どうしていつもそう単純なの?-フィリピンのドラマのパターン-

著者はテレビが嫌いですが、フィリピンのエンタメを少々知るために時にドラマを見ています。今シーズン流行った、Legal Wife(夫が美女と不倫してドロドロな話)も2週間で終わろうとしています。

ABS-CBN Legal Wife
ABS-CBN Legal Wifeより
女の戦い、修羅場です


しかし、フィリピンのドラマにはこれは含まれる!という黄金パターンがあります。※全てのドラマを網羅しているわけではありませんので、以下の要素が含まれていなかった!とご批判があるかもしれませんが、特に近年のドラマはこんな様子です。

貧富の差
女性、あるいは男性の家庭がものすごくお金持ちで、きまって付き合い・結婚に反対されます。あるいは親の臨んだ相手と結婚した後も(貧しい家出身の)男性を想っていたりします。

貧富の差は、一見してわかるほどです。そして、貧しい人は、フィリピノ語(タガログ語をベースとした公用語)を使い、お金持ちな人は英語あるいは英語とフィリピノ語を混ぜて使用します。

バリバリCGもの
今、人魚が流行っており、ABS-CBNもライバル局のGMAも同じ8時あたり、同じ時間帯に人魚のドラマがやっています。日本のドラマでもCGもの、ファンタジーものはありますが、プライムタイムにCGものはやっていませんので少々驚きです。

過去の解決しなかった問題への決着
話が両親の代から始まっています。そしてお約束といってもよいほど子どもの代もその因縁めいたものに巻き込まれます。
親が1人の男性・あるいは女性を巡って争った・・・等、そして子どもも同じ道をたどる。私がタガログ語学習のために観ていたドラマTayong Dalawaは当にそんな話。

家族が頻繁に登場する
上記と関連し、家族はしっかりそして頻繁に登場します。で、かなり重要な役割を担います。Legal wife、離婚(フィリピンには離婚がありませんが)の手続きを進めるエンジェル・ロクシン扮するモニカが苦悩する様子を見かねて、モニカの母が「まだ、旦那を愛しているのね」とドラマの流れの中で重要なポイントを付いてきます。


暴力
とりわけ銃を用いたモノ。暗殺も常とう手段としてアリ。ABS-CBNのLegal Wifeの前にやっていた、マリア・メルセデス等は、主人公の旦那の元彼女が怒りと嫉妬で主人公に銃を向けて殺害しようとしたり、現在放映中のIkaw Lamang(あなただけ)でも待ち伏せして暗殺しようとしたり、そしてLegal Wifeもやはり銃が・・・Legal Wifeは純粋に夫婦の話だと思っていたけど・・最終的にはやはり銃が出てきます。
話の終盤になるとこうなるのはもう定番!つまり話の最高潮には誰かが死ぬというもの。日本だと病気などですが、フィリピンでは銃や事故で主要人物がいきなり舞台から姿を消します。

悪役は同情しずらいほど悪役
Legal Wifeの旦那の浮気相手は事あるごとに正妻に食ってかかり、視聴者が「こいつめ~悪態付きやがって~」と思ってしまうほど。そもそも、正妻に食ってかかる愛人とはすごい設定。しかもその正妻と愛人は元親友(汗)アメリカのテレビ番組*チーターズのエピソードを思い起こします。

感情表現が豊か・・・を通り越してうっとうしいくらい激しい
日本ではここまでやらんだろう・・・というぐらい、叫ぶ、泣く・・・そして、それらの感情表現を盛り上げるべく背景の音楽がかなりメロドラマチック。
これはタガログ語で観るのだからよいのであって、日本語に訳したら少々白けてしまいそうな様子。(少なくとも私はそう思う)

不倫ものが以外に多い
子どもたちも観ているかもしれない時間帯にも関わらず、不倫的要素が含まれています。Legal Wifeなどはまさにそれ。人妻が夫の不倫に苦しみながら生きる道を見つけていくような話。不倫でドロドロなのに、最後は明るく終わるという不思議な展開。(Legal wife驚くべきことに、このドラマはケニヤ、ナイジェリア、タンザニアやインドネシアでも放映された様子!)




同じ俳優と女優を使いすぎ。個人的には名前と顔を覚えやすく、美男美女が多いのでいいけど、またこの人?ということが多かったりします。

これらのパターンはフィリピンの社会の反映のようにも思えます。家族の繋がりの強さは都市化が進んでも、経済成長してもやはりまだ残っています。経済成長を果たしているもののなかなか埋まらない貧富の格差、暴力しかも銃器を使った犯罪などは悲しいことにこれも現在のフィリピンを映していると思います。

話の展開が読めてしまうのが何ともですが、Legal Wifeの最終回がどうなるのか見守りたいです(汗)

*チーターズはアメリカの番組で、依頼主が付き合っている相手、あるいは夫や妻の浮気を調べ、それを依頼主に報告、その後依頼主と共に現場を直撃するというかなりきわどい番組。

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