6.風車の国
オランダと聞いて、風車を思い浮かべる人は少なくないと思います。産業革命期には9,000基の風車があり、現在はその数も減って1,200基ほどになりましたが、各町には今も風車が残っており、それらはまだ現役で、小麦を挽いたりするなどして活用されています。
風車の元々の役割は、排水と灌漑です。オランダは、デルタ地帯に広がる低湿地帯でした。オランダの土地の4分の1は、海面下にあります。オランダの空の玄関であるスキポール空港も海面から5メートルの場所にあります。
氷河期にはオランダはイギリスと陸続きでしたが、氷河期が終わると海面が上昇し、北海が現れ、イギリスとオランダを分けました。オランダの湾岸地域沿いは、風により形成された砂丘が出現するようになりました。その盛り上がった土地に人が住み始めました。その背後に泥炭地が広がっておりましたが、のちにそれらの土地の開墾が始まり、排水が行われるようになりました。堤防も作られるようになりましたが、13世紀、風車はフランスやドイツから伝わった風車を排水、干拓に利用するようになりました。
全国1,200基ほどの風車のうち約950基は、毎年5月上旬の「全国風車の日(Nationale Molendag)」を祝い一般に公開されており、めったに見ることのできない風車の内部を見学できるため、個人的にとても楽しみにしているイベントです。
オランダ・キューケンホフ内の風車 |
関連ブログ「[イベント] オランダといえば風車!風車のある風景ーオランダ風車の日(Nationale Molendag)」
「オランダ、風車が観たいならザーンセ・スカンス(Zaanse Schans)」
7.ゴーダチーズの国
癖がすくなく、マイルドな味わいで、様々な料理にも使われるゴーダチーズ(Gouda Cheese)は、オランダで生産されるチーズの約60%を占めています。オランダ人は、一年に約20キロのチーズを食し、チーズが食文化として定着しています。オランダ人の背の高さの理由は、乳製品を多く摂取するからと言われる理由はこうした食文化のためです。
2019年には、環太平洋経済連携協定(TPP)と日欧の経済連携協定(EPA)が4月から制度上の発効2年目を迎え、関税が下がったことが影響し、オランダからのチーズ輸入量は、前年比84%増加の4480トンでした。その中で最も多く輸入されるチーズの一つがゴーダチーズで、日本でもよく食されています。
日本ではゴーダと呼んでいますが、オランダ的な発音ではGを「ジー」と発音せず、喉の奥を鳴らして、どちらかというと痰を吐くような(表現が汚くてすいません)発音に似ているため、実際にはハウダです。その「ハウダ(Gouda)」はアムステルダムから南に約60キロに位置する地方自治体です。オランダ最古のチーズ市、アルクマールがあり、昔ながらの方法でチーズが売り買いされている様子を見ることができます。
オランダ、スキポール空港のチーズ専門の土産店 |
関連ブログ:オランダ人は何を食べているの?~オランダでの食生活 (2)
8.チューリップの国
チューリップは、オランダを代表する花のように考えられていますが、アナトリア(トルコのアジア側の地域)、イランからパミール高原、ヒンドゥークシュ山脈、カザフスタンのステップ地帯が原産です。トルコからオランダにチューリップが伝わったのは16世紀頃と言われており、それ以来オランダで親しまれています。
チューリップというと、なぜオランダを思い浮かべるのかというと、1988 年チューリップ球根の輸入自由化以来,安価なオランダ産球根が輸入され、以降オランダ産の日本での市場占有率80%ほどに達し、ホームセンターなどで購入する球根の多くがオランダ産であること、オランダの球根栽培面積が約 18,500ha で世界第 1 位(2013 年)であり、圧倒的な生産量を誇っているためです。また、キューケンホフなどをはじめとする公園で季節限定でチューリップをはじめとする花を観られることから、風車とチューリップの光景が観光旅行のパンフレットにも頻繁に使われていることも理由にあげられるのではないかと思います。
期間限定のお花の園「キューケンホフ」内のチューリップ |
9.ゴッホはオランダ人
日本人に愛される絵画「ひまわり」を描いたのは、フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh)です(オランダ的に発音すると、フィンセント・ファン・ホーです)。ゴッホは、後期印象派を代表で近代美術の父といわれております。「ひまわり」の他、「星月夜」、「夜のカフェテラス」「アイリス」「アルルの跳ね橋」等、激しい筆致で描くのがゴッホ作品の特徴で近代美術の基礎に貢献しものの、商業的には成功せず、精神的・肉体的にも病んでしまい、自らの耳を切り落としてしまいます。また、うつ病も悪化し、最後は、自らをピストルで撃ち、その傷が元でなくなるという波乱の人生を送ります。
ゴッホの生涯の歩みをたどるvangoghroute(https://www.vangoghroute.com/)なるウェブサイトもあります。オランダの建物は古く、築100年という建物も少なくありません。近所を歩いていたら、哲学者スピノザ(1632年 - 1677年)の生活していた家なる場所を見つけたりします。ゴッホは生涯に二度、私の生活するハーグに生活していたことがあるため、ハーグに、ゴッホ所縁の建物があり、大変興味深くウェブサイトで建物を確認しました。
もちろん、オランダの有名な画家は、ゴッホだけではなく、オランダの巨匠「夜景」を描いたレンブラント、「真珠の耳飾りの少女」フェルメールなどもしられる通りです。しかし、日本で最も知られ、好かれているオランダ人の画家と言ったら、ゴッホなのではないかと思うのは、私の単なるひいき目でしょうか。
関連ブログ「[ハーグ観光] ハーグに来たら絶対立ち寄りたい!「フェルメール真珠の耳飾りの少女」が見れるマウリッツハイス美術館 (1)」
10. ミッフィーの作家はオランダ人
以前、ソーシャルメディアにスキポール空港の日本で、ミッフィーあるいはうさこちゃんでしられるうさぎの女の子のキャラクターお土産コーナーの写真を掲載したら、オランダでもうさこちゃんって知られているんだ!という反応をされたことがありました。いえいえ、うさこちゃんはオランダ生まれのキャラクターで、オランダのイラストレーター・デザイナーであるディック・ブルーナの作品です。ミッフィーのキャラは知っているけど、絵本は子ども向けだから読んだことはない!という人も少なくないと思います。実は、子ども向けの話しながら、人の生死「うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん」、人種の違い(肌の色の違い)「うさこちゃんとにーなちゃん」、障がいがあるクラスメートの話「うさこちゃんとたれみみくん」など、示唆に富む話が多く、大人が読んでも、考えさせられる内容です。
オランダ中部の都市ユトレヒトには、ナインチェ博物館があり、ミッフィーを満喫できます。しかし、博物館は子ども向けであるため、主に幼児が視覚的に楽しむことが目的となっているため、細かい説明を求める大人には不向きかもしれませんが、それでもミッフィーワールドに浸ることができます。
あぁオランダ
ぜひ、通りすぎるだけではなく、オランダにも数日滞在して、オランダ的な文化を満喫してください。
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