妊娠・出産はどの国、文化でも人生の一大事であり、それなりの準備をしないといけません。その準備も海外でとなると、制度や考え方なども母国とは少々異なり、戸惑ったこと、困ったことしばしです。オランダで妊娠中に戸惑ったこと、悩んだことを挙げてみました。
とにかく、オランダ語の冊子を数冊、案内を何枚かいただきました。 オランダ語苦手なんだよね。ということで、同じ内容の書かれた英語版をオンラインで探して読むことに・・・ |
病院の産婦人科ですべてが完結しない!ー助産院と出産後ケア
オランダでは、通常妊娠がわかった時にはまず、かかりつけ医のところに行き、そのあと、助産院に登録します。また、助産院に登録すると同時にオランダ語では、クラムゾルフと言われる、出産後ケア/マタニティ・ケアを提供する団体にも登録し、そのマタニティ・ナースを指名します。説明を受けるまで、このような仕組みがあることを知りませんでした。つまり、かかりつけ医→助産院(妊娠中の定期健診~自宅出産まで)→マタニティ・ナースによるケア(妊婦と乳児のケア)
日本では、出産後4,5日で退院というのが一般的なようですが、オランダでは、病院で出産した場合は、通常は2,3時間で退院であることから、妊婦が帰宅するときに、その出産後ケアをする人が家に家に来てくれて、妊婦と乳児のケアを1週間から2週間行うという仕組みになっています。
私の場合は、少々特殊な状況であったため、かかりつけ医を通さず、病院の産婦人科に観てもらっていました。こうした状況だったため、病院ですべてが完結すると思っていた私は、実は、助産院に登録しないといけない!と説明され慌てました。早々に、オランダで出産を経験した友人たちに口コミでよさそうな助産院と、出産後ケアをしてくれる人を探しました。
薬飲んでいいんですか? 処方薬ー低用量アスピリン
妊娠高血圧症候群(HDP)と言われる、むくみ、高血圧、尿たんぱくの予防のために、妊娠初期に薬を処方されました。現在特に血圧が高いわけでも、糖尿病の傾向があるわけではありませんが、初妊娠の年齢が比較的高いため、その傾向を否定できないという理由からでした。病院で、医者に薬の説明を受けたものの、妊婦って基本的に薬を飲まないのでは?胎児に影響が出るのは?と少しの不安を持ちつつ、薬局で薬を受け取りました。
自宅に帰って改めて、「低用量アスピリンによる妊娠高血圧症候群(HDP)の予防効果」について調べると、日本では一般的ではないようで、書かれているサイトにより、この療法の効果がまちまちな様子であること、胎児に影響があるのでは!と不安を覚えました。
薬局に行き直接問い合わせ、病院に電話をして看護師に率直な不安と疑問をぶつけました。「私の国では一般的ではないのですが、この薬は本当に飲んでダイジョブなのでしょうか」と。オランダでは一般的なようです。しかし、なんだかすっきりしないので、改めて、通院の時に医師に質問したこともあります。
NIPTを受けるか否か?
NIPTは、母体血を用いた出生前遺伝学的検査で、妊娠10~16週に採血を行い、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーについての確率(陽性、陰性、判定保留)を計算する検査です。この検査、日本では高額な検査(約15~21万円)であること、結果による堕胎の可能性もあることから、倫理的な問題があるとして、あまり一般的ではないといわれますが、オランダでは、2017年から、年齢や健康状態などにかかわらず、妊娠中の女性は誰でも希望すれば新型出生前診断(NIPT)を受けることができるようになりました。オランダ政府が補助し、また研究も兼ねていることから、日本円にして2万3千円ほどでうけることができます。
しかし、実際妊娠してみるまで、オランダでこの検査が、制度上受けやすいことを知らなかったため、念のため夫とも話合いました。結局は受けたのですが、想定外の検査で少々戸惑いました。
関連ブログ「出生前遺伝学的検査(NIPT)、あなたは受けますか?」
自宅出産?病院での出産?
上記の通り、病院で出産する場合は、数時間で退院となるため、出産後は、家でのんびりとしたい人は、自宅で出産するという選択肢もあります。妊娠初期で、自宅で出産したい?かと聞かれて、即答することができませんでした(汗)
外国人の友人・知人はほとんどが病院で出産したようです。なぜかと聞くと、やはり何かあった時に心配だから・・・とか、自宅という発想そのものがなかったといいます。ちなみに、オプションとして水中出産(プールは衛生的な事情から自腹で別途支払い)か通常の出産かも選べます。
コロナワクチンの接種に対する考え方
妊婦さんが新型コロナウイルスに感染すると、感染していない妊婦さんと比べて重症化する割合や早産等が多いとの報告もあり、妊娠を理由に接種を控える必要はないと考えます。
しかしながら、様々なウェブソースを調べましたが、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種することと記載されています。動物試験では、母動物が接種することで動物の赤ちゃんに悪影響は見られなかったといいます。米国におけるmRNAワクチンを接種した妊婦さんの登録調査では、副反応の頻度は妊娠していない女性と同程度でした。また、流産や死産、早産などの頻度は一般的な妊婦さんと比べて上昇しないことが報告されました。
厚生労働省のウェブサイトにも「安全性に関するデータが限られていることから、接種のメリットとデメリットをよく検討して接種を判断していただくこととしています。」とありました。最終的には自己判断でねってことなのでしょうが・・・
オランダでは、妊婦の重症化が懸念されることから接種が推奨されています。接種をどうしようかと悩む間もなく、医者は接種を進めるので、それでいいの?という感覚を覚えました。
関連ブログ「コロナ渦中での妊娠生活ーワクチン受けるか否か?」
他にも、日本で妊婦が食べられる(あるいは食することを推奨されている)食べ物がオランダでは、ダメであったり、妊娠中にそろえておくべきもののリストが結構オランダ仕様だったり、そもそも、情報ソースがオランダ語でそれらすべてが英語化されていないこと等、悩ましい今日この頃。ストレス貯めないように、出産まで乗り切りたいです。
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