フィリピンー聖週間、「受難日」に移動するとこうなる!

 フィリピンにGrab、Uber等のタクシーサービスが登場する前までは、タクシーには乗りたくないと思い、避け、不便でも公共交通手段を使っていた。しかし、スーツケースを持っての移動は、かなり大変であるため、通常はイヤイヤでタクシーを使用している。あぁ、本当に嫌だ。私がどれほどフィリピンのタクシーが嫌いであるのかはブログ「これだからマニラのタクシーは乗りたくない!と思う瞬間」に書いているため、これ以上述べないが、精神的苦痛が多く、便利さがあっても簡単に相殺されないと思うこともあります。


ニノイアキノ空港内を走る空港タクシーと白タク
ニノイアキノ空港内を走るタクシー、このタクシーはこの話とは関係がない車両です



受難日の移動が意味するもの

フィリピンと日本を仕事で行き来していた時のことですが、その日がたまたま聖週間・受難週、よりによって受難日(Good Friday)と重なってしまった時がありました。聖週間とは、エルサレム入城から十字架にかかり、その後復活するまでの期間を言います。この間に様々な行事が行われます。

参考ブログ「フィリピン人にとって大切な週間ーホーリーウィーク(Holy Week)/聖週間 どのように過ごすのか(枝の主日・祈祷行進・最後の晩餐)

クリスチャンが人口の8割以上を占めるフィリピンでは、クリスマスに並び、とても大切にされている期間であり宗教行事です。大切な週であるため、すべてにおいて、優先されます。そのため、店舗の開店日のスケジュール等が変則的になります。水曜日は、半日、木曜日と金曜日は休み、土曜日は半日など、お店によりますが、イエスキリストが十字架にかかったとされる金曜日(受難日)は、おおよその商店は店を閉めます。
また、人々は受難日には移動を避けます。キリストが十字架にかかり、キリストのご加護がないとされて、移動は、事故防止の観点から忌避されています。そんな日に、日本への帰国となりました。

なかなか捕まらないタクシー

こうした理由から、帰国予定であっても、タクシーの絶対数が少なくて、なかなか捕まりませんでした。(おそらく、私が当時生活していた場所も悪かったのだと思いますが)いつもであれば、向こうから声をかけてくるのに、そんな車どころか、車道を行きかう車両の絶対数が少ないのです。

ようやく捕まえることができたおんぼろタクシーは見るからに心もとなく、乗りたくない気持ちでいっぱいでしたが、タクシーを探してしばらく経つこと、飛行機に乗り遅れることが心配で、乗車することにしました。

おんぼろタクシー

走り始めると、見た目通りのおんぼろさのノロノロ運転によほど、途中で降りてしまおうかと思うほどでした。のろのろ運転で走ったのちに大通りに出ました。さすがに大通り、車はわずかながらも走っていました。

途中、何を思ったのか、運転手が運転席の窓を開けて、隣車線を走る、運転手に怒鳴り始めました。違うことに気を取られていたため、何を言っているのか聞き取る前に、運転手は怒鳴るのをやめて、車を止めました。驚いたことに、その隣を走っていたタクシーも止まりました。

思わず、タクシー強盗団?このまま金品を脅し取られるのではないかと、警戒しましたが、おんぼろタクシーの運転手はおもむろに、私に隣車線を走っていたタクシーに移るように言います。なぜ移らないといけないのかと尋ねてもすんなり答えてくれませんでしたが、答えを迫ると、ブレーキが壊れているからのとの回答。

ブレーキは突然壊れたわけではなく、ブレーキが壊れているのを知りながら運転してのです!さすがに呆れました。

聖週間で、受難日だから停車した?

さらに、ブレーキがしっかりと利かない車を運転していたのは、今日だけではないようです。要するに、受難日で、イエス・キリストのご加護がないのだから、事故が起こる可能性が高くなると判断し、途中で運転をやめることを決断したようでした。

信心深く、とにかく生活が大変でお金を稼がないといけない理由はわかるものの、倫理性に欠ける運転手に驚き、あきれたのを覚えています。しかし、これが受難日でなかったら、おそらく、無理して空港まで運転してことでしょう。

聖週間の特に受難日は、交通量が少ないため、宿泊先から空港までの道のりは、渋滞の心配がなく良いのですが、タクシーの選択肢が少ないのは困りものです。こんなことは、そうそうおこるものではないのですが、おんぼろタクシーを避け、また聖週間、特に受難日の移動は避けた方がよさそうです。




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