含む)、強盗、窃盗、傷害、車の盗難の件数が含まれています。
ドゥテルテ政権下(2016年7月1日から2017年3月14日)とアキノ政権時11カ月と比較すると以下のようになります。
アキノ政権
殺人:9,248件(故意)2,355件(過失致死を含む)。
強盗:27,288件
窃盗:66,542件
車の盗難:12,095件
ドゥテルテ政権
殺人:8,525件(故意)、1,640件(過失致死を含む)
強盗:12,364件
窃盗:27,535件
車の盗難:4,753件
フィリピン警察のデータを元に新聞に掲載された記録が上記。この記録を信じるのであれば、犯罪は減りつつあるようです。「麻薬戦争」で犯罪者とその予備軍を非合法的に、国家権力を用いて殺害しているからなのでしょうか、それとも単純に数を操作しているからであるのかは不明です。しかし、依然として犯罪率は高く、邦人が巻き込まれる犯罪は後を絶ちません。
これらの事件は計画的でかつ、亡くなった邦人たち何らかの理由でをターゲットにしています。これらの事件がセンセーショナルに報道されるとフィリピンとは物騒なところというイメージを強めてしまいますが、邦人が巻き込まれる犯罪は窃盗や詐欺などの犯罪が多いようです。また、こうした殺人事件の場合現地で雇った暗殺者が実行犯ですが、主犯はもしかしたら邦人や近い間柄の比人である可能性もあり、フィリピン国内の殺人=(イコール)フィリピン人による邦人の殺害とはいえません。
ー窃盗(スリ・ひったくり等)。これは、万国共通で込み合う場所(デパート・電車・バス等)、大都会で起こります。バスの乗降車時に靴の紐が取れていると言われ下に目をやった隙・・・誰かに体当たりされたと思ったら、に後ろの財布を抜き取られた等。スリはグループでの犯行も多く、体当たりする人、そのすきに財布を抜き取る人、更に万が一被害者が追いかけて来たら妨害する人などの役割もあるようです。また、子どもたちわーっと囲まれて、そのすきに財布がすられていたりすることも。
ー詐欺。初対面でいきなりなれなれしくあるいは親切に接し、信頼をさせておいて騙す手口。最終的は困っているからお金を貸してほしいと言い、そのまま行方不明に。ビジネス関係で比人パートナーにお金等を騙しとられたという被害もしばし。
ー強盗。タクシー移動中、偽警官、様々な場所や手口で起こります。夜間での車両での移動は要注意。空港からのタクシー移動中に現金や貴金属を脅し取られたというケースも。フィリピンの強盗は銃を用います。万が一遭ってしまった場合は抵抗しないこと。
ー強姦。 Center for Women’s Resources (CWR)によると2014年には9,875件のケースがあったと推定しています。2012年にセブ島に留学中の邦人女性が韓国人男性にレイプされたという事件がありましたので、フィリピン人がいつも加害者というケースばかりではないようですが、2012年のケースは被害者と加害者が外国人であったためセンセーショナルに報じられました。
ー誘拐。邦人が巻き込まれた誘拐事件では三井物産マニラ支店長誘拐事件が知られています。1986年11月当時の三井物産、若王子信行マニラ支店長が、マニラ郊外のゴルフ場からの帰りにフィリピン共産党の軍事組織、新人民軍(NPA)のメンバーに誘拐。後解放されますが、センセーショナルに報道されました。この事件は首都圏マニラで起こりましたが外国人を狙った誘拐事件は地方、リゾート地などで起こっています。映画 『囚われ人』はパラワン島での誘拐事件の実話を元に作成されました。
昨年は、バングラディッシュの首都ダッカでテロリストがレストランを襲撃し人質をとった事件がありました。ケースを見て決してフィリピンでもありえないことではないと思います。
実際これまでに、ショッピングモールでの爆破事件がありました。商業地区マカティのGlorietta やSM等混雑し、人が多い場所、あるいは高架鉄道の爆破。
関連ブログ「フィリピンのテロリズム―リザールデー爆弾事件、年末の大都市を襲った恐怖(2000年)」
ISIL は2015年11月18日、英語の機関誌「ダビク(Dabiq)」で、アメリカ主導の連合国軍を支援しているため「今はすべての日本人が標的だ」と警告しています。フィリピンではアブサヤフグループ等の一部のグループは, ISIL に対し忠誠を表明しており、注意が必要です。
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また、フィリピンの「これ」を知りたい!というテーマ、イベント、事件、などありましたら、コメント残していってください。
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https://www.theguardian.com/uk-news/video/2017/jul/10/run-hide-tell-police-release-advice-on-how-to-survive-terror-attack-video
‘One woman or child is raped every 53 minutes’
http://www.philstar.com/headlines/2016/03/06/1560073/one-woman-or-child-raped-every-53-minutes
https://www.globalnote.jp/post-1697.html
Murder, homicide, other crimes decreased under Duterte admin
http://newsinfo.inquirer.net/884205/pnp-murder-homicide-other-crimes-decreased-under-duterte-admin#ixzz4wacqbz2h
近年はフィリピンでの英語留学、ワークキャンプやスタディキャンプなどでフィリピンに中・短期で滞在する人たちも多く、治安の問題は依然として渡航する本人、そしてそれを送り出す家族にとって心配な要素であると思います。
ここでは、フィリピンの治安状況、外国人が直面する可能性のある犯罪等、そして万が一自分の身、あるいは同行した友人に何かが起きたらどうしたらよいのか?まとめてみました。
犯罪のイメージ写真 フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)(c)すしぱく |
フィリピンの治安
フィリピンの殺人率は、世界比較で第44位(日本は197位)で9.8パーセント。決して低い数字ではありません。政府はドゥテルテ大統領政権下になって犯罪件数が全体的に下降したと発表しました。フィリピン全国紙Inquireの報道によると、ドゥテルテ氏が就任した2016年7月1日から2017年3月24日までの犯罪件数は、アキノ政権の2015年7月1日から2016年6月30日までの期間と比較して158,879件から78,941 まで減少したと報道されています。これらの数には殺人(「murder」と「homicide」を含む)、強盗、窃盗、傷害、車の盗難の件数が含まれています。
ドゥテルテ政権下(2016年7月1日から2017年3月14日)とアキノ政権時11カ月と比較すると以下のようになります。
アキノ政権
殺人:9,248件(故意)2,355件(過失致死を含む)。
強盗:27,288件
窃盗:66,542件
車の盗難:12,095件
ドゥテルテ政権
殺人:8,525件(故意)、1,640件(過失致死を含む)
強盗:12,364件
窃盗:27,535件
車の盗難:4,753件
フィリピン警察のデータを元に新聞に掲載された記録が上記。この記録を信じるのであれば、犯罪は減りつつあるようです。「麻薬戦争」で犯罪者とその予備軍を非合法的に、国家権力を用いて殺害しているからなのでしょうか、それとも単純に数を操作しているからであるのかは不明です。しかし、依然として犯罪率は高く、邦人が巻き込まれる犯罪は後を絶ちません。
フィリピン起こった近年邦人が殺害された事件
残念なことにフィリピンで日本人が殺害されるケースというのは決して少なくありません。今年6月にパラワン島にて保険金目的で邦人2名が邦人によって殺害されるという事件がありました(容疑者は殺害を否認)。また、4月は出張で来比していた邦人ビジネスマンが車で移動中に襲撃され、亡くなるという事件もありました。バイクに乗った暗殺者による犯行で、犯人はまだ捕まっていません。2014年にも邦人系旅行会社フレンドシップツアーの支店長が帰宅途中に銃殺されるという事件があり、フィリピン国内の邦人にも衝撃を与えました。これらの事件は計画的でかつ、亡くなった邦人たち何らかの理由でをターゲットにしています。これらの事件がセンセーショナルに報道されるとフィリピンとは物騒なところというイメージを強めてしまいますが、邦人が巻き込まれる犯罪は窃盗や詐欺などの犯罪が多いようです。また、こうした殺人事件の場合現地で雇った暗殺者が実行犯ですが、主犯はもしかしたら邦人や近い間柄の比人である可能性もあり、フィリピン国内の殺人=(イコール)フィリピン人による邦人の殺害とはいえません。
邦人が巻き込まれる犯罪
フィリピンで邦人が殺害されるというケースはありますが、他の犯罪に比べたらとても低い割合です。多く見られるのが以下のようなケース。ー窃盗(スリ・ひったくり等)。これは、万国共通で込み合う場所(デパート・電車・バス等)、大都会で起こります。バスの乗降車時に靴の紐が取れていると言われ下に目をやった隙・・・誰かに体当たりされたと思ったら、に後ろの財布を抜き取られた等。スリはグループでの犯行も多く、体当たりする人、そのすきに財布を抜き取る人、更に万が一被害者が追いかけて来たら妨害する人などの役割もあるようです。また、子どもたちわーっと囲まれて、そのすきに財布がすられていたりすることも。
ー詐欺。初対面でいきなりなれなれしくあるいは親切に接し、信頼をさせておいて騙す手口。最終的は困っているからお金を貸してほしいと言い、そのまま行方不明に。ビジネス関係で比人パートナーにお金等を騙しとられたという被害もしばし。
ー強盗。タクシー移動中、偽警官、様々な場所や手口で起こります。夜間での車両での移動は要注意。空港からのタクシー移動中に現金や貴金属を脅し取られたというケースも。フィリピンの強盗は銃を用います。万が一遭ってしまった場合は抵抗しないこと。
ー強姦。 Center for Women’s Resources (CWR)によると2014年には9,875件のケースがあったと推定しています。2012年にセブ島に留学中の邦人女性が韓国人男性にレイプされたという事件がありましたので、フィリピン人がいつも加害者というケースばかりではないようですが、2012年のケースは被害者と加害者が外国人であったためセンセーショナルに報じられました。
ー誘拐。邦人が巻き込まれた誘拐事件では三井物産マニラ支店長誘拐事件が知られています。1986年11月当時の三井物産、若王子信行マニラ支店長が、マニラ郊外のゴルフ場からの帰りにフィリピン共産党の軍事組織、新人民軍(NPA)のメンバーに誘拐。後解放されますが、センセーショナルに報道されました。この事件は首都圏マニラで起こりましたが外国人を狙った誘拐事件は地方、リゾート地などで起こっています。映画 『囚われ人』はパラワン島での誘拐事件の実話を元に作成されました。
邦人が巻き込まれる可能性がある犯罪と書きましたが、言うまでもなくローカルのフィリピン人もこれら犯罪の被害者です。
テロの危険性は?
気になるのがテロの危険性。ミンダナオ島でのマラウィで政府軍とマウテグループとの応戦がニュースでも大々的に報じられ、同島から離れたマニラでも何か起こるのではないだろうかと心配になった人も多かったようです。昨年は、バングラディッシュの首都ダッカでテロリストがレストランを襲撃し人質をとった事件がありました。ケースを見て決してフィリピンでもありえないことではないと思います。
実際これまでに、ショッピングモールでの爆破事件がありました。商業地区マカティのGlorietta やSM等混雑し、人が多い場所、あるいは高架鉄道の爆破。
関連ブログ「フィリピンのテロリズム―リザールデー爆弾事件、年末の大都市を襲った恐怖(2000年)」
近年では、2016年9月に,ダバオ市内ロハス夜間市場において爆弾テロ事件が発生し,15 人が死亡,60人以上が負傷したほか,同年11 月にはマニラ首都圏パサイ市内にある米国大使館前路上において爆発物が発見されました。
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参考ウェブサイト
Run, hide, tell: police release advice on how to survive terror attack – videohttps://www.theguardian.com/uk-news/video/2017/jul/10/run-hide-tell-police-release-advice-on-how-to-survive-terror-attack-video
‘One woman or child is raped every 53 minutes’
http://www.philstar.com/headlines/2016/03/06/1560073/one-woman-or-child-raped-every-53-minutes
https://www.globalnote.jp/post-1697.html
Murder, homicide, other crimes decreased under Duterte admin
http://newsinfo.inquirer.net/884205/pnp-murder-homicide-other-crimes-decreased-under-duterte-admin#ixzz4wacqbz2h
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