どこか懐かしい感じがする、ジョージアの秘境?!トゥシェティ(Tusheti)の美しい村々、オマロ(Omalo)、ダルトゥロ(Dartlo)

トゥシェティは、ブログ「ジョージアの秘境、トゥシェティ(Tusheti)ー山岳部の美しく短い夏を楽しむ」でご紹介したような自然の美しさ、また「すっごい危ない!?ジョージア国、陸の孤島トゥシェティ(Tusheti)までの道のり」のような秘境感満点の立地だったりするのですが、とにかく夏場は高原の清々しい美しさ、山岳部の人々の素朴な生活、人々の暖かさに触れられる場所で、ジョージアを訪れる人たちに是非訪問をオススメしたい場所です。
トゥシェティのダルトゥロ村(Dartlo)
トゥシェティのダルトゥロ村(Dartlo)


 コーカサス山脈に位置するトゥシェティ

トゥシェティ(Tusheti)は、コーカサス山脈を臨む場所で、人々の生活する村はコーカサス山脈の渓谷に位置しています。渓谷から臨む山脈は神々しく、ギリシャ神話を思い出します。ギリシア神話では、コーカサス山脈は世界を支える柱のうちの一つでゼウスがプロメーテウスを鎖で繋いだ場所です。

トゥシェティの渓谷
トゥシェティの渓谷
夏場はこの渓谷を牧羊犬と羊、羊たちが行き交います。
目に映える高原の緑は、冬場は雪に覆われて白くなり、まったく異なる風景となります。

プロメーテウスは天界から火を盗み、人間に与えたことで、ゼウスの怒りにふれ、罰を受けました。罰は、プロメーテウスをコーカサスの山に縛り付け、その身体を鳥によってついばませるというとてもエグいものでした。不死のプロメーテウスは死なず、ヘラクレスに開放されるまでの3万年間その刑に耐えたそうです。

ギリシャ神話ですが、こんな神々しい山々を見ていると、そんな神話さえも本当にあったことのように思えてしまうのが不思議です。

ヨーロッパで一番標高が高い場所にある村はトゥシェティにある
ヨーロッパで一番標高が高い場所にある村はトゥシェティにある

トゥシェティの短い夏

トゥシェティは2つのシーズンに分けられます。6月から9月までの夏季、10月から5月までの冬。夏季のシーズンのみ、麓の村からアクセスが可能になりますが、それ以外の期間は積雪等の理由で道が悪くなるため、安全のため道の通行が禁止されます。麓の村からの道、約80キロが完全に閉ざされますが、トゥシェティに点在する55村は積雪や土砂災害などを理由に道が封鎖されない限り、お互いの村々のアクセスは可能です。
トゥシェティの氷河
氷河、強い陽の光で溶け、小川となってながれていきますが、あと数カ月もすれば、この上にまた雪が降り積もります。

非常に厳しい自然環境の中で生活している住民たちの短い夏には、牧羊が行われ、また観光客も訪れることで、村々が賑わいを見せます。アクセスが良くないため、他の観光地と比較して、その観光客数は多いわけではありませんが、トレッキングを行う人たちの多くが夏季にトゥシェティを目指します。

短い夏に咲く、高原の植物、マーガレット
短い夏に咲く、高原の植物

オマロ(Omalo)

トゥシェティの村々は素朴で美しく、伝統的な様式で建造された家屋は印象的です。その中でもよく観光客が訪れる2村は、オマロ村とダルトゥロ村です。オマロは、トゥシェティ村の中心で、この地域のインフラが集中している地域です。看護師や警察が滞在するのもこの村です。村は標高1880メートルに位置します。トゥシェティの村では平均的な標高ですが、年間の平均気温は6度から8度と低く、夏でも少々厚手のジャケットが必要です。
ジョージアの秘境、トゥシェティ
ジョージアの秘境、トゥシェティ

トゥシェティ、オマロ村
トゥシェティ、オマロ村

ソビエト時代に使われていた、アンテナと放送局跡、オマロ村
オマロ村にあるソビエト時代に使われていた、アンテナと放送局跡


移動の旅に見かける羊と牧羊犬
移動の旅に見かける羊と牧羊犬

オマロ村の夕焼け
オマロ村の夕焼け


オマロは上オマロ、下オマロと名目上分けています。上オマロにはケセロ(Keselo)要塞があり、博物館もあります。要塞は、13世紀の蒙古の侵攻の時に作られ、コーカサス山脈北部のダゲスタンからの侵入の際にもこの地の守りの要となりました。

また、この地では夏にトゥシェトゥ−バ(Tushetoba)という、この地の産業である牧羊の日を祝うお祭りがあります。この日には、トゥシェティの牧羊家は表彰され、人々は伝統的な弓矢、乗馬、綱引き等のゲームで盛り上がります。また、伝統的なカーペット、織物なども展示され、トゥシェティ・ビールやヒンカリで、この日を祝います。

ダルトゥロ(Dartlo)

トゥシェティのコミュニティ(3村から5村の集合体)には、かならず塔があります。これは、外敵が領土に侵入した際に、火をくべて他の村やコミュニティに危険を知らせるためです。その塔を間近にみれるのが、このダルトゥロです。

ダルトゥロは、オマロ村から約15キロの場所あり、その標高は約2000メートルです。同村にある塔の高さは約20メートル(建物4,5階相当)で、頁岩とモルタルで作られており、銃を構えられる場所もあります。塔は、上層階に行くほどに狭くなっております。
トゥシェティ、ダルトゥロ村(Dartlo)頁岩で作られた、黒色の建物
ダルトゥロ村(Dartlo)頁岩で作られた、黒色の建物


この地にキリスト教が広まったのは、ジョージアの他の地域よりも遅く、キリスト教信仰はこの地にあった宗教と融合する形で定着しました。そのため、今も各家には祭壇が残され、また各村にはキリスト教に由来しない祭りも行われ、独自の文化と風習を残しています。

トゥシェティ、ダルトゥロ村(Dartlo) 教会跡
トゥシェティ、ダルトゥロ村(Dartlo)

トゥシェティ、ダルトゥロ村(Dartlo)の塔
トゥシェティ、ダルトゥロ村(Dartlo)の塔



トゥシェティの渓谷
トゥシェティの渓谷


ヨーロッパで一番標高が高い村Bochorna

今まで、ヨーロッパ一標高が高い場所にある人が生活する村は、ジョージアのメスディアにあるウシュグリ(世界遺産)でしたが、このBochornaに高齢の医師が一年を通じて生活することで、ヨーロッパ一のタイトルがウシュグリから、Bochornaになりました。
ヨーロッパで一番標高が高い村Bochorna
ヨーロッパで一番標高が高い村Bochorna

まとめ

とにかくどこを見ても絵になるのがこのトゥシェティ。朝は霧が立ち籠め幻想的で、夕方は夕日が辺り一帯を赤く染め、神々しい山々を見上げ、それらの山に落ちる雲の影、黒い頁岩を利用したこの地方伝統の建物がそれらの背景に映えて、本当に美しい。

特に何か特別な観光スポットがあるというわけではないのですが、この地域にいること自体がなんだか特別な気持ちにさせてくれる場所です。

ブログ「すっごい危ない!?ジョージア国、陸の孤島トゥシェティ(Tusheti)までの道のり」で書いた通り、行くのは簡単ではありませんが、ジョージアの夏を過ごす場所として、旅行先のリストに、トゥシェティの旅をご検討あれ。

オマロ村の朝もや
オマロ村の朝もや

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