今更ながらフィリピンでのカルチャーショック

フィリピンとの付き合いも長くなり、今更ショックなことなど何もなくなり、むしろ「ショック」なことは何かないかと探すようにさえなってしまった今日この頃。しかし、フィリピン滞在当初、様々なことに驚きました。

カラバウ
フィリピンの水牛、カラバウ

マノポ(Mano po)

年長者に対して行う挨拶。年長者の手を取り、相手の手の甲を自分の額に1〜2秒間ほどつける一連の仕草です。これは年上の人に対して行うもので、特に著者の場合は義理の父・母や、祖父母、義理の父や母の兄弟などです。しかし、生活当初は、遠目から見ると、手の甲にキスをしているようにも見え、あるいは手の甲の臭いを嗅いでいるようにも見え、何をしているのかわからず戸惑いました。

一方、著者には20人ほどの甥っ子と姪っ子がおり、外国人である著者に対してもマノポがされ、少々戸惑います。今では旦那の実家の義母にはそのように挨拶します。ちなみにこの他にも様々な日常生活でみるジェスチャーは、当初は「?」の連続でした。

関連ブログ「フィリピン人的ジェスチャー

親族会

フィリピンでは、親族の付き合いは親密で、冠婚葬祭のイベントでは一体この人だれと思うような人も参加します。日本の親族会というとなんだか、ほのぼのとした印象をうけますが、毎年行われる夫の親族が開催する親族会には100人近くが集合し、2泊3日でキャンプします。人数が多いこと、そしてキャンプという名の雑魚寝(ほぼ体を真っ直ぐにして寝るスペースがない程の場所に休みます)にぎょっとします。

また更に、名前を覚える人の数が多いことに少々の衝撃をおぼえます。旦那はこの人は「父親のいとこの長男の嫁の・・・」等と紹介されるもので大変こまります。そして次回同じ人に会おうものなら、旦那は「この前紹介したじゃないか、おぼえていないの?」という始末で勘弁してほしいと思います。

関連ブログ「フィリピン大家族の集い(1) ー会場までの道のり

友人という名の保障

以前NGOに勤務した時、日本の大学のゼミがフィリピンの小学校とのコーディネーションをしてほしいと依頼がありました。そのため、こちらの意図を説明すべく、マニラ市内の小学校をいくつか訪問し、学校長と面談しました。依頼した大学とその学生と著者の関係について訊ねられたことがありました。

大学の教員および、学生とはまだ会ったことはないので「友人」という言葉は使うことはせず、ただ「学生」と大学の「教員」とし、彼らがフィリピンの初等教育大きな関心を寄せており、学校長へのインタビューを行いたい、そして可能であれば授業を見学させて頂きたいと内容を端的に告げました。

結果、依頼を受けてくれたのですが、後日談として、同行してくれた現地職員は、学校長は著者を信頼してくれたので、その著者の「友人」なら学校に迎え入れてもよいと判断したかったらしいのですが、著者は「友人」という言葉を使わず、「学生」とか「教員」という言葉を使ったので、学校長が判断にこまったとのことでした。

関連ブログ「フィリピン人の助け合いの精神と「公」と「私」の関係

適正試験の内容

大学教員として採用された際には、長い採用試験があり辟易しましたが、筆記試験の内容に、試験中ながら笑ってしまったこともありました。
詳細は「フィリピンの大学教員のための就職試験を受ける」に書いた通りですが、状況判断を審査する筆記試験、フィリピン的文脈の問題が多すぎて・・・試験中、思わず笑ってしまいうまく集中できませんでした。

問題が多すぎで正確には覚えていませんが、たしかこんな問題。
例:仮にあなたが女性教師として、男性生徒から“なれなれしく”されたらどう対応するか。(ようは、ハンサムな男子生徒から誘惑されたらどうする?というもの)
1.男子生徒を叱る
2.上の人に報告する
3.男子生徒の呼びかけに応える
4.学校のカウンセラーのもとに連れて行く

こういう状況ってあるんですか?しかも男子教員が女生徒に誘惑されることのほうが多いのでは?しかもこの問題、記述式回答ではなく、選択式なのです!えっと・・・上記に当てはまらない場合はどうするのでしょうか。そもそも採用されたい人が3を選択するのでしょうか?と頭の中でのツッコミは止まりません。他にも、チョコレートと称して、砂入りの箱がプレゼントされたらどうするか?とか・・・

9月からクリスマスのカウントダウンがはじまる!

フィリピン人にとっては、クリスマスは海外で働く親族も帰国したり、遠くの親族も集うめったにない機会で大変待ち遠しいイベントです。また、国民の約90%がクリスチャンという国柄、クリスマスを待ち焦がれる気持ちが強く、フィリピンでは早くて8月、あるいは9月ごろからクリスマスソングが聞こえます。また、毎日のニュースでは、番組の終わりにクリスマスまでのカウントダウンが表示されるのですが、それが始まるのはクリスマスの約3か月まえほどからです。

日本では11月でも、クリスマスの用意などして「早い」なぁと感じるのですが、更に2,3か月前からクリスマスの用意をはじめるというのはなんともです。

関連ブログ「バーマンス(Ber months)って何?フィリピン人の待ち焦がれたクリスマス

職場での堂々の副業

フィリピンの給与は物価の上昇に見合わず大変低く、コレでどうやって生きていくのだろうかと大いに疑問におもうことしばしです。特にこどもがおり、高齢の両親を抱えると、定職をもっていても世帯は常に火の車です。

そのため、副業をもつ職員もただいます。職員の一人は、日本人にオンラインで英会話を教えていました。著者の職場ではありませんが、保険勧誘をススメる職員もいれば、ちょっとしたオツマミが販売されることもしばし。もちろん、職場は推奨しないものの、黙認状態です。

愛情表現・嫉妬・浮気その他諸々

嫉妬も愛情表現のうちという文化。しかし、浮気性なフィリピン人男性の話は聞くほどに驚きです。一般的に、嫉妬が愛情表現とされており、女性は常に男性に近づく女性の影をきにします。逆も然りで、フィリピン人女性の友人は、浮気(とまでは行かずとも、妻と他の男性の接触)をおそれ、毎日バイクで職場まで迎えに来ていたという話をききます。これは少々極端ですが、似たような話をききます。

一方で、フィリピン人男性(のごく一部)は(極端な)浮気性で、一度バスに同上した際に隣の席に座っていた男性はマニラと地元に家族が2つあると誇らしげに語り、著者を呆れさせました。(初対面の人に話す内容ではないので、顔が硬直しました)他にも、フィリピンに家族を残しながらも在外赴任中に浮気、さらに子どもも作ってしまうという人の話を海外のフィリピン人コミュニティの中でしばしば聞きます。

また、衝撃的だったのが、タクシーを乗車中にタクシー運転手から「いい所に行こうよ」としつこく誘われた時でした。具合の悪い男子学生を病院に搬送中だったのですが、そんなことは気にせず、そして仕事中に電話してきた妻にも気にもとめず、やたらしつこいセクハラ運転手には嫌悪感で「地獄に落ちろ、この変態(Banstos ka!※)」と下車時には捨て台詞を言わざる得ないほどでした。

※Bastos kaと強い語気で言えば、「お前は野卑だ」という意味になります。この表現はタガログ語の映画から学びました(笑)

関連ブログ「フィリピン人男性は浮気性?

ニュース番組でのモザイク無しの衝撃映像

フィリピンのニュース番組、ご遺体の写真や容疑者の突撃取材など何かと過激です。日本であれば、殺害現場の映像は遠目で、しかもブルーシートで覆われて何もみえないというのが相場ですが、フィリピンの場合はご遺体の写真はもとより、ご遺体から流れ出る血も撮影されます。また、猥褻の容疑で捕まった容疑者には取材攻め。カメラを留置所の中まで持ち込んでしまうのですから、容疑者の権利もなにもあったものではありません。

上記は、少々驚いたことのほんの一部です。これらの経験を通じて、あらためて自分の生きてきた世界に対する認識の狭さを確認しました。しかし、驚いたことの一部はすでに過去のものとなりつつありますが、流石に、モザイク無しのニュース映像や浮気性のフィリピン人男性には未だ衝撃をうけています。



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