Pinto Art Museum (ピント・アート・ミュージアム)フィリピンの現代アート美術館

フィリピンでアート?

フィリピンでアートというとイメージがわかない人が多いのではないかと思いますが、人がいるところにアートあり!です。ヨーロッパのような伝統や宗教芸術以外で数百年前のアートが現在に残っているという例は少ないのですが(国立博物館などで見られます)、フィリピンの現代アートはここ近年注目を浴びつつあり、国内でも徐々に盛り上がっています。

個人的な興味も手伝い、これまで、このブログでもフィリピンのアートギャラリー、フィリピンのアートシーン、アーティストの対話等を取り上げてきました。ギャラリーでアーティストの新作を見、アーティストの話を聞き、どれもよいアート体験でしたが、今回現代アートの美術館、Pinto Art Museumはより包括的なフィリピンのアート体験でした。
Pinto Art museum ギャラリー #pintomuseum
Pinto Art museum ギャラリー

Pinto Art Museum とは?

フィリピンの現代アートの美術館。5つのギャラリーと先住民族のアート(特にカリンガ)とミンダナオのアートも展示されてます。後者二つは、絵画ではなく彫刻や、先住民族に伝われる伝統的な装飾品などがメインです。

グローバルシティのセントルークス病院、フィリピンの神経学の権威Joven Cuanang医師が建てた美術館です。70年代Joven医師は現美術館所在地にシンプルな家と土地を購入、その後2000年にPinto ギャラリーをオープン、それから10年後にPinto Art Museumを開きました。同医師はSaling Pusaというアンティポーロ出身の若いアマチュアアーティス集団のパトロンとして、その育成をサポートしてきました。

現在、美術館はthe Silangan Foundation for the Arts, Culture, and Ecologyによって運営されています。

マニラ首都圏のベットタウン、アンティポーロ州の山間の閑静な住宅街の一角の約1.2ヘクタールの土地に建てられた見どころいっぱいの美術館です。

Pinto Art Museumの見どころ

もちろんフィリピン的現代アート

フィリピンの現代アートは抽象的ながらも、人が多く描かれている傾向があります。テーマはそれぞれ、市井の人々の生活、農村部、フィリピン的なもの(カトリック、宗教的イコン、シンボル)がちりばめられた作品があり、色もカラフルなものも多く、目を惹きます。

著者は特に、市井の人々を描いた作品を愉しみました。ジプ二ーの中、町内のバスケットボール大会、賭博、スピリチュアルヒーラーなど、アーティストの目を通じてみる体験をしました。
Pinto Art Museum 1
トライシクルに乗る通学中の学生たち

フィリピンでアートは、社会の運動や政治と連動してきました。マルコス大統領独裁時には独裁政権への抵抗を表現し、貧困、社会が「美しくないとするものー老い、貧困」などもテーマとしてきました。そして、神聖視される宗教にも芸術で果敢に切り込んでいきます。
Pinto Art Museum 2

著者が常に感じる「保守的なのに新しいものがスキ」なフィリピン国民の心理を時にくすぐり、大いに刺激するのもフィリピンの現代アートなのではないかと感じています。

建物の景観美

Pintoは2つの美があります。一つは、アーティストの作品ともう一つは、建物と多少手入れされた自然との調和です。グリーンを背景に建物の白が映えます。また、建物のどこもオープンな作り。
Pinto Art Museum ギャラリー1
Pinto Art Museum ギャラリー1の内部


ちなみに美術館内は空調は扇風機しかありません。そのため日中は少々熱いのですが、大きめの窓や開け広げた出入り口から、風が入りしばしの涼を得ることができます。

建物から見える景色

建物の屋上はテラスとなっており、イスとテーブルが置かれています。日中は暑いのですが、日が陰りだした5時ぐらいは夕日を眺める絶景ポイントに。屋上から見えるマニラ首都圏の構造ビル群も見えます。

至るところでゆったりできる空間

館内の至るところに、腰掛けられるソファーあるいはベッド(?)が配置されています。木陰のソファーに腰掛けながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
ベッド?寝てもよし?座ってもよしという場所が至るところにあります

隙間

Pinto Art Museumで経験できるものは上記のものですが、全てにおいて「隙間」があることが、この美術館の最大の魅力なのではないかと思います。
人を恐れぬ、猫君もいます。
警備の人曰く、やたら近づきすぎないのがこの猫君と付き合うコツなのだとか

「アート」、「自然」、「私」、「その他の人々」、「(アートやつくられた空間への)解釈」等相互の間にほどよい隙間があります。空間的な余裕も手伝い、展示されているアートに圧倒されて疲れることもなく、様々な作品が故のバラエティも見れ、普段芸術になじみがないという人も楽しめる、作りであること。

アートをゆっくり楽しみたい場合

週末を避けよ!

アートをゆっくり楽しみたい人は是非木曜日、あるいは金曜日が狙い目。

実は、ジワジワと人気が出てきたこの場所は、週末には郊外にも関わらず一日で1,300人もの訪問客が訪れています。個人の美術館で週末は1,000人を超えるというのは、フィリピンアートが注目されつつある証!と嬉しいのですが、そのため館内込みます。
Pinto Art Museum内部 #pintomuseum
Pinto Art Museum内部

また、アートを愉しむよりはセルフィーをたのしむ客もただ多いため(!)、アートをじっくり鑑賞している横でがやがやと写真を撮り、ポーズを決めるために作品の前からどかないというマナーの悪い人もいます。怒っても仕方がないので、それらを避けるために、週末の来館はさけるべきでしょう。

歩きやすい靴

館内は、1ヘクタールあります。アートをじっくり鑑賞するとそれなりに歩くことになります。そのため、おしゃれなパンプスやビーチサンダルなど、長時間歩くのに適さない靴はさけましょう。

水を持参

館内に飲食が可能なカフェがありますが、美術館ギャラリー内はもちろん飲食禁止です。荷物は、入口近くの保管所に預けなければなりませんが、上述の通り冷房がない、日中は暑い空間であるためこまめに水を取るべく、持参するのがよいでしょう。

「私、アート、特に現代アートなんて抽象的でわからないから、遠慮します」と毛嫌いせず、是非足を運んでみてください。アートに興味が無くても、フィリピンに関心があればOK、カジュアルな感覚で楽しめるのがフィリピンアートの良さではないでしょうか。最後にはきっと「来てみてよかった」と思えるはずです。

ブログ「Pinto Art Museumへのアクセス

Pinto Art Museum

ウェブサイト/Facebook: Pinto Art Museum
メール:info@museon.nl
電話:+31-70-338-1338
所在地:1 Sierra Madre Street、Grand Heights Subdivision, Antipolo City, Luzon 1870, Philippines
開館日:火曜日~日曜日:9:00-18:00
休館日:月曜日
入場料:

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