フィリピンの飲み水事情

フィリピンの水道水は飲まないにこしたことはありません。フィリピン人の友人も殆どが水道水を口にしていません。調査によると、40パーセントのフィリピン人が水道水を口にしていないそうです。もちろん外国人でフィリピンの水道水を飲んでいるというツワモノにはあったことはありません。

海外の水道水の何がいけないのか?

水道水を飲むのは望ましくないとはいわれるものの、では実際何がいけないでしょうか?
1)病原微生物の混入がある、2)非常な硬水である、3)鉄サビをはじめ有害化学物質が混入していることが考えられる。
途上国の水事情より
http://www.jomf.or.jp/report/kaigai/22/2.htm
フィリピンでは特に1と3の理由が当てはまると言えます。給水される過程で、水道管内に病原体や不純物が混入してしまうケースがあります。古くなった水道管というのはざらです。
ちなみに2でいわれる硬度とは、マグネシウムとカルシウムが1リットル当たり何ml含まれているかを表す指標のことで硬度120ml以上の水は硬水で以下は軟水。日本は軟水、現在著者の生活するヨーロッパは硬水です。フィリピンは、水道水を飲んだことはありませんが、軟水と言われています。

水が媒介する病気

細菌による下痢、アメーバ赤痢(Amebiasis: 高熱、右のわき腹の痛み、肝臓のはれ、吐き気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身のだるさなどが起きる寄生虫の一種である赤痢アメーバ原虫による感染症。)コレラ(Cholera:急性の激しい下痢を伴う腸管感染症、米のとぎ汁のような激しい水様下痢、脱水症状が起こり、下痢の繰り返します。それらの症状に加えて嘔吐を伴う、感染症。)、腸チフス(Typhoid Fever:高熱、関節痛、頭痛、食欲不振、咽頭炎、空咳、鼻血が症状、サルモネラの一種であるチフス菌 (Salmonella enterica var enterica serovar Typhi) によって引き起こされる感染症。)

これらにローカルのフィリピン人もかかることもあります。著者はコレラにかかったことがあります。病気のあと、げっそりしました。また、水を媒介とした感染症・細菌に侵され苦しんだことがあります。お腹を下したことなど無かったので、一体いつまで続くのかと心配になりました。

人は水を採らないと生きていけません。何としても飲み水を確保しなければなりません。大体は以下のような飲み水を形で入手しています。

マニラなど首都圏地域の水の確保

コンビニ

コンビニでは350ミリのサイズから数リットル(ガロン)のボトルまで様々なブランドの水が販売されています。短期の旅行者などは500ミリ、あるいは1リットルの水を購入する場合が多いようです。コンビニでの水の値段は15ペソ(500ミリ)から。

きちんと蓋が閉まっていたものであるのか、購入時に確認しましょう。

Water Station

一般市民はコンビニなどで水を購入すると高くつくため、蒸留した水を町のあちこちで見かけるwater stationといわれる場所でガロン樽で購入しています。日本ではガロンという単位は使用していませんが、フィリピンではリットルの他にいまだに利用されています。1ガロンは約3.8リットルです。

まず、水購入のための準備として、容器-ガロン樽はだいたい10~20リットルほど入るものが主流-を購入(大体170~250ペソ)し、それを持ってwater station へ行きます。

容器一個、満タンにしてもらい30~40ペソ。重たいので、配達をしてくれます。2~3日で消費するのが望ましいのだとか。

水は、water stationで水道水を機械で蒸留、処理。フィルターなどまめに替えていないwater stationの水はもちろん、あまりよろしくないのですが、そんなことは知る余地もありません。

浄水器

浄水器がある家もありますが、稀です。しかし、富裕層や海外駐在者の家族に広がりつつあります。

近年は、高層マンションなどでは水の浄化を一斉に行っており、水道水を飲むことができると言われていますが、著者は試したことはありません。

田舎での水の確保

フィリピンの給水車
外見にぎょっとさせられた給水車

著者の住んでいた地域は、water stationなどという気の利いたものはありません。だからと言って、井戸からくみ上げられている時々砂のまじっているような水もとてもではありませんが、飲み水として使用できません。

フィリピン田舎町の給水車
フィリピン田舎町の給水車、この車が町内を走り、飲み水を販売します
飲み水は、放水車に運ばれてやってきます。見た目がバキュームカーを連想させ、なんとも複雑な気持ちになりますが、これが飲み水を運んで来てくれます。

家の前に水を入れる容器を置いておくと、放水車が来て水を入れてくれます。値段は、10リットルで3ペソほど。

大体は一度に10ボトルぐらい入れてもらいます。

この水は近くのイサログ山の湧水だとか。しかし、どこの湧水をとってきているの?と疑問が残りますが、飲み水はこれしかないので、有難く頂いています。お腹を壊したことはありません。

2つの会社がこの”水”商売をしているようです。しかし、この給水源どの頻度でコミュニティを回っているのかまだ分かっていません。

その他

レストランで出される水も大体は、蒸留水。しかし、氷などは時に水道水から作っているところもあるので注意が必要です。お腹が弱いという場合は氷はお店の人に頼んで抜いてもらうのがよいでしょう。

水にまつわる話しとして、NGO時代ホームスティした先に飲み水を持っていくのを忘れ、歯磨きうがい用の水を宿泊先から頂いたことがあります。口をゆすいだだけでしたが、3日間もの高熱と下痢で死ぬ目にあいました。(他の人に、お腹を壊すからホームスティ先でのお水は飲まない・口に入れないようにとアドバイスしたことを自分がしてしまいました。)

ちなみにその頂いた水は、大樽(人がすっぽり入るほどの)で買った水の底の方の水だったというのは後で知ったことです。

マニラでは、まだ水道水にすらアクセス出来ていない人も多くおり、生活に必要な水を近所の水道を持っている人から買うという生活をしていることを思い知らされました。

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