オランダ国王の誕生日(Koningsdag)ーは国民のお祭り

4月27日は現国王、ウィレム=アレクサンダー国王のお誕生日。日本でいうところの天皇誕生日であり、オランダの数少ない祝日の一つです。オランダは、立憲君主制(君主の権力が憲法によって制限されている)の国であるため、王家があり、前女王が退位した際は、日本からは、現天皇と皇后が式典に参加されています。日本の天皇お誕生日のように、厳かに祝われると思いきや、オランダ各地はお祭りムード、各地で盛大に祝われています。この国民の祝日、国王の誕生日がどのように祝われるのか、紹介します。

オランダ国王の誕生日
オランダ国王の誕生日に国旗を掲げるご近所

国王の地方訪問ー町はオレンジ色に!

テレビで放送されるのが、国王の地域訪問です。毎年オランダの一つの地域を選び、訪問します。国王をご招待したい自治体は、その州の国王委員会に要請を出し、コミッショナーは、その要請をアドバイスとともに王室に送ります。
(c) NOS
'Prachtige Koningsdag in Zwolle' met prinsesjes, koning en koningin

国王と王室のメンバーが地方自治体を訪問した際には、住民が路上に列をなし、オレンジ色の何かを身に着け、オランダの国旗を手に国王一家を迎えます。オレンジ色を身に着ける理由は、建国の父の名前が「オラニエ公ウィレム」であり、 オラニエ(Oranje)を英語に訳すとオレンジ色(Orange)であることから、オレンジ色が王室を象徴する色となりました。
今年の訪問場所は、オランダの北ブラバント州アイントホーフェンです。実施日は、一日延期され、翌日の4月28日です。

koningsdag オランダ国王の誕生日コスチューム
パーティでオレンジ色を身に着ける


歴代の国王の日

現国王のお誕生日が4月27日であるため、27日ですが日曜日と重なった場合は、4月26日にずらされる等の調整がなされます。国民の祝日たる所以です。
君主のご生誕が祝われ始めたのは、第3代国王ウィレム3世の時代の1885年でした。その日付はのちに第4代女王となるウィルヘルミナ王女の誕生日8月31日でした。1949年、ウィルヘルミナ女王が退位し、第5代女王として、ユリアナが即位すると、女王誕生日はユリアナの誕生日4月30日に変更されました。こうして、過去の祝日はすべて女王の誕生日でしたが、一度の例外があありました。
1980年の71歳の誕生日にユリアナ女王は退位し、第6代女王としてベアトリクスが即位しました。ベアトリクス女王の誕生日は1月31日でしたが、屋外で行われる祝賀行事に不向きな季節であること等を理由として、女王のご生誕を祝う祝祭は、引き続き4月30日に行われるようになりました。
2013年4月30日にベアトリクス女王は退位し、第7代国王ウィレム=アレクサンダーが国王として即位し、「女王の日(Koninginnedag)」は「王の日(Koningsdag)」に変わりました。

国民のお祭り

4月下旬ということもあり、寒さも幾分か和らいだオランダでは、毎年、フリーマーケットや音楽祭などのイベントが盛大に催されています。
各町の商店街通り、公園などでは各家庭から持ち出された古着、家具、食器などが並びます。見るだけでも楽しいのですが、値段もお手頃で1ユーロから服を購入することができます。また、4月下旬ともなると、オランダでも晴の日が多くなることから、屋外でBBQを楽しむ様子も見られます。
アムステルダムなどの都市部では公共スペースでコンサートや特別イベントが行われ、大規模な祝賀が行われます。アムステルダムのミュージアムプレインで開催される野外コンサートには80万人もの人々が集まります。

コロナの中での国王の日

昨年と今年は、新型コロナ感染症のため、上記にご紹介したイベントすべては中止となりました。また、現在の政府による規制では、各世帯1日2名までの訪問者、夜10時から翌朝4時半までは外出禁止の措置が取られているため、友人を呼んでの盛大なパーティー開催とはいかないようで、例年になく静かな祝日となりそうです。

関連ブログ

国全体がオレンジ色になるオランダ最大のお祭り「王の日(King's Day/Koningsdag)」どのように楽しむか?

参考ウェブサイト

Koningsdag 2021: lokaal en online feest met beperkingen

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