2016年2月、映画「ピン中」が上映されました。38年の芸歴で、初主演となる柳沢慎吾が、日本男子がフィリピン人パブにはまる姿をどこか、悲しくそしてコミカルに描かれました。
フィリピン人関係者は、またこうした映画で「フィリピン人女子は○○だ」あるいは、「フィリピン人はこれだから△△△」とステレオタイプが定着するするのではないかと、恐れがありました。そして、フィリピン人パプにはまるダメダメな日本人男子。
この映画にさかのぼること14年、チャンネル桜で「フィリピーナを愛した男たち」という映画が製作されました。主演は、若き頃の玉置浩二とルビー・モレノ(かつて日本で活躍したフィリピン人女優)他にも高田純次、中村玉緒などが出演しています。
フィリピンに帰国した彼女を追って、フィリピンまで行き、お母さんの仕送りを元手にフィリピンで水商売をを始めるも、騙され失敗。お金も仕事も失ったトシオだが・・・
夜の世界の男と女の嘘、男女を取り巻く家族関係、そして互いの国の経済的な格差、さまざまに織り込まれた作品。
2時間弱の作品で、オンラインで公開中なので、フィリピン人関係者、奥様や旦那さんがフィリピン人という人には是非ご鑑賞いただきたいのですが、露骨な性描写があるので、未成年者と一緒には観ないでくださいね :)
印象に残ったシーン、会話
ネタばれになってしまうので、映画を見る予定がある人は読まないでください。
悩むルビー、そして既にオーナーにお金を払ったと主張するトシオ。
ルビー:「どうしよ。ワタシ、すきか?(わたしのこと好きなの?)ワタシ、すき?こたえろよ。」
トシオ:「当たり前だろ!」
性交渉を行いたいがためにとっさに出た一言。
ルビーを独り占めしたい、トシオ。しかし、ルビーはお金を稼がないといけない。
ルビー:「ワタシ、としおのことダイスキ。けど、だましてない。おきゃくさん喜ばす、お金もらう。これ、ビジネスよ。」
ルビー:「ワタシ、としおと結婚してないよ。」
トシオ:「おれも客の一人か?」
ルビー:「チガウ!ワタシお金ほしい。ワタシのかぞくビョウキ。透析とっても高いよ。ファミリー食べるものない。ファミリーお金まっているよ。ワタシファミリーのためなんでもできるよ。ワタシ悪くない、悪くないよ。」
続けて、
ルビー:「日本の男は、好き好き言う。男お金あげる。どっちがワルイ?わたしワルくない。だから、としおわかってよ?ワタシ、あなたの奥さんじゃないよ。だから、あなたのものだけにならないよ。
トシオの家を飛び出す、ルビーを追って、プロポーズするトシオ。
しかし、ルビーはすぐに帰国してしまいます。
ひったくりのグループに囲まれたトシオを救ってくれたのが、日本人とフィリピン人のハーフの女性。女将としてマニラに店を持つ。以降は、彼女の助けを得て、ルビーを探す。
女将:「あんた相当なあほだね。」
だまされたのでは、という女将にトシオは、
トシオ:「子どもの時から、中途半端。たから、一度だけ、人を信じてみたい。」
女将:「仕事がないから食べていけない。日本人はフィリピン人が怠け者、うそつきだと言う。」
お金も仕事も騙され失ったトシオにたいしてルビーは、バハラナ(BAHALANA:なんとかなるさ)という。お金も、仕事もないけど、家族がいると励まします。
トシオのお母さん:「この子は、フィリピンに住むつもりです。日本を、親の私も捨てて、この国に骨を埋めるつもりです。私はそれを許しました。この子に幸せになってほしいからです。子どもの幸せを願うのはどこの国もいっしょでしょう。どうか、2人の結婚を許してください。お願いします。
お願いします。」
ルビーの両親:「日本人と結婚した女は沢山いましたが、親が来たことは一度もなかった。」
しかし、この後トシオとお母さんは重大な事実を知ることに・・・最後にオチがありました。
映画は難しいもので、ある人種や国出身者のステレオタイプを形成してしまうと時に非難されたりもします。この映画に関しても、観る人にとっては痛く気分を害するかもしれませんが、いろんな登場人物を通して、その立場のセリフからさまざまな視点を読み解くことができます。
上記に挙げたルビーの「ビジネスだから悪くない、日本人は好き好きとすぐに言う(けど、本気じゃない)」、女将の「日本人はすぐにフィリピン人はうそつきだという」また映画の最後にトシオが物資をコミュニティに寄付する時にトシオのお母さんは「お金持ちの偽善行為と受け取られるのでは」と気をもめます。
それらを通じて、主人公のトシオはルビーやフィリピンの国に対する理解を深めていっているように思います。映画がトシオの自分探し的な要素が多分に大きいと思います。しかし、トシオがいろんな目にあってもフィリピンを悪く言うことがないのに、美化しすぎ・・・と思いつつも好感が持てます。タイトルは「フィリピーナを愛した男たち」とありますが、トシオにフィリピン人と一緒になった日本人男性像の平均を見るのは難しいでしょう。
あくまで映画、メルヘンで、ほろりとさせつつ、考えさせられ、エンターテイメントな要素もあり、楽しく観賞しました。
追記:ルビーモレノさんは、映画「月はどっちに出ている」、ドラマ「愛と言う名のもとに」にも出演しています。 とってもチャーミングで、惚れてしまいそうです。
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フィリピン人関係者は、またこうした映画で「フィリピン人女子は○○だ」あるいは、「フィリピン人はこれだから△△△」とステレオタイプが定着するするのではないかと、恐れがありました。そして、フィリピン人パプにはまるダメダメな日本人男子。
この映画にさかのぼること14年、チャンネル桜で「フィリピーナを愛した男たち」という映画が製作されました。主演は、若き頃の玉置浩二とルビー・モレノ(かつて日本で活躍したフィリピン人女優)他にも高田純次、中村玉緒などが出演しています。
あらすじ
布団屋営業マンのトシオ(玉置浩二)は、借金のゆえに奥さんに逃げられ、それを紛らわせるためにフィリピン人パブに通うちょっとダメな日本人男子。そこで出会ったルビー(ルビーモレノ)に入れ込む。会社では、成績も伸びず、上司に嫌味を言われ、とっさに会社を辞めてしまう。郷里で一人働くトシオのお母さんは、山を売ってお金を作り、トシオに送金。フィリピンに帰国した彼女を追って、フィリピンまで行き、お母さんの仕送りを元手にフィリピンで水商売をを始めるも、騙され失敗。お金も仕事も失ったトシオだが・・・
夜の世界の男と女の嘘、男女を取り巻く家族関係、そして互いの国の経済的な格差、さまざまに織り込まれた作品。
2時間弱の作品で、オンラインで公開中なので、フィリピン人関係者、奥様や旦那さんがフィリピン人という人には是非ご鑑賞いただきたいのですが、露骨な性描写があるので、未成年者と一緒には観ないでくださいね :)
印象に残ったシーン、会話
**
ネタばれになってしまうので、映画を見る予定がある人は読まないでください。
映画の前半、すぐに性関係を求めるトシオに対して、ルビーのセリフ
ルビー: 「これ、loveじゃないよ。わたし、かなしいよ。わたしびんぼー、わたしおかねいっぱいほしいよ。けどloveもっとだいじよ。」悩むルビー、そして既にオーナーにお金を払ったと主張するトシオ。
ルビー:「どうしよ。ワタシ、すきか?(わたしのこと好きなの?)ワタシ、すき?こたえろよ。」
トシオ:「当たり前だろ!」
性交渉を行いたいがためにとっさに出た一言。
ルビーを独り占めしたい、トシオ。しかし、ルビーはお金を稼がないといけない。
やくざ風の男と一緒にいたルビーを咎めたトシオに対してルビーは・・・
ルビー:「ワタシ、としおのことダイスキ。けど、だましてない。おきゃくさん喜ばす、お金もらう。これ、ビジネスよ。」
ルビー:「ワタシ、としおと結婚してないよ。」
トシオ:「おれも客の一人か?」
ルビー:「チガウ!ワタシお金ほしい。ワタシのかぞくビョウキ。透析とっても高いよ。ファミリー食べるものない。ファミリーお金まっているよ。ワタシファミリーのためなんでもできるよ。ワタシ悪くない、悪くないよ。」
続けて、
ルビー:「日本の男は、好き好き言う。男お金あげる。どっちがワルイ?わたしワルくない。だから、としおわかってよ?ワタシ、あなたの奥さんじゃないよ。だから、あなたのものだけにならないよ。
トシオの家を飛び出す、ルビーを追って、プロポーズするトシオ。
しかし、ルビーはすぐに帰国してしまいます。
ルビーとの連絡が途絶える、「だまされたのでは?」と軽くあしらうパブの店長。しかし諦めきれず、手掛かりを元にフィリピンでルビーを探すことにしたトシオ。
ひったくりのグループに囲まれたトシオを救ってくれたのが、日本人とフィリピン人のハーフの女性。女将としてマニラに店を持つ。以降は、彼女の助けを得て、ルビーを探す。女将:「あんた相当なあほだね。」
だまされたのでは、という女将にトシオは、
トシオ:「子どもの時から、中途半端。たから、一度だけ、人を信じてみたい。」
ルビーを探して行きついたのがスモーキーマウンテン
女将:「仕事がないから食べていけない。日本人はフィリピン人が怠け者、うそつきだと言う。」お金も仕事も騙され失ったトシオにたいしてルビーは、バハラナ(BAHALANA:なんとかなるさ)という。お金も、仕事もないけど、家族がいると励まします。
最後のシーンはかなりドラマかかっていますが(汗)トシオが、ルビーのご両親に結婚の許可を得るべく、挨拶をする。郷里から出てきたトシオのお母さんも一緒に挨拶する。
トシオ:「私はもう日本には戻りません。ここの土になるつもりできました。わたしにはもう何もありませんけど、ルビーを幸せにする心だけ持っています。どうか2人の結婚をゆるしてください。トシオのお母さん:「この子は、フィリピンに住むつもりです。日本を、親の私も捨てて、この国に骨を埋めるつもりです。私はそれを許しました。この子に幸せになってほしいからです。子どもの幸せを願うのはどこの国もいっしょでしょう。どうか、2人の結婚を許してください。お願いします。
お願いします。」
ルビーの両親:「日本人と結婚した女は沢山いましたが、親が来たことは一度もなかった。」
しかし、この後トシオとお母さんは重大な事実を知ることに・・・最後にオチがありました。
フィリピーナを愛した男たち 桜テレビ 映画のスクリーンショット 引用:https://www.youtube.com/watch?v=AMBQgLotsso |
最後に
映画は難しいもので、ある人種や国出身者のステレオタイプを形成してしまうと時に非難されたりもします。この映画に関しても、観る人にとっては痛く気分を害するかもしれませんが、いろんな登場人物を通して、その立場のセリフからさまざまな視点を読み解くことができます。
上記に挙げたルビーの「ビジネスだから悪くない、日本人は好き好きとすぐに言う(けど、本気じゃない)」、女将の「日本人はすぐにフィリピン人はうそつきだという」また映画の最後にトシオが物資をコミュニティに寄付する時にトシオのお母さんは「お金持ちの偽善行為と受け取られるのでは」と気をもめます。
それらを通じて、主人公のトシオはルビーやフィリピンの国に対する理解を深めていっているように思います。映画がトシオの自分探し的な要素が多分に大きいと思います。しかし、トシオがいろんな目にあってもフィリピンを悪く言うことがないのに、美化しすぎ・・・と思いつつも好感が持てます。タイトルは「フィリピーナを愛した男たち」とありますが、トシオにフィリピン人と一緒になった日本人男性像の平均を見るのは難しいでしょう。
あくまで映画、メルヘンで、ほろりとさせつつ、考えさせられ、エンターテイメントな要素もあり、楽しく観賞しました。
追記:ルビーモレノさんは、映画「月はどっちに出ている」、ドラマ「愛と言う名のもとに」にも出演しています。 とってもチャーミングで、惚れてしまいそうです。
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