[スイス旅行] チューリッヒ発ティトリス&ルツェルン(Luzern)のツアー: 中世の都市の面影残すルツェルン (2)

中世の面影残すルツェルン州は、美しくも神々しい山々、湖に面する美しい土地。中央スイスに位置し、連邦の4番目の州になったのは、1332年とその歴史も古い。山と湖の美しい自然に抱かれた州都ルツェルンは、チューリッヒからも約1時間の距離、チューリッヒ滞在の際に足を延ばしてみたい都市のひとつ。

州都ルツェルンは、かつては交通の要所として発達し、歴史ある場所。観光名所が市の中心地四方1,2キロに集中しており、半日もあれば歩いて回れます。

カぺル橋

ルツェルンのシンボル、カぺル橋。その名は、橋のたもとにあるセント・ピーター教会から。ロイス川にかかるその橋は木造で全長200メートル、交通路として、また湖からの敵の侵入を阻む防衛のために1333年に建設されました。
スイス、ルツェルン(Luzern)のカぺル橋
スイス、ルツェルン(Luzern)のカぺル橋

屋根の梁にはルツェルンの守護聖人であるサン・モーリス(St. Maurice.)とサン・レオでガー(St. Leodegar)の生涯が板絵に描かれています。それらの板絵は、カトリック教会内の改革刷新運動時に描かれました。158あった板絵は1992年の火事の前までは147枚残されており、火事で多くがダメージを受けました。

シュプロイヤー橋

1408年に完成したカぺル橋と同じく屋根付き木橋で、敵の西側からの侵入を防ぐ防衛線。嵐で崩壊し1568年に再建されました。中の小さな祭壇はその時に作られました。シュプロイヤーとはもみ殻のこと、近くに水力によってもみ殻を脱穀し製粉する、製粉所があり、名前もそれにちなんでつけられました。
スイス、ルツェルン(Luzern)のシュプロイヤー橋 死の舞踏
シュプロイヤー橋にかかる、板画「死の舞踏」



こちらにも板絵があります。タイトルは「死の舞踏」、67枚の板画が橋の梁に掲げられています。中世のヨーロッパを揺るがした大災禍ペストでヨーロッパの1/3が罹患、亡くなったとされます。ここスイスでも蔓延し、多くの死者を出しました。板画に記された骸骨は擬態化された死。

祈りの力も通じず、立場や職業の別なくペストによって倒れる人々、無力感に襲われ、次第に集団ヒステリーの様相を呈していきます。のちにユダヤ人陰謀説や、魔女狩りなどが行われ罪のない人たちが虐殺された歴史があります。


 イエズス教会


イエズス会の教会
イエズス会の教会外装、
カトリックの町のシンボルの一つ

イエズス会教会内部
イエズス会教会内部、ロココ式の装飾が美しい


1666年に始まった建設は1677年に完成した二本の塔を備えた美しいファサードが印象的。内部は、白にローズピンクで装飾され、ロココ式の内部が繊細で美しい。教会内部は、訪問時思いのほか人が少なく、心静かに過ごすことができました。

日本人にとってイエズス会というと、宣教師のフランシスコザビエルを思い出すのでは。イエズス会とは、カトリックの男子修道会のひとつです。修道会とは教皇の認可を受けた、共同体。そこで、精神生活を行います。

男子修道会で知られるものはイエズス会のほかに、ドミニコ会、フランシスコ会、サレジオ会など、女子修道会では、マザーテレサの神の愛の宣教者会などが知られています。各修道会が掲げるミッションはそれぞれありますが上記のイエズス会は高等教育と研究活動、宣教事業や社会正義に関わる事業が活動の三本柱です。


ライオン記念碑

ライオン記念碑
ひん死のライオン


腹部に槍が刺さり、息も絶え絶えのライオン像は、ルツェルンを訪れる観光客が最も足を運ぶ場所の一つ。1792年のフランス革命時、マリーアントワネットとルイ16世を守るために命を落とした786名のスイス傭兵の追悼碑。16から18世紀にかけてスイスは、傭兵を海外に派遣し、国家の生計を立て、「血の輸出」とも呼ばれました。

ヴァチカンの警護をスイス兵が担当しているのは、当時の名残と言われています。ただし、警護兵はカトリックのスイス人、独身で19から30歳までと条件があります。1505年に強硬ユリオ2世が各地の戦争で活躍するスイス兵にバチカンを守らせることに決定し、以後スイス傭兵の忠誠心に強い信頼を置き今に至っています。

現在、スイス人が傭兵として他国の戦争に参加するのは法律で禁じられています。




旧市街地の石畳の道、狭い通り、家の壁に描かれる絵など、そぞろ歩きをするにはよい場所です。

ツアーに参加していたので、自由時間で回れる場所は限られておりました。そのため、今回訪れることはできなかったムゼック要塞壁、ホーフ教会をふくめ次回はゆっくりを街を見て回りたいです。

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