アジア系はあまり目立たない人種?
さて、アジア系移民についてですが、オランダに多い移民は、トルコ、モロッコ、スリナム、オランダ領アンティルからで、それが非ヨーロッパ系移民の約70%を占めています。非ヨーロッパ系その他でくくられるアジア系で多いのが、オランダの旧植民地であった、インドネシアからの移民です。オランダは移民社会であり、アムステルダム、ハーグ、ロッテルダムなどの都市では、非ヨーロッパ系の移民は約50%ということや、チャイナ・タウンはありますが、アジア系のみが集中して生活する地域は、日本人が多いアムステルーベンやチャイナタウンなどの界隈等以外多いとはいえず、移民の中でひときわ目立つ存在というわけではありません。
オランダの街並み、ハーグ |
弱いものが弱そうなものをいじめる
オランダの寛容性の本音と建て前?
Hanky panky shanghai
オランダの小学校では、児童の誕生日ごとにクラスメートが歌を歌ってお祝いするらしく、友人夫妻は、小学校に子どもを迎えに行ったとき、その光景を目にしました。クラスの児童が歌詞と合わせて誕生日を祝うアジア人の児童にに対して、Hanky panky shanghaiという歌を歌い、両手で目頭を押さえて、横に引っ張り「アジア人の細い目」のジェスチャーをしました。教員がリードしてそれを行っていたのが驚きですが、それをなんとも思わない感性、彼らのユーモアの感性にさらに驚かされました。
率直さを好むけど・・・
オランダ人は、物事をはっきりと言うことを好みます。アジア人からすると、かなり失礼に感じることも平気で口にし、「オランダではなんでも率直に物事をいうのよ」と誇らしげです。私自身、ボランティアをしているときに、事務局の人に「よかれ」とかなり失礼なことを言われた経験があります。また、先ほどのアジア人のカップルも、子どもの通う学校の親御さんの集まりなどで、そのようなことを言われたことがあるのだとか。それなら!と、率直なところを可能な限りオブラートに包みながら言ったところ、相手をカンカンに怒らせてしまいました。私のような体験をしたアジア系の友人はかなりいるようです。率直さの文化は結局、オランダ人同士で通じ、オランダ人同士なら納得できるもので、実際のところ、非オランダ人は適応外であることを学びました。
顕在化しずらい差別の現状から・・・
コロナに関連した犯罪はあったものの、こう振り返ると、よい意味でも悪い意味でも、オランダにおいてのアジア人への差別、冷やかし等は、コロナ前後で大きく変わっていないのではないと肌感覚で感じます。そのあたりは、オランダ的であると思われます。
寛容な社会の見えない壁を感じなくもない、Hanky panky shanghaiのような悪気のない(差別の自覚がない)行動に不快と感じる人も少なくないため、声を上げる人もいますが、移民であるがゆえに、マイノリティだから、こうしたことは仕方がない、言ったところで、トラブルに巻き込まれるだけ、やり過ごしている人もまた少なくありません。
アジア人への暴力を伴う差別ーヘイトクライムが増えたことは悲しいことですが、これを機会に身の回りにある、差別(自分が被害者であり、また加害者である)ということにも目を向けてみる機会が与えられたように感じます。
関連ブログ
オランダ人の人種差別? (1) ― 黒いピーターは有色人種差別の証??
オランダ人の人種差別?(2) オランダで差別を経験したことはあるか?
#私はウィルスじゃない!新型コロナウイルスによる差別ー海外に生活するアジア人の憂い
差別的? オランダのクリスマスを巡る議論
オランダにおけるコロナに関連したアジア人差別?(1)
参考ウェブサイト
Asians in the Netherlands: the hidden discrimination
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