[ジョージア]凄い!優美かつダイナミックなジョージアンダンスの公演は滞在中に絶対見るべし

見るものに強烈な印象を残すジョージア民族舞踊。ジョージアに渡航する前にyoutubeで観てからというもの、記憶から離れません。そんなジョージア民族舞踊の舞台をジョージア国内のみならず、世界各地で披露するジョージアを誇るダンスカンパニー「Sukhishvili(ジョージア国立バレエ団)」の稽古を見学させていただく機会を得ました。


稽古の見学

稽古を行うのは、トビリシの中心地、Marjanishvili駅近くのカンパニーの所有する建物。アクセスがよい場所にあるのですが、大通りには面していないため、少々わかりづらい場所にあり、一見すると地方の公民館の印象を受ける建物でした。
Sukhishvili Georgian National Ballet building
Sukhishvili Georgian National Ballet の建物
改修中のようで、多くの作業員を建物の外でみました。
建物の中に入ると、公演のポスターや創設者の写真などが展示されています。また、10畳ほどの部屋には舞台衣装の他、過去の公演の際のポスターなども展示されているミニ博物館もありました。
Sukhishvili(ジョージア国立バレエ団)のミニ博物館
Sukhishvili(ジョージア国立バレエ団)のミニ博物館

 博物館の展示品の点数は多くはないのですが、興味惹かれたのが過去の公演のポスター。ソビエト時代の1970年代のポスターも展示されているのですが、シンプルな中にジョージア民族舞踊のダイナミックさや民族衣装に見を包んだ美しいジョージア人女性の写真もありエキゾチックな様子が伝わるものでした。
過去の公演のポスター
過去の公演のポスター
博物館での見学を終え、期待が高まった中で、まちにまった稽古の見学。

稽古の見学

稽古場は建物の二階にあり、高い天井にバーと広間の片方の壁に設置された鏡がまさに典型的な稽古部屋。室内は冬場のための暖房とタバコの煙の匂い、古い建物のためなのか独特の匂い。喫煙者ではない著者にはかなり気になりましたが、稽古が始まると見入ってしまい、その空気の不快感を忘れるほどでした。

力強い男性の舞踏としなやかで優美な女性の舞踏が強い印象を残すジョージアの民族舞踊を
わずか数メートルの距離で見学することができました。

男性の舞踏のテンポが早いことは知っていましたが、走るように踊るそのスタイルを実際に観て驚き、
ダンサーからの距離わずか数メートル(ときには2メートルほど)で見るときの迫力、踊ったあとの額から溢れる汗を見て、改めて並々ならぬ運動量であることを今更ながらに感じました。力強い舞踏のため建物全体が揺れているようでした。ステップと建物の老朽化?のためか稽古中に天井から建物の破片が見学者に降ってくるほどでした。

ダンサーの表現を肌で感じることができ、細かでありながらもときにダイナミックなステップや団員たちの表情を間近で見ることができました。踊りそれぞれのテーマがありますが、中でも印象的なのは戦士たちの舞踏です。ジョージアは中世のタマル女王の時代に最盛期を迎えますが、常に近隣の大国トルコやロシア等に翻弄され戦いの歴史でした。舞踏を通じて、そうした歴史や大国の影響下の中でも保ち続けた民族の文化・誇りが感じられます。
Sukhishvili 稽古
Sukhishvili 稽古の様子


著者は、日々の練習を積み重ねながら完成度を高めるべく懸命に練習する姿に深く感動しました。本当にすごいの一言に尽きます。

Sukhishvili国立バレエ団とは?

ジョージアで初の国立のバレエ団として、1945年にIliko SukhishviliNino Ramishviliによって設立されました。世界各地で公演を行い、ジョージアの民族舞踊が世界的に知られるようになりました。
現在、創設者の子息であるTengiz Sukhishviliが芸術監督兼ゼネラルマネージャーです。また彼の妻Inga Tevzadzeは元ダンサーとしてバレエの指導を行い、Iliko Sukhishvili Jr.はチーフ振付師として活躍中。Nino Sukhishviliはサブ・マネージャーと衣装デザインを担っています。


80人のダンサーとライブ音楽を担当するミュージシャンが所属しています。ダンサーの平均年齢は30歳ほど、団員は18歳から年長者で50歳。激しい舞踏を踊るために、団員は毎日4時間ほどの稽古を行う他、体つくりを行っているとのこと。競争は激しく、契約は毎年更新する形で雇われています。こんなに頑張っていてもやはり「結果」を出さねばならないのはプロたる厳しさです。しかし、それ故に観客は完成された彼らの踊りを楽しむことができます。

日本人ダンサーによる公演も観ることができる!

見学中、案内をしてくれた男性が日本人ダンサーが個人レッスンを受けていると教えてくれました。その後、日本人ダンサー当人とお会いする機会に恵まれました。元劇団四季で活躍されていたものの、ジョージアンダンスに魅了され、ジョージアにこられて研修を受けられているとのことでした。2019年7月にyoutubeチャンネルも開設され(https://www.youtube.com/channel/UCBkuBrat_H-TFUCOEDa_7_A)、ご活躍の様子がアップデートされますので、是非登録を。

公式ウェブサイト

Sukhishvili (http://www.sukhishvili.com

国立民族合唱舞踏団「ルスタビ」の日本公演

ジョージアの民族舞踊を披露するルスタビも2018年10月と11月は日本20都市、33箇所で公演を行い、19日の大坂での公演が最終日で、大盛況だったようです。ルスタビは、歌も披露します。Sukhishviliとはスタイルが異なる団体なのですが、ジョージアの芸術が広がる機会ができたことを嬉しく思っています。

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