スーツケース、「スーツケースを自力で直す (1)」で書いたとおり、不備があるたびごとに自ら修理して使っておりましたが、昨年オランダ・フィリピン間の移動時にとうとうプラスチックの本体の重要な部分に大きくヒビが入り、修理不可となってしまいました。そのような理由で、フィリピンでスーツケースを購入することとなりました。
スーツケース/旅行かばんのイメージ図 |
フィリピンのスーツケース売り場は品数豊富
フィリピンのショッピングモールのスーツケース売り場は他国ではあまり見られないほどの品揃えです。出稼ぎ労働者が多い国であるため、旅行かばんの需要も高く、様々なブランドで様々な値段の商品が販売されています。用途、デザイン、使い心地の良さ(特に滑車部分の滑りの良さ)、強度等を見て購入を考える著者としては、種類が多さの故、好みのカバンを見つけられる可能性が高くなるのでありがたいと思っております。また、シーズンごとのセールがあり最大50%割引等もあり、その時期に合わせて購入するとお得です。熱心なセールストークと激しい実演
しかし、この売り場に行くことをためらう理由の一つが店員の熱心の度を越したセールス。まず、売り場の近くをふらりと通っただけでも、商品説明の「攻勢」を仕掛けてくるので、ただ「見るだけ」で同売り場に立ち寄るのはやめたほうが良いと感じることが多いです。
店員に捕まったら最後、店員のすすめるブランドの商品を延々と実演(デモンストレーション)付きで説明してきます。説明のポイントは3点、ファスナー部分の強度、滑車部分の滑りの良さ、カバンの強度。ファスナーの強度とはファスナー部分がシングルかダブルかの違いですが、販売員曰くスライダーが2つあるものを指しています。スライダーが2つあることで、ドライバーや鍵などの先が鋭い工具などを突き刺しても簡単にはあかないようになっているようです。しかし、ファスナーの布地の部分をカッターなどで切ったら開いてしまうのですが、それに対する対策はないようです。
説明はまずまずなのですが、その後に続くデモンストレーションに腰が引けます。ファスナーの強度をお客さんに見せるため、店員は売り物であるカバンのファスナーの結合部分に鍵を強く差し込み、あかない様子を見せます。商品が壊れるのではないかとひやひやするのですが、そんなことはお構いなしです。このときはもちろん比較用にシングルファスナー(通常のファスナー)のカバンを用意し、簡単に開けられてしまうことを目で確認させます。
これはまだ序の口で、滑車部分の強度を見せるため、少々高い部分から落としたり、スーツケースに座って見せたりします。それらのデモからどうやって滑車の強度を確認するのかはわかりませんでしたが、落とすたびにすごい音を立てるので少々驚きます。更に、カバンの材質およびその強度を見せるためにカバンをねじったり、上から踏みつけて見せたりします。この足蹴にされたカバンがまだ商品であることを忘れそうな激しいデモンストレーションが続きます。
熱心なセールストークでも、著者は買わないときは、「説明ありがとう」と爽やかに去って行きますが、多くの人はこれだけ熱心に説明するので何か買わないと悪いという思いにさせられるようです。
熱心なセールストークでも、著者は買わないときは、「説明ありがとう」と爽やかに去って行きますが、多くの人はこれだけ熱心に説明するので何か買わないと悪いという思いにさせられるようです。
店員同士はライバル?
他のブランドに興味がある場合は、他の店員がやってきて同じように説明を始めるため、ああ、また始まった・・・と思うわけです。
特に大手のデパートで気がつくのは、スーツケース売り場同僚同士のライバル関係。担当している商品ブランドがあるためなのか、それを必死で販売しようとして、時に他のブランドと比較した優位性を示そうとします。「あそこにある商品は、○○の機能がない」等ならば、お客にとって親切な情報ながら、時には何ら正当な理由もなく「さっきあの店員から説明を受けていたあのブランドはやめたほうがよい」と言われたこともありました。また、一人の店員が割り込んで来て、説明をするということもあり、流石に気分が悪かったので「こういう感じで説明されると、仲悪いのかなぁって思っちゃいます。あまりお客さんいい気分しないと思うよ」という羽目になりました。
上司の指示の元、売上を競っているのかわかりませんが、上記の熱心なセールストークでもうすでに、疲れている上、あからさまな店員同士の競争に少々疲れてしまいます。
上司の指示の元、売上を競っているのかわかりませんが、上記の熱心なセールストークでもうすでに、疲れている上、あからさまな店員同士の競争に少々疲れてしまいます。
それでもフィリピンでスーツケースを購入したい
熱心なセールストークとあからさまなライバル関係で、スーツケース売り場には必要がある以外は立ち寄りたくありませんが、改めて値段と品揃えの良さで、スーツケースに関してはフィリピンで購入したいと思ってしまいます。
現在生活しているジョージアで先日機内持ち込み用のスーツケースを購入したのですが、輸入品であるため高価であり、また品揃えが少ない、さらに店員さんは親切ながらも商品の基本情報(機内持ち込みで大切な、スーツケースの重さ等)を知らないことが多かったあるいは言葉の問題で意思疎通ができず、情報不足のため売り場で決め兼ねてしまいました。
フィリピン産?のスーツケース
フィリピンのデパート「SM」が自社ブランドを開発し久しいのですが、その自社ブランド化がスーツケースにも及ぶようになりました。ブランド名は「Travel Basic」このブランドがフィリピン人に受けているのは、デザインがシンプルで、値段も他社製品と比較して安価であること、またフィリピン人のニーズに合わせた商品開発を行っていることではないでしょうか。
スーツケースではありませんが、「Travel Basic」の商品で目を引いたのが、スリ防止カバン。フィリピンでは、背中にバックパックを背負っている時、スリによってこっそりファスナーが開かれて、中の物を盗まれる(時にカッターでカバンを切られることもあります)ことがあります。それを防止するためのファスナー部分に工夫を施しているカバン等です。
フィリピン産?と聞いた時に、店員は「もちろん」と答えてくれましたが、まだ裏はとれていません。もし、フィリピン産であるなら、贔屓したいと思った次第です。
新しいスーツケースを購入して
フィリピンでカバンを新調しましたが、10年近く世界を共に旅した古いスーツケースを見ながら色々と思うこともあります。スーツケースには世界地図柄がプリントされているのですが、地図が航行地図となったかの如く、そのスーツケースを購入して以降旅する機会に恵まれ、日本に滞在する期間がぐんと減りました。留学も、フィリピンを始めとする、東南アジアの旅も、ヨーロッパに移住した際もそのカバンでした。古いカバンの引退で著者の旅人生の一部が過ぎたように感じました。しかし、今回フィリピンで購入したカバンとの旅はまだ始まったばかりです。
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