ゴッドファザー(Godfather)&ゴッドマザー(Godmother)・・・フィリピンの代父母のシステム

ゴッドファザー&ゴッドマザー...フランシス・コッポラのマフィアの映画のことではありません!ある種の子どもたちのサポートシステムです。日本語では代父母というのでしょうか。フィリピンには色んな相互扶助のシステムがありますが、近代化された今でも根強く残るのがこののシステムです。

映画ゴッドファザー(C)flunchworks
カトリックでは、生まれた子どもの洗礼式に立会い、神に対する契約の証人となる役割の者さします。元々は教会生活における導き手としての役割を期待され、生涯にわたり関わりが続いていきます。前述の映画ゴットファザーのタイトルもそのコンセプトから来ています。

引き受けた人の義務は子どもの成長を見守るべく、こどもの悩みの相談に乗ってあげたりすること。その他、子どもにとって重要な日、初コミュニオンなどに参席する、また誕生日やクリスマスにはプレゼントを用意するなどして、子どもの成長を一緒に祝い同時にそれらを通じで接点を持ちます。接点がない人に誰も悩みを打ち明けたりしませんからね!

一般的に子どもが生まれると親は親戚や友人、職場の同僚に生まれた子どもの代父母となってくれるようにお願いをします。お願を受けた人々は通常は断りませんので、"義務感"からかもしれませんが引き受けます。


伝統的には一人の子どもに対して親は2~3名の友人たちに代父母をお願いすると言います。しかしながら、現在は1人の子どもに対して10名ほどという話も聞きます。理由は物理的な理由から。誕生日、クリスマスのギフトを期待して親は同僚に代父母となってくれるようにお願いするといいます。

かつてフィリピン人の同僚がこの点を痛烈に批判していたのを覚えています。知り合いの人は、少々お金持ちの友人を片っ端から代父母にしており、クリスマスや誕生日のギフトシーズンを心待ちにしているのだとか。いやはや・・・ここまで行くと確信犯ですが、こういう人もいるのだと呆れてしまいます。勿論、親としては子どもへの良い影響を考えて、同僚でちょっと良い人がいると頼んでしまうのかもしれませんが・・・。

親や親族以外の誰かが成長を見守ってくれるというシステムは非常に良いものだと思います。代父母ということの故にその子どもを機に掛ける人が親以外にいるというのは子どもの成長の上で良いと感じます。しかし、上記のような理由からその家族と関わりがそれほど深くない人を人代父母指名するというのは親としていかがなものかと思ってしまいますが、生き残り戦略として大切な役割を果たしているため、無下に否定はできません。

ブログ「生存戦略としての家族ーフィリピンの家族・親族関係は人々が思う以上の関係

以前私も代父母をお願いされたことがありますが、その家族との距離を考えるとあまりに唐突であったため、外国人であることと、フィリピンに不在であることが多いということを理由に丁重にお断りをしました。本当はノーというのはあまり良くない、というか場合によっては大変失礼にあたるのですが、著者はその生まれる子どもにどれほど責任を持てるのか?困った時に相談に乗って上げられるのかなど考えた末、責任あるゴッドマザーにはなれないと思い、そのような結論に至りました。

もともとの意味から離れつつある代父母のシステムを苦々しく思っているため、自分の子どもが生まれた時には本当に子どもが困った時に頼れる人にお願いしたいと思っています。

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