名探偵コナン989話「歩美の絵日記事件簿」を見てシャーロックホームズ「赤毛連盟」を再読したくなった

 名探偵コナンには、小説シャーロックホームズに由来する名前などが登場します。コナンの「緋色シリーズ」は、その代表的な一作。また名前だけではなく、オマージュ的な作品もあり、その一つが「歩美の絵日記事件簿」です。この回は、ホームズの「赤毛組合/赤毛連合」の話がもとになっています。名探偵コナンを観て、ホームズに興味を持ったら、ぜひおすすめしたい短編の一つです。

「歩美の絵日記事件簿」のあらすじ(ネタばれあり)

前後編ない、短編もの。タイトルの通り、歩美ちゃん自身が知らないうちに活躍している回です。
少年探偵団は登校中、歩美ちゃんから学校の課題である絵日記について、どのように書いたらよいのか相談を受けました。探偵団のメンバーはそれぞれどのように日記を書いているのか、説明しながら歩美ちゃんに助言します。コナンは「いろんなものに目を向けて、注意深く観察すれば、真実は見えてくる。歩美ちゃんも歩美ちゃんなりの観察眼で周りを見渡すんだ・・・そうすれば書くことはきっと見つかるはずだよ」と助言します。
そんななか、通学路にある宝石店のショウウインドウには豪華な宝飾時計があり、それを見る人だかりができていました。宝飾時計は「町おこしのために」と店主が仕入れた商品で、住民たちも興味津々の様子だ。装飾時計は世界に5本しかない限定品で、億はくだらないという。もちろん、セキュリティは万全なのだけど、歩美が描いていた数日間の絵日記を読んだコナンが宝石が泥棒に狙われていることに気づきます。
犯人は、宝石店の隣の八百屋の一家にハワイ旅行に当選したことにして、その旅行中に八百屋下から掘り進み、宝石店に達するという計画でしたが、コナンと少年探偵団に阻まれるというお話です。この話を観たときに、すぐに思い出したのがシャーロックホームズの冒険の短編の一つ「赤毛連盟/赤毛組合」でした。


シャーロックホームズの「赤毛連盟」のあらすじ(ネタばれあり)

1890年のある日。ベイカー街を訪ねたワトスンは、ホームズとともに赤毛の依頼人ジェイベズ・ウィルスンの話を聞くことになります。質屋を営む彼は赤毛の男だけが入会できる「赤毛組合」の面接に見事合格し「大英百科事典を書き写すだけで週4ポンドももらえる」という、大変割のいい副業を得ていました。ところが仕事を始めて2カ月ほどで組合は跡形もなく消滅。関係者とも連絡がつかなくなってしまいます。依頼はこの不可思議な組合の正体の解明です。

ホームズは一見実害のない詐欺事件の裏で進行している犯罪「銀行強盗」を見抜くのでした。ジェイベズ・ウィルスンが赤毛組合で仕事に勤しんでいたころ、銀行の金庫へのトンネルが掘り進められていました。ホームズたちは、銀行の金庫で犯人たちを待ち伏せ、見事に現行犯逮捕します。

赤毛連盟は読みやすい

赤毛連盟は、読みやすい話のひとつであると思います。
1.ストーリーが短い
赤毛連合は「名探偵ホームズ」の短編を収めた「シャーロックホームズの冒険」の一話のひとつ。ページは単行本でわずか、13ページほど(発行元が異なるとページ数は前後します)です。
2.テンポがよく、ストーリーがわかりやすい。
導入(依頼人の依頼)→推理→解決
3.キャラクターの雰囲気が伝わる会話部分が挿入されている。
特にホームズの独特のキャラクター等は、会話から感じられます。

以上の3点から、赤毛連合は、読みやすいと思っております。

ピックアップしたいくつかのセリフ

シャーロック・ホームズは助手のワトソン医師の語りで描かれています。そのため、物語中の「I」というのは医師のことです。

そんなワトソン医師に対してホームズが物語の冒頭に言う言葉。

I know, my dear Watson, that you share my love of all that is bizarre and outside the conventions and humdrum routine of everyday life. You have shown your relish for it by the enthusiasm which has prompted you to chronicle, and, if you will excuse my saying so, somewhat to embellish so many of my own little adventures.
(親愛なるワトソン君、君は僕と同じように、日常生活の慣習や平凡な日常から外れた、奇抜なものが大好きだ。何せ、記録をつけるほどだからね。だが言わせてもらえば、僕のささやかな冒険の大半に、彩を与えている。)

こちらも物語の冒頭でのホームズの言葉
You will remember that I remarked the other day, just before we went into the very simple problem presented by Miss Mary Sutherland, that for strange effects and extraordinary combinations we must go to life itself, which is always far more daring than any effort of the imagination.(いつぞやの発言、覚えているね?メアリ・サザランド嬢が持ってきたごく簡単な事件に赴く前、不思議な事件や、偶然の一致。我々がそれを求めるなら、我々は探しにゆかねばならない。現実というのは、どんな想像力をも凌駕するのだから。)

依頼人の身なりから、ワトソン医師も彼なりに観察するものの、ごく一般的な英国商人であること以外に見抜けなかったことに対して、ホームズは以下の推測をします。

Beyond the obvious facts that he has at some time done manual labour, that he takes snuff, that he is a Freemason, that he has been in China, and that he has done a considerable amount of writing lately, I can deduce nothing else.
(肉体労働をしたことがあること、タバコを吸っていること、フリーメーソンであること、中国に行ったことがあること、最近かなりの量の執筆活動をしていることなどの明白な事実以外には、何も推測できない。)
この描写から、ホームズの鋭い観察眼がうかがえます。

依頼人の身なりから、その素性を言い当てるものの、それは種も仕掛けもない、推理による結果であることを知って、依頼人はあっけらかんと「何かうまい方法でも使って言い当てたのかと思ったけど、結局は何でもないことなんですな」というコメントをした際、ホームズは、「詳細は説明することは損だね『未知なるものはすべて偉大なりと思われる。』……僕の評判は大したものでもないが、あまり正直にしゃべっていると、やがては地に落ちてしまう。」と一部、ラテン語で、ホームズが依頼人の嫌みともとれるコメントについて返答します。

Omne ignotum pro magnifico.(未知なるすべては大いなるものであるかのように見なされる)
依頼人の話をひとしきり聞いて、推理を始めるホームズ。その時にワトソン医師に言ったセリフがこちら。
It is quite a three pipe problem, and I beg that you won't speak to me for fifty minutes.(煙草を吸おう。ちょうどパイプ三服分の問題だ。これから、五十分間は話しかけないでくれ。)
このあと、ホームズは、椅子に座ったまま膝を抱え込む、作中で知られる、独特な思考中にするポーズに入ります。

俳優Jeremy Brettが演じるシャーロックホームズ
俳優Jeremy Brettが演じるシャーロックホームズ。彼の演技がホームズを彷彿とさせ一番よかったという声が多い。
(c)BBC  Sherlock Holmes - The Red Headed League

事件に対する推察を終えたホームズがワトソン医師を連れて、地下鉄で事件が起こるであろう現場に向かうときのホームズのセリフ。

I observe that there is a good deal of German music on the programme, which is rather more to my taste than Italian or French. It is introspective, and I want to introspect.(見たところ、このプログラム(のちに足を運ぶコンサート)にはドイツの曲が多いようだ。イタリアやフランスのものより、ドイツの方が僕の趣味に合う。ドイツの曲は心の内に向かう。僕も今、内に向かいたい。)

事件を鮮やかに解決したことに感嘆するワトソン医師に対してのホームズの返答。

My life is spent in one long effort to escape from the commonplaces of existence. These little problems help me to do so.(平々凡々とした生活から逃れようと、四六時中もがいているのが僕の人生だ。こうしたささやかな事件があると、いくらか救われた気持ちになる。)


ホームズのセリフをいくつかピックアップしてみましたが、これらから、ホームズの持って回った言い方に、推理の天才であると同時に、少々の偏屈さ、孤高さも感じられます。こんな人が実際周りにいたらどうなのか?わかりませんが、この独特のキャラクターが物語をよりスリリングなものにしているのでしょう。
私はシャーロキアンではありませんが、ちょっと興味のありそうなところから英語、その他語学を勉強してみるのがよいのかなぁと思います。ちなみに、BBC制作の俳優Jeremy Brett演じるシャーロックホームズは、本当にホームズが実在したら、こういう人なのではないかと思われ、とても面白く視聴しましたので、こちらもおすすめです。

関連ブログ

名探偵コナンの緋色シリーズのタイトルの由来シャーロックホームズ「緋色の研究(A Study in Scarlet)」を英語で読もう

参考ウェブサイト

https://www.ytv.co.jp/conan/archive/k20201205.html


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