元IRA司令官で和平合意後に北アイルランドの副首相を務めたマーティン・マクギネス氏(66歳)死去の訃報を今朝のBBCニュースで観ました。
偶然ながら来月、イギリス、北アイルランドのベルファストで行われる会議に参加します。ベルファストは、ベルファスト合意(Belfast Agreement)が結ばれた土地です。1998年4月10日にイギリスとアイルランドの間で結ばれたこの和平合意は、19世紀後半から始まったアイルランド独立問題、1960年後半~1970年代に暴力は頂点に達した独立運動への政治的な解決を計る大きな分岐点となった合意です。
マーティン・マクギネス氏死去とベルファストへの旅を想い、昔TSUTAYAで借りたビデオ「麦の穂を揺らす風」を思い出しました。
物語の主人公デミアン(キリアン・マーフィー)は医者。ロンドンで病院の仕事が決まっており、まさに旅立とうとする時駅で無理やり乗り込もうとするイギリス兵たちを断固として拒否した姿を間近で見て、心を揺さぶられアイルランドの独立を求める戦いに加わる決心。デミアンの兄、テディ(ポードリック・ディレーニー)は、その運動の中でリーダー、敵に拷問を受けても仲間を裏切ろうとしないテディは仲間の信頼は厚く、デミアンも兄を尊敬しています。
ゲリラ攻撃に対して倍返しするイギリス軍。報復合戦の様相を示し、女子どもをも傷付け、住居に火を放ち、拷問を受け、仲間を売りそれを射殺する同胞あらゆる暴力が映画で淡々と描かれます。
義勇軍によるゲリラ作戦は成果を上げ、ついにはイギリスは停戦を申し入れます。喜ぶ同志たち。英愛条約は、アイルランド全島がアイルランド自由国としてイギリスの自治領となる他に、講和条約はイギリスに都合のよいものでした。結果として、アイルランドの中で条約に賛成する者と反対する者に分け、両者の対立(アイルランド内戦)が始まってしまいました。
独立戦争を戦ったアイルランド共和軍・義勇軍 の一部はアイルランド国防軍に、一部は英愛条約に反対し、アイルランド内戦で国防軍と戦うことになります。条約に賛成する兄、テディは政府軍へ、条約に反対する弟・デミアンは再びゲリラ活動へ。兄弟もいつの間にか敵対する立場になってしまいます。
内戦のさ中、ついにデミアンが政府軍に囚われてしまいます。テディは仲間の居場所と武器のありかを喋るようにデミアンを促すものの断固として拒否。テディはデミアンに処刑を告げざるを得えませんでした。そして・・・。
この映画に惹かれたのは、詩的なタイトル。10年ほど前にTSUTAYAをぶらぶらしていたときに惹かれて手にしたものでした。
叙情的で美しいアイルランドの風景、描かれる暴力の対比が物語の残酷さを際立たせており、名画であるものの、悲しく心打つ映画でした。
実は、イギリスは一度も行ったことがありません。そして、初イギリスはロンドンを通り越して、北アイルランド。北アイルランドというと、処女航海で沈んだあのタイタニックはベルファストにあるハーランド・アンド・ウルフ造船所で建造されています。
タイタニックもいいのですが、近年まで続いているこの紛争、イギリス訪問前にもう一度学びなしてみようと思います。
観てみよう
Martin McGuinness: Can political violence be justified?
http://www.aljazeera.com/programmes/headtohead/2014/02/terrorists-freedom-fighters-2014212111746740708.html
偶然ながら来月、イギリス、北アイルランドのベルファストで行われる会議に参加します。ベルファストは、ベルファスト合意(Belfast Agreement)が結ばれた土地です。1998年4月10日にイギリスとアイルランドの間で結ばれたこの和平合意は、19世紀後半から始まったアイルランド独立問題、1960年後半~1970年代に暴力は頂点に達した独立運動への政治的な解決を計る大きな分岐点となった合意です。
マーティン・マクギネス氏死去とベルファストへの旅を想い、昔TSUTAYAで借りたビデオ「麦の穂を揺らす風」を思い出しました。
アイルランドの風景 |
麦の穂を揺らす風(The Wind That Shakes the Barley)
映画「麦の穂を揺らす風(The Wind That Shakes the Barley)」はケン・ローチ監督による2006年公開の映画、第59回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドール(Palme d'Or)を受賞しています。 1920年頃のアイルランドのある地方の兄弟を中心に、独立戦争から内戦までを描き、北アイルランドの紛争という視点とそこに巻き込まれていく兄弟の愛憎、悲劇を描いています。映画のあらすじ(ネタばれあり)
アイルランド、1920年。イギリスの支配に対抗しようと、アイルランド独立を求める人々の動きは徐々に高まり見せていました。一方イギリスは武装警察隊を送り、住民たちに理不尽な暴力を人々に振るっていました。暴力に屈しない人たちは、さらなる暴力を受け、さらには理不尽に殺害されていました。物語の主人公デミアン(キリアン・マーフィー)は医者。ロンドンで病院の仕事が決まっており、まさに旅立とうとする時駅で無理やり乗り込もうとするイギリス兵たちを断固として拒否した姿を間近で見て、心を揺さぶられアイルランドの独立を求める戦いに加わる決心。デミアンの兄、テディ(ポードリック・ディレーニー)は、その運動の中でリーダー、敵に拷問を受けても仲間を裏切ろうとしないテディは仲間の信頼は厚く、デミアンも兄を尊敬しています。
ゲリラ攻撃に対して倍返しするイギリス軍。報復合戦の様相を示し、女子どもをも傷付け、住居に火を放ち、拷問を受け、仲間を売りそれを射殺する同胞あらゆる暴力が映画で淡々と描かれます。
義勇軍によるゲリラ作戦は成果を上げ、ついにはイギリスは停戦を申し入れます。喜ぶ同志たち。英愛条約は、アイルランド全島がアイルランド自由国としてイギリスの自治領となる他に、講和条約はイギリスに都合のよいものでした。結果として、アイルランドの中で条約に賛成する者と反対する者に分け、両者の対立(アイルランド内戦)が始まってしまいました。
独立戦争を戦ったアイルランド共和軍・義勇軍 の一部はアイルランド国防軍に、一部は英愛条約に反対し、アイルランド内戦で国防軍と戦うことになります。条約に賛成する兄、テディは政府軍へ、条約に反対する弟・デミアンは再びゲリラ活動へ。兄弟もいつの間にか敵対する立場になってしまいます。
内戦のさ中、ついにデミアンが政府軍に囚われてしまいます。テディは仲間の居場所と武器のありかを喋るようにデミアンを促すものの断固として拒否。テディはデミアンに処刑を告げざるを得えませんでした。そして・・・。
映画を観賞して
この映画に惹かれたのは、詩的なタイトル。10年ほど前にTSUTAYAをぶらぶらしていたときに惹かれて手にしたものでした。叙情的で美しいアイルランドの風景、描かれる暴力の対比が物語の残酷さを際立たせており、名画であるものの、悲しく心打つ映画でした。
実は、イギリスは一度も行ったことがありません。そして、初イギリスはロンドンを通り越して、北アイルランド。北アイルランドというと、処女航海で沈んだあのタイタニックはベルファストにあるハーランド・アンド・ウルフ造船所で建造されています。
タイタニックもいいのですが、近年まで続いているこの紛争、イギリス訪問前にもう一度学びなしてみようと思います。
観てみよう
Martin McGuinness: Can political violence be justified?
http://www.aljazeera.com/programmes/headtohead/2014/02/terrorists-freedom-fighters-2014212111746740708.html
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