フィリピン人と結婚(5) - フィリピン人との結婚、その良さは?


「フィリピン人女性と結婚しました」あるいは、「彼女はフィリピン人」という話は時々聞くけれど、旦那がフィリピン人というケースは非常に少ないように思います。

厚生労働省「夫妻の国籍別にみた婚姻件数の年次推移」によると、日本人男性とフィリピン人女性のカップル全体を5755件に対して、日本人女性とフィリピン人男性のカップルは156件。

156件、私は案外多いと感じましたが、聞くところによると某宗教団体によるお見合い結婚などかなりの数存在するらしく、そして総数として含まれため、恋愛結婚というパタンーンはこの数よりも少ないようです。恋愛だろうと、お見合いだろうと、男性と女性にこれだけの差があります。





これらのグラフにある数の引用や印象論で、外国人女性は豊かさを求めて日本人男性と結婚するという書き込みをインターネットのいたるところで目にします。一つのデータと出会った人たちの感触のみで結論を急ぐのは非常に危険ですが、(外国人)女性の一部は結婚やお付き合い経済的安定を求めているということをとある雑誌のインタビューで読んで、改めて納得します。

女性は、出産・子育てなどを考えると経済的に不安定になる要素が男性以上に高いと思われます。経済的要因を鑑みるというのは、それが結婚の絶対要件になることには反発するものの女性としてはある種、納得するところです。

正直、相当お金持ちなフィリピン人ではない限り、経済的な格差はあります。しかし、そんな中、何故フィリピン人なのか?著者は特に旦那の国籍を選んだ理由はなく、出会った人がたまたまフィリピン人だったという以上のものはありません。別に、ペルー人だろうとロシア人、ザンビア人だろうとあまりこだわらなかったように思います。

フィリピンの集まりで出会ったフィリピン人を妻に持つオランダ人の男性と立ち話をしました。国際結婚特有の問題から、フィリピン-オランダ、フィリピン-日本カップルならではの悩みもさることながら、またフィリピン(人)のよさを再度認識、共有したのでした。。

蘭比カップルの悩み

オランダ-フィリピンのカップルの悩みは、経済の問題に集約されると言っていいと思います。奥様はフィリピンで看護の勉強をしたそうですが、こちらではその勉強したという学位は通用せず、もう一度勉強し直さなければならず、それ故現在職を見つけるのが難しいということ。

その為現在は旦那さんのお給料が家計を支えています。お子さんが小さいので今はいいけど、今後はどうしようかと考えているようでした。男性の会社はフィリピンに支社があるようですが、その仕事を取ると今のようなお給料をもらえない。勿論、お給料のレベルが下がってもフィリピンで生活する限りは問題ない額。しかし、もしオランダに戻るようなことがあった場合や、子どもをインターナショナルのスクールに入れる場合には少々不足を感じるような額で、移住にはなかなか踏み切れないと話していました。

フィリピンに学んでほしい親

フィリピン滞在を中々踏み切れないという旦那さんですが、子どもにとってはフィリピンで生活することでフィリピンの人たちの「人生観」を身近に感じ、またオランダ人とは異なる視点をもってほしいと思っているようです。

「オランダは、経済的には安定しているけど、生きる意味を考えるとフィリピン人の方が人生の楽しみ方、生き方を知っているように思う」と言っていました。奥さんのことを大切にしているので、いずれ夫婦にとって最良の道を見つけることができると思うと結んでいました。
いろんな意味でこのオランダ人男性の思考が透けて見えるようでした(笑)



フィリピン人の魅力

フィリピン人の魅力は以下ではないでしょうか?
1) プラス思考
2) 苦難を笑い飛ばす力+笑顔
3) 家族想い(家族の絆が強い)
4) 奥さんを大切にする→奥さんが怖くて頭が上がらない(笑)

プラス思考

兎に角プラス思考。失敗したり、窮地に立たされたりしても「明日があるさ」と良い意味で責任を背負い込みすぎない。責任感の欠如なのではと思われますが、長く何かを続けて行くには必要なスキルではないでしょうか。

冗談力

時に笑えない冗談「僕の家は台風シーズンが過ぎるとすぐに新しい家に立て直せる。なぜならダンボールで作ってあるからさ!」なんてことを聞きますが、難しい環境も笑い飛ばします。

家族想い(時に度が過ぎる家族想い)

家族想い、家族想いすぎて海外で働いて得たお金を仕送りをします。フィリピンの経済は海外からの送金に支えられています。だから大統領も海外出稼ぎ労働者を大切にします。私はこの現象をプラスに捉えていませんが、私のポイントは、送金云々ということよりもその家族の距離。イベントがあれば国際電話でも電話をして、家族の近況を聞いたりします。結婚しても、いろんな問題があっても兄弟姉妹同士が仲がいい。

奥さんを恐れる

奥さんが怖くて頭が上がらない(笑)というのは冗談ですが、女性の位置がアジアの国の中では非常に高いと感じられます。その証拠に要職に占める女性の割合も高く、過去に2名女性の大統領を輩出しています。女性が活躍出来る背景には安価に雇える「お手伝い」さんの存在があり、それはそれで考えようですが、女性とりわけ、自分の母親には産んでくれた一生返せない恩があるという考え、そしてマリア信仰が強く女性を大切にする文化に結びついているように思われます。これを魅力といっていいのか?(笑)

著者の大学院時代の教授のひとりは国連の仕事柄多くのフィリピン人に出会うそうですが、押し並べて優秀だそうです。優秀なのに気さくで付き合いやすい彼ら。海外で出会うフィリピン人、優秀なのですがそれを鼻にかけず(勿論、時にとっても高慢ちきでエリートぶった嫌な人にも会いますがw)、冗談を言いながら、人との関係を大切にして仕事を進めて行きます。極めて高いソーシャルスキルを持つのは、おそらく彼らが幼少の頃から大きな家族の中で育ちながら、関係を築いて来たからだと思います。

今日もまた新たなカップルが誕生したことと思います。お互いの違いを認識しつつも、よい夫婦関係を築いて行かれることを願います。

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