[トビリシ観光] 地元民の憩いの場、トビリシ動物園(Tbilisi Zoo)とはどんなところ?

トビリシ動物園は、その名の通り、トビリシに市内、市内中心部にほど近く位置する市民の憩いの場所です。ジョージアで一番古くて大きい動物園で、120ヘクタールの土地に300種のコーカサス、そして世界各地からの動物を飼育しています。
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo)
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo)の孔雀

トビリシ洪水と動物園

動物園を訪れる上で、思い出すのがあの悲劇。トビリシ動物園と検索すると上位に表示されるのが「Tbilisi Zoo Flood(トビリシ動物園、洪水)」。2015年6月13日から14日にかけて首都トビリシ市近郊の豪雨で市を横切るように流れるヴェレ川と合流するクラ川が氾濫、洪水となり都市は冠水し、20名が亡くなりました。

ヴェレ川沿いにあった動物園も甚大な被害を被りました。土石流は、この動物園を覆い、600ほどの動物の半分が行方不明。後、溺死した動物も多数発見されますが、逃げ出した動物たちも。。。カバが洪水後の街を歩いている写真は驚きとともに報道されてました。逃げ出した動物にはトラ、ライオン、ジャガー、クマ、オオカミ、ワニなども含まれており、街はトビリシサファリと化し、洪水被害の対処をしながら関係者は麻酔針、銃を手にそれらの動物を捜索。不幸にも逃げ出したライオンが男性を襲い、その男性は死亡そしてライオンも射殺されるという痛ましい事件も起こりました。

ビデオ(https://edition.cnn.com/videos/world/2015/06/16/zoo-animals-run-flood-tbilisi-georgia-erin-pkg-moos.cnn-ap/video/playlists/georgia-flood-zoo-animals/)


動物園略史

トビリシ動物園は、1927年2月10日にトビリシ市議会の決定により設立されました。1930年代にさらに拡大され、1970年代の全盛期には1,000匹以上の動物が生息し、年間50万人以上が訪れたと言われています。しかし、1990年代にソビエト後の経済的崩壊と政治不安の結果として、動物の半分以上が飢餓か寒さで死亡したと報告されています。

2000年代後半には穏やかに活動を軌道に戻していきます。動物園はトビリシ市に属しています。2012年、市行政府は、市の東の郊外の大きな貯水池トビリシ海に隣接するレクリエーション施設に、動物園を移動することを決定します。しかし、資金の不足のため移転が遅れ、動物園は古い場所にとどまることになり、2015年の洪水で多くの動物を失いました。

今の動物園はどうなっているのか?

そんなことを思い出しながらトビリシ動物園に行きました。
動物園入り口は、動物園バス亭のすぐ近く。入り口の券売所で入園チケットを購入します。12歳以上は2ラリ。100円弱という値段。
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) 入り口
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) 入り口

入り口から見ると、動物園というよりは、公園。少し歩みを進めて、ようやく動物園らしい動物の飼育されている柵/囲いが見えてくるものの、強化プラスティックの囲いにはヒビガ入って、動物はいませんでした。

入り口から少々がっかりしてしまいましたが、もう少し歩みを進めて、ようやく動物たちに会うことができました。
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) らくだ
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) らくだ

動物園は案内板はありません。そのため細長い構造の動物園、ひたすら歩いていくのみです。
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) 像
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) 像

歩きながら、大体の動物を網羅することができましたが、見たかったトラには出会えませんでした。檻の中のトラは不在(泣)。洪水の時に逃げ出し、街の中で捕獲されたカバにも会えませんでした。残念。

気になったのが、動物園の老朽化。柵の低さも気になります。洪水の時、特に身体の大きな動物が柵を越えて逃げることができたことを容易に想像できてしまいます。また、道路に面しているため、絶えず騒音が聞こえ、動物たちもさぞかし、ストレスをためているのではないかと思われます。一日も早く、トビリシ海近くのレクリエーション施設に移動されることを願っています。
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) サイ
トビリシ動物園(Tbilisi Zoo) サイ
囲いの低さに少々驚き!
地元民に交じって、子連れの観光客もちらほら。しかし、著者のように女子一人で、週末に動物園を訪れる人はいませんでした(汗)。トビリシ動物園、トビリシ観光におススメですか?と聞かれたら、正直「NO」ですが、動物園の歴史を知っている人は、訪れてみるのもよいかもしれません。

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