一般的なフィリピンのカトリックの家庭で子どもが生まれると必ず行われるのが、幼児洗礼です。オランダのフィリピンのカトリックのコミュニティに属していることもあり、コミュニティ内で娘の洗礼式を行いました。
(カトリックの)洗礼式、そもそも何なのか
洗礼は、カトリックの7つの秘跡/サクラメント※(洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油、叙階、結婚)のうちの一つです。カトリック教会のウェブサイトによると・・・”洗礼を受ける方にとって、ご自身が新たな人となる(生まれ変わる)という意味を持っています(カトリック神居教会ウェブサイト)”
「洗礼」とは水による再生(罪の洗い清め)の秘跡であり、キリスト教徒になるための儀式で、灌水(頭部に水を注ぐ)や滴礼(頭部に手で水滴をつける)によって行われる、新しい命を与えられたあかしとなる儀式です。赤ちゃんは頭に水を注がれて驚いて泣くケースを何度か見たことがありますが、終始ご機嫌でした。
この儀式によって、娘はカトリック教徒になるわけですが、これで終わりなわけではありません。もう少し大きくなって、カトリック教徒としての信仰と学びを深めたのち、異なる儀式を行い、本人の意思でカトリック教徒として、生きていく決意を改めて持ちます。洗礼はすべての始まりです。
ちなみに、浸水(体を水に浸す)で洗礼を行う教派もあり、実際に友人(乳児ではなく成人)の洗礼式を見たことがありますが、プールや水桶などにざぶーんと沈められていました。乳児にとっては、この方法はあまり安全とはいえず、実際に事故が報告されています。
※秘跡とは、”キリストの神秘を目に見える形で現在化する特別な儀礼”と言われます。
いつおこなうのか
幼児洗礼の場合、タイミングは、本当に親次第です。フィリピンの場合は、生まれてなるべく早い時期に行うというのが一般的です。実際、姪っ子、甥っ子たちは、大体生後2か月~4か月のうちに行っています。タイミングの決め方として、カトリックにとって大切な日となる日曜日や、子どもの●歳の誕生日に行うなど、人それぞれです。ちなみに、友人夫妻は、義理の母からもらった洗礼式用のドレスがもう少しでサイズアウトしてしまうため、早くに洗礼式を行わねばと急いでいました。
我が家の場合は、娘が首が座って、式に耐えられるようになる生後6か月以降で、水を使うので、冷たくないように少々温かい時期で行うことを考えており、7月の実施となりました。
洗礼式の目的は、もちろん宗教的なものですが、フィリピン人のコミュニティに我が娘を紹介する!という意味もあり、ミサの最中に行いました。
どこで行うのか
まず、どこで行うのかです。いつも通っている教会か、それとも地元(我々の場合だと、夫の実家の地元、つまりフィリピンの教会か)です。どこで行うのかによって、一緒に祝う人も変わってきます。夫の地元で行うよさは、夫側の家族が全員参加できるということです。ただ、我々の場合は、現在、夫の地元の教会に通っているわけではなく、こちら、オランダの居住地で通う教会があり、また知人友人の輪がある中で、わが子の洗礼を行い、お祝いをしたいという思いがありました。また、コロナで子どもを連れてのフィリピン帰国が簡単ではないことから、オランダのいつも通っている教会で行うことにしました。
洗礼式で一人だけ洗礼されるということもありますが、複数人が同日に行うということもあります。これは、教会の規模にもよると思います。
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準備
洗礼式を行うと決めたらいろいろと準備をしなければなりません。まず、この意思を教会の神父さんや、フィリピンコミュニティの取りまとめをしている人に知らせる。そこで、スケジュールなどの調整を行うというところから始めました。
それから、ゴッドファザーやゴッドマザーと呼ばれる人たちを決めて、その人たちにお願いします。(まぁ、すでに心に決めていた人に正式にお願いする!ということなのですが)ゴッドファザーなどと聞くと、70年代の映画「ゴッドファーザー」を思い出しますが、洗礼を受ける人の教会生活における導き手としての役割を期待され、生涯にわたり関わりが続いていく人の名称です。男性の場合は、ゴッドファザー、女性の場合はゴッドマザーです。基本的には、ゴッドファザー、ゴッドマザーは一人ずつ、そしてカトリック教徒の人たちにお願いするのですが、その枠以外でお願いしたい人がおり、カトリックではない友人も娘のゴッドファザー/マザーです。
関連ブログ「ゴッドファザー(Godfather)&ゴッドマザー(Godmother)・・・フィリピンの代父母のシステム」
事前に洗礼をしてくださる神父さんともお話/面談をして、改めて洗礼式の意義を学び、心の準備をしました。
内面の準備もそうですが、外側の準備もいろいろと大切です。まず、教会にあるフォームに記入し、それを提出します。フォームには、洗礼を受ける人の名前、その両親の名前、住所、ゴッドファザー、ゴッドマザーの名前、洗礼に際しての面談の日時などです。提出後、教会とそのボランティアの方々が、洗礼式に必要なもの(聖水、聖油、白い衣、キャンドル等)を準備してくれます。
服の準備。服は白。洗礼式とは、新たに生まれることを意味するので、その象徴としての色、白を身にまといます。洗礼式に出席する子どもの両親も白い服が好ましいです。我が家には、洗礼式用のドレスがなかったので、白い生地を購入して、それでサマードレスを作り、それを洗礼式用のドレスとしました。作ろうと決めたのは、式の一週間弱前だったので、かなりばたばたとしました。
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洗礼式用に作ったドレス |
今回は、コミュニティでお祝いする洗礼式であったため、そのあとのレセプションの準備も必要でした。はじめは、料理を作る気満々でしたが、人数が50人以上と多く、当日は忙しくなることも予想され、ケータリングでご飯の手配をしました。
レセプションを行う場合は、来てくださった方に少なからず、何らかのお土産を準備します。何か使えるもので、それほど場所を取らないもの・・・と考え、本のしおりを作りました。偉人の言葉を表面にプリントし、裏面には、洗礼式を一緒に祝ってくださり、ありがとうというメッセージを娘の写真と共に添えました。種類もいくつか作り、選べるようにしました。作ってみて思ったのが、子どもの写真を入れた時点で、もらったら困るやつかも・・・(笑)と思いつつ、いろいろ種類を作ったので、皆楽しそうに選んでくれ、以外と好評でした。
幼児洗礼の意義とは?
幼児洗礼については、キリスト教の教派によっては賛否が分かれるところがあります。というのは、聖書的ではなく、神学的な根拠がないといわれているためです。私は神学者ではないので、詳細の説明は聖職者および、教会の公式見解に譲りますが、洗礼を受けるのはイエス・キリストに対する信仰を告白した人だけであること、つまり自らの信仰を宣言し得ない幼児は洗礼の対象とならないとされています。ただ、神の恵みを預かるのに、子どもを排除すべきではないとして、カトリックは幼児洗礼を認めていると説明を受けました。
色々とありますが、これまでフィリピン社会で洗礼式などに参加する中で、実際のところ幼児への洗礼は、日本でいうところのお宮参りに似ているような気がしました。お宮参りとは、産まれた土地の守り神である氏神様である産土神(うぶすながみ)に、新たな氏子として赤ちゃんを祝福してもらう行事で、特に昔は、乳児の死亡率が高かったので、健康を願う祈りが込められています。日本の多神教に根差した考え方と一緒にするのは両方の宗教に対して失礼な気がしますが、子どもの幸せを願うという根幹において一致するものがあるような気がします。
宗教的意義もそうですが、実際式を行う中で、娘の妊娠から誕生、その後の成長に多くの人に関わってもらい、いろんな点で助けてもらっていたことを改めて感じ、とても嬉しく、感謝の気持ちを新たにしました。
行ってみて
準備はそれほど大変ではないのですが、関連ブログ
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