[ジョージア] 河野太郎外務大臣、ジョージア訪問

9月2日~7日の日程で、河野太郎外務大臣は、コーカサス3か国(アルメニア、ジョージア、アゼルバイジャン)とドイツを訪問されています。

9月4日はジョージアに滞在、政府要人と会合され、忙しくスケジュールをこなされた様子が、大臣のTwitter(@konotarogomame)および、外務省のウェブサイト、そして地元メディアによる報道からも伝わってきます。日本外務大臣がジョージアを訪問するのは今回が初めてとのことです。
@konotarogomame
河野太郎外務大臣のTwitter @konotarogomame


コーカサス・イニシアティブ(Caucasus initiative)とは?

今回の大臣の訪問で、コーカサス・イニシアティブが紹介されました。このイニシアティブが今後のジョージア、またコーカサス(アルメニア、アゼルバイジャンと)の協力方針となります。この柱は2つ(1)国造りを担う人造り支援(人材育成)と(2)魅力あるコーカサス造りのための支援(インフラ整備,ビジネス環境整備等)。

法の支配、環境災害リスクの軽減、経済社会基盤、日本文化の導入、日本語教育の普及を担う人材育成に行っていくために、若い弁護士や外交官、投資家や専門家を招聘していきます。



地元メディアが注目した3つ

ニュースのチャンネルを含め、地元メディアは大臣の訪問を好意的に、特に以下の3つの点について集中的に報道されたように思います。

1.自由貿易協定
バフタッゼ首相は、自由貿易協定より日本からより多くのハイテク投資を惹きつけるようになることを期待している。河野外相とバフタッゼ首相は二国間投資についても議論しており、その大部分はすでに政治レベルで合意されており、両当事者は10月に協議を確定することを望んでいるとのことでした。

ちなみに、ジョージアはEU、EFTA、中国と自由貿易協定をすでに締結しています。特に中国の対ジョージア貿易は、待遇的で他には見られません。ジョージアから中国に輸出する製品の94パーセントに対し、税の撤廃あるいは緩和の措置をとっています。中国に輸出される代表的な品目としてワイン、ヘーゼルナッツ、蜂蜜、ミネラルウォーター、ビール、ノンアルコール飲料、ジャム、ジュース、野菜、果物、チョコレート製品、紅茶、魚や他の魚介類、穀類、医薬品、ケーブル、プラスチック製品、 窒素およびミネラル肥料、フェロシリコンマンガン、機関車などがあります。

2.ビザ緩和
人と人の交流を活性化するためのビザの緩和、査証緩和措置(数次査証)を今年10月から導入します。数次査証とは、有効期間内であれば何度でも出入国が可能なビザです。ジョージアがシェンゲン条約締約国とのビザなしの制度を持っているという背景も考慮し、最終的にはビザなしで入国できるように、緩和を段階的に行っていきます。
3.ジョージア東西ハイウェイ整備計画(フェーズ2)供与限度額387億3,500万円の円借款「ジョージア東西ハイウェイ整備計画(フェーズ2)」に関する書簡の交換が行われました。東西ハイウェイの未改修区間イメレティ地方のアウグヴェタ~ショラパニ間(ArgvetaーShorapani)における既存道路の改修及びトンネル・橋梁等を建設するためにジョージア政府に融資する計画です。

この計画が実施されることで交通量が約1万4千台から1万8千台以上に増加し、平均所要時間が現在の約20分から11分に短縮され、同国の経済発展に寄与することが狙いです。

大臣訪問のインパクト

今回の訪問は日本では大々的に訪問されていないため、日本サイドではあまり知られておらず、ホスト国であるジョージアにおいて大々的に報道され、両国の間に情報ギャップがありました。
そもそも、両国は地理的に遠いため、歴史としての接点もそれほど多くはありません。近代史においては、シベリア抑留者が連れてこられた土地の一つであること(ブログ「[ジョージア] トビリシ日本人慰霊碑ー祖国への帰還を望んだ人々」)、昨今では、当地出身の力士、栃の心の快挙、ジョージアを取り上げた番組も増え(7月には世界不思議発見でジョージアが舞台となった)、徐々に日本でも知られるようになってきました。こうした中での大臣の訪問、今後の両国の関係をより近いものにしていくのではと、関係者として、期待しています。

その他

地元のメディアに非常に好意的に報道されたのですが、名前の表記が間違っていたりして、きちんと確認・推敲しないとダメではないか!と少々突っ込みを入れたくなりました。鈴木規子国際協力機構(JICA)理事のお名前が、Norioとなっていたり・・・
ちなみに、ジョージアのラチャ地方では、Norikoというジョージア名が存在しています。正確にはノラという名前の愛称がノリコです。なので、ジョージア人もまさか、日本人の名前がかくもジョージア的だとは思わなかったことでしょう。

参照ウェブサイト


Japan’s Caucasus Initiative:
How do Japan and Georgia plan to boost relations?
http://agenda.ge/en/article/2018/56

Japan to ease visa rules for Georgia
http://agenda.ge/en/news/2018/1839

CIS諸国(独立国家共同体)・ジョージア国籍の方が短期滞在を目的として日本へ渡航する場合
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000214731.pdf

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