イメルディフィック(imeldific)とは ”派手に浪費する”、”下劣なぜいたくの”の意味。フィリピンのイメルダ元大統領夫人の極端な靴収集癖から、imeldific ”派手に浪費する”、”下劣なぜいたくの”という言葉が生まれました。
86年2月25日、コラソン・アキノが大統領就任宣誓を行なった日の夜、約20年続いたマルコス政権はマルコス一家の亡命によって幕を下ろしました。マラカニアン宮殿には3000足を超える服と6000着以上のイメルダ婦人の服が残されたといわれます。イメルダ婦人の靴の一部が靴の製造で有名な首都圏マニラ、マリキナ市で見られます。その名も「Shoe Museum」。ここから、イメルダ元大統領夫人のイメルディフィックな生活を想像することができます。
小さな2階建て博物館の1階部分にはイメルダ婦人から寄付された800足の靴、一着のケースに入ったドレス、イメルダ婦人の若かりし頃の肖像画が数点飾られております。
イメルダ夫人の靴は同じブランドで、同じデザインで違う色の靴がまとまって展示されているのが気になるところ。また、隅に各国の伝統的な靴が展示されています。日本、インドネシア、オランダ、韓国等々国数は極めて少ないものの、目を惹きます。
同博物館には、イメルダ夫人の靴のみならず、歴代のフィリピン大統領の靴も展示されています。また、2階部分にはマリキナ市の靴製造の過程を見ることができます。
この博物館に置かれる靴はごく一部、他の2200足以上の靴はマラカニアン宮殿や他の場所に展示・保管されています。マラカニアン宮殿に保存されている靴はダイヤモンドの装飾が施された高価な靴が多いのだとか。警備の関係もあり、ここには貴重性はそれほど高くはない、イメルダ夫人の靴が保管されています。
博物館の受付のおばちゃんに聞いた話によると、イメルダ婦人の靴のサイズは9号。26.5センチとかなり大きめ。展示されているドレスの大きさと靴のサイズからも大柄なイメルダ夫人が想像出来ます。
数年前に友人を引き連れてこの博物館に見学にこられたとのこと。エドサ革命の主要な人物は2009年の前アキノ大統領が亡くなって、イメルダ婦人のみとなりました。
大柄の美女で、容姿に自信があったイメルダ夫人は、マルコス大統領が戒厳令を敷いた72年から政治の世界で徐々にその存在感を増していきます。マニラ首都圏に知事に就任、また大統領夫人として各国を飛び回り英国首相、中国国家主席、日本の天皇陛下とも謁見するなど海外を飛び回っていました。
今年2019年で90歳の高齢、不正蓄財並びに人権弾圧で100以上の裁判を抱えていながらも政界への執着を未だに持っている様子で、現在も下院議員。受付のおばちゃん曰く、イメルダ婦人はいまでも美しいとのこと。マリキナ市民はイメルダ婦人がマリキナの靴産業を育ててくれたと恩義に感じていると聞いたことがありますが、受付のおばちゃんも好意的な印象でした。著者の普段お付き合いしているNGO関係の方とは対照的です。
Shoe Museumの建物は一連のフィリピンの革命の少し前、1880年に建てられ、保存庫、武器庫、留置場などに使われてきました。そして今はイメルダ婦人の靴を展示する靴博物館、来訪者の少ない博物館ですが、建物に歴史を、展示物に複雑な思いを感じました。
イメルダ夫人についてはドキュメンタリー映画などにもなっております。タイトルはそのもの「イメルダ」。博物館の見学の前に鑑賞するというのはいかがでしょうか。
博物館はすぐに見終わってしまうほど小さいので、見学のあとはそこから歩いて3-5分ほどの距離にあるタイ料理のレストランKrung Thaiに行くのがオススメです。
外見は普通のそこらへんにあるローカルのレストランですが、オーナーはタイ人、私の大学院時代のタイ人ハウスメイトもここの料理は本場のタイ料理だと太鼓判をおしてくれたところで、お気に入りの場所です。
その博物館はLRT2のカティプーナン(Katipunan)駅からジプニーの初乗り料金の距離。博物館の入館料は50ペソ(2016年8月最新のアップデートです)。
所在地:J.P. Rizal St., San Roque, Marikina City
開館時間:8:00 AM - 5:00 PM (昼休み 12:00 PM – 1:00 PMを除く) 月曜から日曜日
祝日は休館
入館料:50ペソ
「[ドキュメンタリー] 美を追及しつづけた女の執念―「イメルダ」を観て (2)」
「ニノイ・アキノデー8月21日-暗殺から30年、事件を振り返る-」
「故マルコス大統領英雄墓地埋葬を巡って」
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86年2月25日、コラソン・アキノが大統領就任宣誓を行なった日の夜、約20年続いたマルコス政権はマルコス一家の亡命によって幕を下ろしました。マラカニアン宮殿には3000足を超える服と6000着以上のイメルダ婦人の服が残されたといわれます。イメルダ婦人の靴の一部が靴の製造で有名な首都圏マニラ、マリキナ市で見られます。その名も「Shoe Museum」。ここから、イメルダ元大統領夫人のイメルディフィックな生活を想像することができます。
マリキナ市内にある靴博物館(Shoe Museum) |
小さな2階建て博物館の1階部分にはイメルダ婦人から寄付された800足の靴、一着のケースに入ったドレス、イメルダ婦人の若かりし頃の肖像画が数点飾られております。
イメルダ夫人の靴は同じブランドで、同じデザインで違う色の靴がまとまって展示されているのが気になるところ。また、隅に各国の伝統的な靴が展示されています。日本、インドネシア、オランダ、韓国等々国数は極めて少ないものの、目を惹きます。
同博物館には、イメルダ夫人の靴のみならず、歴代のフィリピン大統領の靴も展示されています。また、2階部分にはマリキナ市の靴製造の過程を見ることができます。
靴博物館の内部 出典:Marikina city website |
この博物館に置かれる靴はごく一部、他の2200足以上の靴はマラカニアン宮殿や他の場所に展示・保管されています。マラカニアン宮殿に保存されている靴はダイヤモンドの装飾が施された高価な靴が多いのだとか。警備の関係もあり、ここには貴重性はそれほど高くはない、イメルダ夫人の靴が保管されています。
数年前に友人を引き連れてこの博物館に見学にこられたとのこと。エドサ革命の主要な人物は2009年の前アキノ大統領が亡くなって、イメルダ婦人のみとなりました。
大柄の美女で、容姿に自信があったイメルダ夫人は、マルコス大統領が戒厳令を敷いた72年から政治の世界で徐々にその存在感を増していきます。マニラ首都圏に知事に就任、また大統領夫人として各国を飛び回り英国首相、中国国家主席、日本の天皇陛下とも謁見するなど海外を飛び回っていました。
今年2019年で90歳の高齢、不正蓄財並びに人権弾圧で100以上の裁判を抱えていながらも政界への執着を未だに持っている様子で、現在も下院議員。受付のおばちゃん曰く、イメルダ婦人はいまでも美しいとのこと。マリキナ市民はイメルダ婦人がマリキナの靴産業を育ててくれたと恩義に感じていると聞いたことがありますが、受付のおばちゃんも好意的な印象でした。著者の普段お付き合いしているNGO関係の方とは対照的です。
マリキナ市のタイレストランKrung Thai |
イメルダ夫人についてはドキュメンタリー映画などにもなっております。タイトルはそのもの「イメルダ」。博物館の見学の前に鑑賞するというのはいかがでしょうか。
博物館はすぐに見終わってしまうほど小さいので、見学のあとはそこから歩いて3-5分ほどの距離にあるタイ料理のレストランKrung Thaiに行くのがオススメです。
外見は普通のそこらへんにあるローカルのレストランですが、オーナーはタイ人、私の大学院時代のタイ人ハウスメイトもここの料理は本場のタイ料理だと太鼓判をおしてくれたところで、お気に入りの場所です。
その博物館はLRT2のカティプーナン(Katipunan)駅からジプニーの初乗り料金の距離。博物館の入館料は50ペソ(2016年8月最新のアップデートです)。
靴博物館の情報
靴博物館の詳細はこちらでhttps://www.marikina.gov.ph/visitors/where-to-go/shoe-museum所在地:J.P. Rizal St., San Roque, Marikina City
開館時間:8:00 AM - 5:00 PM (昼休み 12:00 PM – 1:00 PMを除く) 月曜から日曜日
祝日は休館
入館料:50ペソ
関連ブログ
「[ドキュメンタリー] 美を追求し続けた女の執念―「イメルダ」を観て (1)」「[ドキュメンタリー] 美を追及しつづけた女の執念―「イメルダ」を観て (2)」
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