めんどうくさい!これで安全は守られるの?フィリピンの警備員による荷物検査

フィリピンに友人たちが来て、「なぜ」と聞かれる質問の1つに、至るところで行われている手荷物検査があります。フィリピンでは大体の建物(飲食店やコンビニを除いて)に入る時には、持っている手荷物を開けてみせなければなりません。理由は勿論防犯とセキュリティの観点からです。

手荷物検査の様子

手荷物検査はいくつかの場所をのぞいてどこでも行われていると書きましたが、デパート、スーパー、銀行、駅等で行われています。マニラではデパートの数が多く、デパートも本館、別館と分かれているため、別の建物に入るたびに荷物検査が行われます。

建物入り口に簡易テーブルを置いて常駐している警備員に鞄の中をあけて見せます。こちらが鞄をあけると警備員が棒を使って中身を確認します。棒でゴソゴソと鞄の中をかき回すように検査する警備員は少なく、さっと確認して終わり、というのが一般的です。

フィリピン滞在して暫くたちますが、今でも少々面倒くさいことだと思っています。警備員に罪はありませんし、仕事で一日何百何千という人の鞄の中身を見ないといけないのはなんとも気が遠くなる作業ですが、時に顎で鞄を開けろというしぐさをしたりするのは今でもいだだけないと思ってしまいます。

何を確認しているの?

商業施設、このように人を雇い、このように面倒な検査を行っていますが、重火器の持ち込み(爆弾、拳銃)、ナイフなどの殺傷能力のあるものの持ち込みがないかを確認しています。

映画マトリックス、セキュリティを通過する際の重装備がスゴイ(汗)
2000年12月30日のリサールの日、マニラのLRT1(軽量高架鉄道1号線)のBlumentritt駅で爆弾が爆発し、22名が亡くなり数百名が負傷するという惨事が起こりました。犯行に及んだのは、イスラム系過激派と言われるアブサヤフ等と言われています。

デパートなどでは2013年9月のダバオのガイサノモール、SMショッピングモールの爆発が記憶に新しいと思います。また、個人的怨恨から銃を用いた殺傷事件がショッピングモール内起こり、止めに入ろうとした警備員が犠牲になるという痛ましい事件が起きています。

効果があるのか?

この手荷物検査、警備ブースを設置し、警備員を配置することで、犯罪を統制することが狙いです。警備員という他者(の目)を介在させることで、犯罪を抑止するわけで、一定の効果はあるように思われます。特に今は、簡易検査だけではなく、センサーを通過させる入り口もあるため、よほどの「決意」がないと危険物を持ち込んで、悪いことをしようとは思わないでしょう。

しかし、上記のように警備の目をかいくぐり、危険物を持ち込むことができてしまうのも事実です。デパートの中に銃が持ち込めてしまったことは上述の通り、検査が形ばかりのチェックになっているからか、悪意を持つ人がうまく危険物を隠してそれを警備員が見つけられない・・・ということなのでしょう。そもそも、センサー自体にも問題があることが多く、危険物を探知できない場合もあります。

それでもセキュリティチェックはなくならない!

事情を知らない、外国人観光客を少々いらっとさせる、この荷物検査。特にひどいのがクリスマスシーズン。今でこそ、X線機械に通すということをしていますが、数年前までは、電車に乗る前、クリスマスギフトの包装紙をはがして中身を警備員にみせるということが行われていました。とにかく時間がかかるため、クリスマスシーズンは可能なかぎり電車での移動を避けたい!と思うのは著者だけではないはずです。

面倒くさいのですが、需要があるゆえに、警備員の仕事はなくなりません。雇用が生じているのは良いことですが、給与はそれほど良くなく、いつ事件に巻き込まれるかわからない状況にあるのですから、なんともです。

近所のスーパーマーケットが武器を所持した強盗に早朝襲われたことがありましたが、残念なことに警備員は亡くなりました。警備員が持っている銃は散弾銃。散弾銃は多数の小さい弾丸が一斉に発射され、近距離で殺傷効果があり、猟などに使われることが多い銃です。機関銃で襲われたらどうしたものでしょうか。

鞄の中身を棒っきれでひっかきまわされるのは不快ですが、暑い中も立ち続け、利用客の安全を守る警備員さんに密かに感謝しております。

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