新型コロナ感染症は、社会・経済的に世界的な規模で大きな影響を与えましたが一番影響を受けたのは、最も貧しい人たちです。この間、フィリピンにおいては、仕事がなくなることは、ものが食べれなくなることを意味する世帯もすくなくありません。長引く、感染症、政府の規制により
フィリピンの半数が職を失ったら2週間しか生活ができない
貯金がないフィリピンの世帯では、パンデミックの影響は深刻で、東南アジアの他の国よりも深刻で、他の東南アジアの平均では、50%近くの世帯が1ヶ月以下の無収入でも生きていけるという結果が出ている一方、半数が2週間しか生きられないという調査結果があります。フィリピンの調査対象世帯のうち、無収入でも3カ月以上生存できると回答したのはわずか8.8%、3カ月以内であれば14.1%です。
パンデミックの影響
フィリピンは、パンデミックの影響で少なくとも1人が失業した世帯の数が最も多い国としても知られています。フィリピンの世帯の約70%が、少なくとも1人が失業または勤務時間の短縮を余儀なくされました。昨年2020年は、450万人のフィリピン人が職を失い、失業率は10.3%で、過去15年間で最高となりました。また、世界銀行は、2020年のフィリピンの経済縮小により、短期的には貧困が拡大し、その結果、270万人が1人1日3.20ドルの貧困ラインを突破する可能性が高いと推定しています。コミュニティ・パントリーの設置
こうした状況から、フィリピンの各所で、コミュニティ・パントリーが設置されるようになりました。パントリーとは、キッチンに隣接して設けられる小室・収納スペースを意味しますが、コミュニティ内にテーブルなどを設置して、必要とする人が食べ物にアクセスできる仕組みを作り、またできる人が寄付できる仕組みを作りました。人々は、新鮮な野菜やサツマイモ、缶詰など、寄付できるものなら何でも、地域の中心となる場所に置かれたテーブルなどに置いていき、自分で買うことができない人たちは、列に並ぶだけで必要なものを無料で手に入れることができる仕組みです。
このコミュニティ・パントリーは、若い起業家であるAna Patricia Non氏によって、始められました。同氏は、市から許可を得て、購入した竹で作られた台(パントリー)を設置。設置された、パントリーは、午前6時から午後6時まで営業し、これまで約3,000人の人たちが食料品を得ることができました。パントリーの食料品は、個々人の寄付者や、このパントリーを立ち上げたAna氏に1日中補充されています。
拡大するコミュニティ・パントリー
この取り組みは、ソーシャルメディア、ニュースで瞬く間に広まり、現在、この助け合いの活動は、首都圏マニラ地域の他地方にも少しづつ広がりつつあります。
私の現在生活するオランダでも、自助組織を作り、フィリピンへの支援を行いつつ、コロナによって職を失ったフィリピン人に食品券(オランダの大手のスーパーで使用できる商品券)を配布するなど、最低限の生活を支えるちょっとした助け(アユーダ)が行われています。パントリーの設置!というと、市に許可を取ったり、いろいろと大変ですが、そこに、できるときに、食べもの、生活必需品をおくだけでも誰かの助けになる!というのはいい仕組みだと思います。もちろん、現状の根本的な問題解決ではありませんが、困ったときは、お互い様です。
関連ブログ
新型コロナウイルス渦中のフィリピンの貧困者の生活の難しさを考えた参考ウェブサイト
Without income, half of Filipino households would survive for only 2 weeks – studyMore aid needed
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