ニナン(ゴッドマザー)、デビュー

今日、3カ月になる姪っ子の洗礼式にニナン(教母・ゴッドマザー)として参加しました。

これまで、何人かの方からニナンになってほしいとお願いされたことがありましたが、不在やコミットメントへの自信のなさからお断りしてきました。もともと、マニラや地方に仕事の関係などでおらず、日程が合わなかったというのが一番の要因でしたが・・・それにしても何とか理由をつけていたと思います。また、カトリックとして生まれ育っていない私が二ナンになってもいいのかと(汗)一応宗教的な儀式ですから・・・と気にしていました。

しかし今日は、旦那の兄夫婦からのお願い、かつ私のマニラ出発前の日にあたりビコールにいたために断れず、ニナンとなったわけです。何とも受身的な言いっぷりで申し訳ないのですがその理由は上記の他に、たった二日前に、しかも旦那の妹からまた聞きたためでした。「○○兄さん、あなたを二ナンにって言っていたわよ」と。
そして、式の始まる30分前に兄夫婦から直接お願いされたのでした。なんでもっと早くに、そして直接言ってくれないのか?という感じでした。心の準備+祈って準備する時間が持ちたかったというのに!

そもそもの洗礼式ですが、カトリックの信仰の実践の1つとして行われます。この洗礼式によって原罪が許されると言われる大変重要な儀式です。
また、ここで登録された名前が法律上においてもその個人の名前になります。なので、洗礼式を行った場合は、洗礼証明書なるものを持つこととなります。

儀式は神父の祈りと、ニナン・二ノンの意味合いの説明、信仰の確認、そして灌水礼(頭部に水を注ぐ)です。結婚式の行われている教会の横で厳かに行われました。時間として10分弱ほど。ちなみに言語はビコールなので、旦那に翻訳を兼ねて来てもらいました。

3カ月の姪っ子はドレスアップし、暑さの故に汗で額をぬらしながらもぐずることなく静かに式に参加しました。

さて、ニナン・二ノンの任命ですが、親のニーズが見えます。
シンプルに子どものよい導き手になるであろう人にニナン・二ノンとなるようにお願いするというのが元々の意味。(女性の場合は二ナン、男性の場合は二ノンです。)神父さんも特に信仰面での導きを強調されていました。私も結婚式の際に二ナンをお願いした方は、今後結婚生活や人生において良き導き手になってくれるであろう人にお願いしました。

しかし、近年は経済的なメリットというのが大きいと聞きます。ニナン・二ノンとなった場合は洗礼式、誕生日、クリスマス等などにお金やプレゼントを渡す風習がフィリピンにはあります。実の子どもにもそれらの時にプレゼントを渡すということはありますので問題はないのですが・・・
そうした経済的側面からなので通常は、2~3人でよいものが多くて10名以上の二ナン・二ノンが任命されるという洗礼式で見かけたことがあります。

勿論ここはフィリピン、高校時代の同級生、幼馴染、会社の同僚などを含めたらそんなことになるのだと思いますが、それにしても多い・・・ずらっと壇上に並んだ二ノン・二ナンの数を見て圧倒されたことがありました。

実際、二ナン・二ノンも洗礼式以来一度もこどもにあう機会がない、あるいは会う努力を双方でしていないということもあります。多くの人が一度に任命された時には一人ひとりがそれほど重く感じていないのかもしれません。近年の10名ぐらいの二ノン・二ナンがいることを考えると頷ける気もします。

こうして、フィリピン社会は親族としての血縁関係の他、教会を母体として繋がり合うシステムが出来ているのだなぁと実感しました。

近年の二ナン・二ノン(後見人)制度に少々ネガティブな印象を持っておりますが、それでも引き受けた以上は二ナンとして姪っ子が元気なよいこに育つように陰ながらサポートしたいと思います。

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