2月のバレンタイン前後になると、フィリピンのファーストフードチェーン店ジョリビーが、ショートストーリー”Kwentong Jolibee (クェントンジョリビー、訳すと、ジョリビーのストーリー)”として、約4分前後の短いストリーを発表します。結局のところは、ジョリビーのプロモーションなのだけれども、この話の筋がとても、フィリピンらしく、時にフィリピンの長寿番組MMK(Maalaala Mo Kaya「あなたは覚えていますか」)を彷彿とさせます。フィリピン関係者なら、要チェック!
テーマは「愛」
このシリーズは2016年ごろから、発表され始めましたが、2017年に発表されたバレンタインシリーズのエピソード「Vow(誓い)」、「Crush(好きな人)」、「Date(デート)」で涙を誘ってインターネットでブレイクし、その後、次々とフィリピン人の好きなネタをテーマに、様々な形の愛のストーリーを発表し続けました。
ブレイクの理由
2017年の3作は、男女間の愛のみならず、夫婦の愛、友情、親子などの愛、特に母親に対する愛について網羅していること、一般的なフィリピン人が経験しそうな内容をドラマ仕立てに物語を構成したことがブレークした要因であったのではないかと思います。
興味深いのは、3作品がすべて男性の視点で物語が構成されていることですが、これについては、どこにも説明はないものの広報として、女性受けするという要素もあったようにも思われます。
バレンタインデーに発表したことも、ブレイクの理由の要因の一つだったのでしょう。フィリピンでは、バレンタインは一大イベントです。日本のように、女性が意中の男性に(あるいは義理で)チョコレートやギフトを送るという、男女の愛に限定されず、夫婦、親子へと、拡張性があるイベントです。もちろん、独身の男女が盛り上がることは、言うまでもないことですが、家族にまで拡大されたこの日に、レストランに出かけて食事という家や、夫が妻に対して、あるいは子どもがお母さんに対して、花束やチョコレートなどを準備しております。もはや国民イベントであるこの日に、こうした人々の「愛」や「関係性」を確認する、広告を打つことの効用は大です。
実際、どんな内容なのか?
上記の説明の通り、「愛」を扱っており、基本的にはハッピーエンディングですが、中にはちょっとメロドラマ的要素がある「Choice(選択)」というショートストーリーがあります。ショートストーリーをはじめからみていくと、主人公らしき女性が、二人の男性の間で揺れ動いているようなそんな話ですが・・・
2021年のテーマは「コロナ下の愛(love in the time of COVID-19)」
タイトルだけ見ると、マルケスの小説、コレラの時代の愛 (Love in the Time of Cholera)を思い出しますが、内容的には、とても近代的かつ、フィリピンに多い「遠距離恋愛(LDR)」、自己愛をテーマにした「初デート(First Date)」等、発表中。ちなみにLDRはLong Distance Relationshipの略ですが、「ロックダウンでの恋愛(Lockdown Relationship)」とかけています。フィリピンでは、長い名称をすぐにこうして、略称を作ってしまいます(笑)#KwentongJolibee
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