パラセタモール(paracetamol)はオランダの常備薬

オランダの医療に関する外国人の不満の一つが、パラセタモールの多使用だと思います。パラセタモールとは、解熱鎮痛薬の一つで、欧米では、発熱、寒気、頭痛、生理痛など日常的な症状の緩和・改善に用いられている薬です。新型コロナ感染症の解熱薬として「イブプロフェン」※と共に推奨されているのもこの「パラセタモール」です。

パラセタモール
オランダで販売されている市販のパラセタモール500mg、50錠で1.19ユーロ(約150円)


オランダでは、ホームドクターの制度を取っており、ホームドクターが大きな病院に照会しない限りは、ホームドクターのところで健康に関する諸問題を解決することになっております。大体の場合は、ホームドクターの診療所に行き、症状にあった薬を処方されますが、痛みについては、パラセタモールを飲むようにアドバイスされることが多いです。

パラセタモールは、医師の処方の必要がない、オランダの家に常備されている市販薬で、これを置いていないという家は少ないと思われます。万が一、無いという場合でも、近所のスーパーなどで、安価に購入することができます。我が家で常備しているパラセタモールは、500㎎が50錠入って、1.19ユーロ(約150円)のお値段です。

このパラセタモール、日本ではあまりなじみがない薬だと思います。しかし、パラセタモール、またはアセトアミノフェンを主剤とする薬は、日本でも市販されています。「ノーシン」「新セデス錠」などもアセトアミノフェンを主剤としています。しかし、日本ではパラセタモールとしては、売られておらず、オンラインの通販で約4000円や5000円の高値で販売されているのをみて、驚きました!

ここオランダでは、めったな事ではない限り抗生物質は処方されません。熱も38度あるいはそれ以上を超えないと医師に診てもらうことは一般的ではありませんし、女性が罹患しやすい、尿路感染症もクランベリージュースでも飲んでおきなさい等の一言で済まされてしまいやすいです。

ここ数日、夜も寝られぬほどの腰痛と腹痛を経験していますが、病院に連絡して看護師からの一言は、パラセタモールを6時間に1グラムずつ数日服用して、改善しなかったらまた連絡くださいとのことでした。思わず「うわ、またパラセタモールか・・・」と舌打ちしてしまったほどです。ちなみに、服用を開始しましたが、しっかり効いている感じはありません。これ、数日続けるの?と現時点では疑問です。

こうした、やり取りは異国で医療を受ける外国人には、不安であり、不満のもとにもなりやすく、外国人は、冗談と皮肉交じりに、「また、パラセタモールを飲むように言われた」あるいは病院に行くという友人に対して冗談交じりに「どうせ結論はパラセタモールの服用」じゃない、と言ったりします(笑)何かの理由があるから、痛みを感じるだろうに、痛み止めだけ飲んでいても原因がわからないのでは・・・と突っ込みたくなります。

実際、体調不良に対する過剰な心配ということもあり、本当にパラセタモールで解決することもただありますが、重篤な症状でも服用が勧めたれたというケースもあると聞きます。友人の友人が尿路結石だったケースでは、痛みの原因がその時はわからなかったため、パラセタモールを勧められたという洒落にならないことも。相当痛かったのではないかと想像します。もちろん、大事には至らなかったようですが・・・医療従事者のアドバイスを聞くことは大切ですが、正しい知識をもって、正しく備えたいものです。

オランダでは、医療機関が適切なサービスを提供できるよう、ホームドクターで解決できることは解決させ、また自宅でできることは自宅でするようにしています。そのための自宅常備薬パラセタモールです(笑)。オランダにいる限りにおいては、パラセタモールから離れられそうにありません。いずれにしても、今の腹痛と腰痛がパラセタモールでよくなることを願いつつ・・・

※参照:【解説】 新型ウイルスにイブプロフェンは危険? 事実と作り事の区別を

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