コーカサス3国を列車で移動したい!という声をよく聞きます。列車は夜行のみなので、観光のための時間を無駄にせずに移動できるので大変便利。また、バンやバスでの移動とお値段が変わらないわけなので、利用しない手はありません。さらに、列車の旅は人との出会いやちょっとしたドラマも時にあります。ただの移動手段ではなく、旅の情緒を感じる列車の旅、オススメです。
定刻通りに電車はトビリシを出発。出発後直ぐに寝台用敷布に使用するベットシーツや敷布、ハンドタオルのセットが配布されます。すぐに眠る訳ではないけど、ひとまずゴロリとなれるようベッドメイキングをします。
電気が煌煌とするキャビンもありますが、著者のキャビン(といっても3等車両なので仕切りはないが)は薄暗く、本を読み始めたもののたちどころに目が痛くなり、途中YouTubeで音楽を聞くことにしました。
それにしても、同じキャビンの乗客の足が死ぬ程臭くて、動く列車の窓から匂いのもとになる靴を放り投げ、別の匂いのもとである乗客の足に消臭スプレーを吹き付けようと本気で思ったほどです(実は、消臭スプレーを持ってきていましたけど・・・流石にシューって吹きかけたら、まずいかと思い自制しました。まずいというのは、変な東洋人が殺虫剤をまいていると思われると思ったからです)。早速、喉の乾燥対策に持ってきたマスクを着用。
21時半頃、アゼルバイジャンとの国境近くのガルダバニ駅で停車し、ジョージアの出国の手続きをします。手続きと言っても直ちに行われる訳ではありません。基本的に電車内待機で、出入国管理を行うジョージア人名前を確認しながら、パスポートを回収しにやってきます。
時間がそれなりにかかるので、外に出て喫煙する人売店でものを購入する人もいます。よくわからないけど、同じキャビンに乗車したジョージア人のお兄ちゃん、コーラを数本飲んで、チップスを食べ、映画を見まくっていました。かなりの消費量なのに、それでも足りなかったらしく売店で購入していました。
停車から約1時間半後、ようやく全員分の確認が終わったのか、パスポートが返却されて電車が動き始めました。
あまりにも長い待ち時間であったため、隣の寝台席のロシア人女性と話をしたのですが、なぜか人生について話すことに。他国に住むって難しいことあるよねーって具合に。人のことは言えないが、ちょっと一般的ロシア人とは違うようす。だから、ロシアの生活に耐えられなかったのか、数カ国を転々と生活している様子。実はスパイだったりして(笑)なーんて思うのは、考えすぎかも。
その頃すでに夜の11時半頃、眠いのですが少々我慢。また、ここで1時間半ほど停車します。駅に到着してからというもの、忙しく人が入ってきます。まず、パスポートの回収。そのあと、厳しい顔のおじさんとお姉さんが入ってきて「アルメニアに行ったことがあるか?」と質問されました。英語が話せないようで、最初はロシア語のみで質問されて「?」でしたが、先程のロシア人女性が、質問の内容を通訳してくれました。
「行ったよ」と彼女に言ったのですが、どうやら先程友人になったロシア人の女性は、気を利かせてか、「ニエット(ノー)」と言っている様子でした。すでにパスポートにスタンプがあるから、行ったことがないって嘘はすぐにバレるから、正直に言ったのですが・・・まぁ、コレで入国拒絶されたら、「じゃあ査証を出すんじゃねぇって」キレるか何かしていたと思いますが、そのおじさん、そのロシア人女性の証言をうけてさっさと下がっていきました。
列車の別室で待つ入国審査官は携帯用の端末で著者のパスポートを読み取り、写真を撮影され、事前にトビリシにて取得した査証が確認され、ものの5分もかからず終了しました。もしかしたらここで、アルメニア出入国のスタンプについてとやかく言われるのではないかとドキドキしましたが、そんなことはなく、とっとと終わり、少々がっかりしたりしました。
それ以降は、消灯し眠りにつきます。朝7時ごろ、人々は起きはじめますが、著者はあまりよく眠れず、6時頃、外が明るくなりだしてから目がさめてしまいました。目は冷めていましたが、しばらくゴロゴロして、皆が起き始めるくらいに就寝用に使用していたベッド等を片付けます。
ちなみに死ぬほど足のクサイお兄さんとコーラ飲みまくりのジョージア人のお兄さんは、なかなかおきません。女性、その男性たちのお母さんぐらいの年齢の人にもう中央駅に到着するころよ〜と突かれているものの、粘ります。
電車の外は、アルメニア風の大きな庭をもつ家屋、砂漠のような荒涼とした土地、そして遠くに石油の精製所らしき場所が見えます。ここで、改めてアゼルバイジャンに来たのだなぁと実感しました。
ひたすら歩いていくと出口が見えてきます。出口を背にして左折して、階段を下っていくと右手側に地下鉄駅が見える他、左手側にはアゼルバイジャン国鉄のオフィスがあります。
アゼルバイジャンの国鉄の建物一階で、オンラインで購入したチケットを受け取ることができます。帰る当日に受け取ることもできますが、すでに駅にいるのと、窓口も開いているので、受け取ることとしました。
係員にオンラインですでにチケットを購入していることを告げ、チケットを印刷してもらいます。(オンラインで、購入し、その確認メールが来たとしても、それで終わりではないので、注意!)
ジョージアでは、カード決済がかなり進んでいますが、なぜかこれは、カードで決済ができず、駅に直接購入しにいくか、旅行会社を通じて購入するという方法になります。しかし、旅行会社を通じての購入だとチケットの代金が倍以上に高くなります。
値段は、1等車両120ラリ、2等車両62ラリ、3等車両約38ラリです。スケジュールは、夏季のピークシーズンとオフシーズンでは異なり、 夏季のシーズンでは、毎日の運行があり、冬季は一日置きです。
一方バクーからトビリシまでのチケットはオンラインで予約・支払い可能です。ブログ「バクーからトビリシまでの夜行列車オンラインチケット購入方法」でご紹介した通り、移動予定の日にちを入力し、どの等級の席にどれぐらいの空席があり、お値段はいくらか?また、席を直接予約が可能です。
実際利用してみて・・・アルメニアを往復する列車と比較して、そこまで古くはないかもと思いました。アルメニアの寝台車は、ベッドの金具部分が若干錆びてい寝台車用のマットレスも流石に色とか変わってなかったし。ただ、やっぱり洗濯しているの?と突っ込みたくなる色合い。もちろん、それにカバーをかけて使用できるので、よいのですが、しかし・・・きになる。もちろん、臭いなんて怖くて嗅ごうとは思いません。ちょっと頑張って新しい敷布団と枕、購入してほしいなぁ。
現在はアゼルバイジャンとアルメニアは未解決の紛争があり、この2カ国を直接結ぶバン、列車、飛行機はありません。信頼醸成のために、この2カ国を結ぶ列車を復旧させようという話があったようですが、すぐさま立ち消えになったようです。
また、ジョージア人はその2カ国の紛争に直接介入していないものの、ジョージア人がアゼルバイジャンに入国する際に、アルメニアの入国印が押されている場合は、アゼルバイジャンに入国できないことがある、あるいはジョージア人でもアルメニア系の人もいるのですが、そういう人も入国が難しくなります。商売でアゼルバイジャンとアルメニア両国と行来がある場合は、2つのパスポートを持っているという話を聞きます。
まずアゼルバイジャンに空路で入国。理由は、(現在2019年9月時点で)ビザを到着と同時に無料でしかも簡単に取得できます。陸路で入国する場合は、E-ビザをとらないといけないのが面倒でしょう。また、ブログですでにご紹介した通り、事前にオンラインで列車のチケットを予約・支払いが可能であることはありがたい。
さらに、アルメニアから入国してしまうと時々面倒です。今まで日本人がアルメニア入国を理由にアゼルバイジャンの入国を拒否されたという話を聞いたことはありませんが、アゼルバイジャン入国の手続きに少々時間を要したとのこと。
また、アゼルバイジャンからジョージアに列車で戻りますが、楽しみです。しかし、海外で夜行列車なんて、何か心配!と言う人もいますが、一度経験したら、こんなものかぁと思うもの。トビリシ・バクー間は是非電車で。
・夜行列車で行こう!トビリシ・バクー間、12時間・600キロの旅
・便利!バクーからトビリシまで、夜行列車オンラインチケット購入方法
・第二のドバイ?新旧が同居するアゼルバイジャンの首都バクーを歩く
列車でいこう、トビリシ・バクー |
トビリシからバクーまでの旅
トビリシ中央駅を夜8時35分、翌日8時頃にバクー中央駅に到着します。合計約12時間、距離にして約600キロ弱の移動です。トビリシ・バクー間の夜行列車3等席車内 |
電気が煌煌とするキャビンもありますが、著者のキャビン(といっても3等車両なので仕切りはないが)は薄暗く、本を読み始めたもののたちどころに目が痛くなり、途中YouTubeで音楽を聞くことにしました。
それにしても、同じキャビンの乗客の足が死ぬ程臭くて、動く列車の窓から匂いのもとになる靴を放り投げ、別の匂いのもとである乗客の足に消臭スプレーを吹き付けようと本気で思ったほどです(実は、消臭スプレーを持ってきていましたけど・・・流石にシューって吹きかけたら、まずいかと思い自制しました。まずいというのは、変な東洋人が殺虫剤をまいていると思われると思ったからです)。早速、喉の乾燥対策に持ってきたマスクを着用。
ジョージアからの出国手続きを行ったガルダバニで見かけた猫、#Gardabanicat |
ジョージアとアゼルバイジャンの国境の町、ガルダバニ駅の売店 |
あまりにも長い待ち時間であったため、隣の寝台席のロシア人女性と話をしたのですが、なぜか人生について話すことに。他国に住むって難しいことあるよねーって具合に。人のことは言えないが、ちょっと一般的ロシア人とは違うようす。だから、ロシアの生活に耐えられなかったのか、数カ国を転々と生活している様子。実はスパイだったりして(笑)なーんて思うのは、考えすぎかも。
アルメニアに行ったことがあるか?
また約15分ほど走るとアゼルバイジャン入国の手続きのためboyuk kasik駅に1時間ほど停車します。ちなみにすでにアゼルバイジャンに入っていますが、かろうじてジョージアのインターネットがつながります。アルメニア行ったことがあるかって聞かれたけど、あるし、ばっちり証拠も残っています。 以前は、アルメニアに行ったあと、アゼルバイジャンに入国してこまったという話を聞いたことはあったけど、 まだこういう話があるんだねぇ。 |
「行ったよ」と彼女に言ったのですが、どうやら先程友人になったロシア人の女性は、気を利かせてか、「ニエット(ノー)」と言っている様子でした。すでにパスポートにスタンプがあるから、行ったことがないって嘘はすぐにバレるから、正直に言ったのですが・・・まぁ、コレで入国拒絶されたら、「じゃあ査証を出すんじゃねぇって」キレるか何かしていたと思いますが、そのおじさん、そのロシア人女性の証言をうけてさっさと下がっていきました。
列車の別室で待つ入国審査官は携帯用の端末で著者のパスポートを読み取り、写真を撮影され、事前にトビリシにて取得した査証が確認され、ものの5分もかからず終了しました。もしかしたらここで、アルメニア出入国のスタンプについてとやかく言われるのではないかとドキドキしましたが、そんなことはなく、とっとと終わり、少々がっかりしたりしました。
それ以降は、消灯し眠りにつきます。朝7時ごろ、人々は起きはじめますが、著者はあまりよく眠れず、6時頃、外が明るくなりだしてから目がさめてしまいました。目は冷めていましたが、しばらくゴロゴロして、皆が起き始めるくらいに就寝用に使用していたベッド等を片付けます。
アゼルバイジャンの国鉄のロゴの入ったシーツ 使用したマットレスは、アルメニア・ジョージア路線のものよりも新しいようでした。 |
電車の外は、アルメニア風の大きな庭をもつ家屋、砂漠のような荒涼とした土地、そして遠くに石油の精製所らしき場所が見えます。ここで、改めてアゼルバイジャンに来たのだなぁと実感しました。
アゼルバイジャン国内の石油関連施設 |
バクーに到着!
バクー中央駅に到着。プラットフォームは結構殺風景なので、少々驚きました。またプラットフォームには覆いはないため、雨が降ったら荷物を抱えて移動しないといけないので、大変そう・・・。ひたすら歩いていくと出口が見えてきます。出口を背にして左折して、階段を下っていくと右手側に地下鉄駅が見える他、左手側にはアゼルバイジャン国鉄のオフィスがあります。
アゼルバイジャン中央駅のプラットフォーム 3等車両は一番後ろなので、結構な距離を歩きます。 |
アゼルバイジャン中央駅の様子、モダンです |
アゼルバイジャン中央駅のチケットオフィス入口 |
係員にオンラインですでにチケットを購入していることを告げ、チケットを印刷してもらいます。(オンラインで、購入し、その確認メールが来たとしても、それで終わりではないので、注意!)
アゼルバイジャン中央駅のチケット売り場 |
列車のチケットの購入方法
トビリシからバクーまでの列車のチケットの購入方法は、基本的に、ブログ「トビリシから夜行列車で行くエレバン:トビリシ〜アルメニアの陸路移動」でご紹介した、方法と同じです。ジョージアでは、カード決済がかなり進んでいますが、なぜかこれは、カードで決済ができず、駅に直接購入しにいくか、旅行会社を通じて購入するという方法になります。しかし、旅行会社を通じての購入だとチケットの代金が倍以上に高くなります。
値段は、1等車両120ラリ、2等車両62ラリ、3等車両約38ラリです。スケジュールは、夏季のピークシーズンとオフシーズンでは異なり、 夏季のシーズンでは、毎日の運行があり、冬季は一日置きです。
一方バクーからトビリシまでのチケットはオンラインで予約・支払い可能です。ブログ「バクーからトビリシまでの夜行列車オンラインチケット購入方法」でご紹介した通り、移動予定の日にちを入力し、どの等級の席にどれぐらいの空席があり、お値段はいくらか?また、席を直接予約が可能です。
実際利用してみて・・・アルメニアを往復する列車と比較して、そこまで古くはないかもと思いました。アルメニアの寝台車は、ベッドの金具部分が若干錆びてい寝台車用のマットレスも流石に色とか変わってなかったし。ただ、やっぱり洗濯しているの?と突っ込みたくなる色合い。もちろん、それにカバーをかけて使用できるので、よいのですが、しかし・・・きになる。もちろん、臭いなんて怖くて嗅ごうとは思いません。ちょっと頑張って新しい敷布団と枕、購入してほしいなぁ。
アゼルバイジャンに入国できないアルメニア人
コーカサス3国と言われ、3カ国の友好関係を連想させますが、隣り合う故の難しさや、歴史、領土に関する問題があります。そのために、上記のような質問-「アゼルバイジャンに入国したことありますか?」が入国の時にあったわけです。現在はアゼルバイジャンとアルメニアは未解決の紛争があり、この2カ国を直接結ぶバン、列車、飛行機はありません。信頼醸成のために、この2カ国を結ぶ列車を復旧させようという話があったようですが、すぐさま立ち消えになったようです。
また、ジョージア人はその2カ国の紛争に直接介入していないものの、ジョージア人がアゼルバイジャンに入国する際に、アルメニアの入国印が押されている場合は、アゼルバイジャンに入国できないことがある、あるいはジョージア人でもアルメニア系の人もいるのですが、そういう人も入国が難しくなります。商売でアゼルバイジャンとアルメニア両国と行来がある場合は、2つのパスポートを持っているという話を聞きます。
コーカサス3国を列車で旅するなら、まずアゼルバイジャンから
トビリシからの旅の様子を綴ったわけですが、コーカサス3カ国を制覇したいのであれば、アゼルバイジャン→ジョージア→アルメニアの順番がよいと思います。もし、アゼルバイジャンとジョージアの二カ国であってもアゼルバイジャンを先に訪れるのがよいでしょう。まずアゼルバイジャンに空路で入国。理由は、(現在2019年9月時点で)ビザを到着と同時に無料でしかも簡単に取得できます。陸路で入国する場合は、E-ビザをとらないといけないのが面倒でしょう。また、ブログですでにご紹介した通り、事前にオンラインで列車のチケットを予約・支払いが可能であることはありがたい。
さらに、アルメニアから入国してしまうと時々面倒です。今まで日本人がアルメニア入国を理由にアゼルバイジャンの入国を拒否されたという話を聞いたことはありませんが、アゼルバイジャン入国の手続きに少々時間を要したとのこと。
また、アゼルバイジャンからジョージアに列車で戻りますが、楽しみです。しかし、海外で夜行列車なんて、何か心配!と言う人もいますが、一度経験したら、こんなものかぁと思うもの。トビリシ・バクー間は是非電車で。
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