新政権発足以来、フィリピンが大統領の麻薬対策、外交のゆえに国際社会でも注目を浴び、とくにここ数週間では「ヒトラー」発言で、ヨーロッパ諸国やユダヤ人社会の注目を集めました。後日謝罪をしましたが、これは「またか!」と冗談とやり過ごせません。
100日で成し遂げたことは麻薬対策の徹底化と検挙数の増加でしょうか。公約で掲げた、麻薬の取り締まり強化は、23,500件の強制捜査を行い22,500の麻薬関連の容疑者を逮捕。160万軒の家を回り、732,000の中毒者やディーラーが投降しました。明らかに、犯罪への罪悪感よりは死への恐怖のためです。
しかし一方で3,600人の麻薬関連の死傷者、うち1,300人ほどが警察の銃によって倒れ、一日平均36人が麻薬対策により亡くなっています。中には麻薬取引や使用に関係しない一般市民(子どもも含み)巻き添えとなり亡くなっています。
今後政権がどうなるのか、現政権の問題を振り返りつつ、政権の行くべき可能性を考えてみたいと思います。
DDSには月の賞与も支払われていたとあり、これは市長が承認しないとできないことです。
ブログ>>マトバトの証言―ドゥテルテ元ダバオ市長の超法規的殺害についての公聴会
同議員は証言者を連れ、公聴会を開き大統領のダバオでの悪政とくに超法規的殺害への関与の立証に努めていましたが、それに危機感を感じた大統領側の議員たちが追い落としを画策、同議員の愛人問題や収監中の犯罪者を証人に仕立て、司法長官時代の違法薬物シンジケートから賄賂を受け取っているなど証言をさせ攻勢に出ていました。
ボクシング議員パッキャオ氏もこの時のみは参戦し、パッキャオ議員の“ボクサーとしての”人気を盾にして、デ・リマ議員を攻撃しました。
新しい上院法務委員会委員長は際立った政治的功績がないバレンシアノ・アギレ2世(Vitaliano Aguirre II)。ドゥテルテ大統領の同級生というつながりで選ばれました。政敵を徹底的につぶすという強権政治が始まったと思ってもよいのかもしれません。
*再度書きますが、パッキャオ議員は議会のほとんどの日数を欠席。彼に議席を与えるなら、他の有能な人物にその席を譲り渡すべきでしょう。全く給与の無駄というやつです。挙句の果てに政敵落としの道具に遣われていますし。
止まらぬ海外要人への暴言は、フィリピンの国家の品位を落しめて、前政権が戦略的に築いてきた関係性を壊し、フィリピンを国際的に孤立させてしまう可能性があります。あるいは、中国と接近し、アジアの政治図を大きく変える可能性が出てきます。
以下が暴言録ー大統領就任前、ダバオの刑務所で1989年に起きた受刑者による暴動の際、刑務所に勤めていたオーストラリア人修道女がレイプされ殺害された事件について、「一番先に市長のオレにやらせるべきだった・・・」さらに、非難したオーストラリア政府に対しては、大統領に就任後はオーストラリアとの国交を断つと発言。(実行はされていません。)ローマ法王にもオバマ大統領を「娼婦の子」、国連事務総長をバカ呼ばわりするなどしている。そのため、ASEANサミット期間中に開催されるべき、オバマ大統領との会合はキャンセルとなりました。
流石に、他の議員たちも大統領をたしなめる発言をしています。
麻薬の取り締まり以外に政策がないと言ったら言い過ぎでしょうか。しかし、政権発足からペソの下落、諸外国との外交問題などがあり、政策のなさを露呈しています。彼は一体この任期6年間に本気で麻薬撲滅以外の政策があるのか大いに疑問です。
ダバオが彼の市政下で発展したという反論がありますが、そもそも、ダバオは海に面し、もともとは麻の栽培で栄えた土地、さらにはミンダナオに展開するプランテーションもあり、地政学的に恵まれており、一都市として発展するのは時間の問題であったと思います。
日本から旅行を計画しているのであれば、今がまさにお得な時。実際、10,000円で4700ペソです。数ヶ月前は10,000円で4,200ペソ前後でしたので、大きな差です。
ただ、前政権が6パーセントという安定した経済成長を実現し、今後のさらなる成長が見込まれるときの下落。これ以上下落しなければよいのですが、残念ながら投資家のフィリピン離れは今後も進みそうです。
問題のない政府はありませんが、政権発足わずか3カ月でこれほど物議を醸す政権も珍しいのではないでしょうか。
>>政権発足100日、ドゥテルテ政権今後どうなる?(2)-シナリオ
100日で成し遂げたことは麻薬対策の徹底化と検挙数の増加でしょうか。公約で掲げた、麻薬の取り締まり強化は、23,500件の強制捜査を行い22,500の麻薬関連の容疑者を逮捕。160万軒の家を回り、732,000の中毒者やディーラーが投降しました。明らかに、犯罪への罪悪感よりは死への恐怖のためです。
しかし一方で3,600人の麻薬関連の死傷者、うち1,300人ほどが警察の銃によって倒れ、一日平均36人が麻薬対策により亡くなっています。中には麻薬取引や使用に関係しない一般市民(子どもも含み)巻き添えとなり亡くなっています。
今後政権がどうなるのか、現政権の問題を振り返りつつ、政権の行くべき可能性を考えてみたいと思います。
ドゥテルテ政権で何が起こっているのか?-政権の問題
1. 大統領自身が超法規的殺害の指示と直接的関与
大統領がダバオ市長時代にダバオ処刑団(Davao Death Squad通称:DDS)を構成し、麻薬犯罪者、軽犯罪者あるいは、市長家族の政敵となる人間を殺害した疑いがもたれており、先月から元処刑団の一員であった、マトバト氏(57歳)が証言人となり、ドゥテルテ元ダバオ市長、現大統領の関与を証言しています。DDSには月の賞与も支払われていたとあり、これは市長が承認しないとできないことです。
ブログ>>マトバトの証言―ドゥテルテ元ダバオ市長の超法規的殺害についての公聴会
2. 強権政治の発動?
先月9月19日、上院法務委員会で、上院法務委員会委員長デ・リマ議員が表決の結果、解任賛成16反対4で委員長職を解任されられました。同議員は証言者を連れ、公聴会を開き大統領のダバオでの悪政とくに超法規的殺害への関与の立証に努めていましたが、それに危機感を感じた大統領側の議員たちが追い落としを画策、同議員の愛人問題や収監中の犯罪者を証人に仕立て、司法長官時代の違法薬物シンジケートから賄賂を受け取っているなど証言をさせ攻勢に出ていました。
ボクシング議員パッキャオ氏もこの時のみは参戦し、パッキャオ議員の“ボクサーとしての”人気を盾にして、デ・リマ議員を攻撃しました。
新しい上院法務委員会委員長は際立った政治的功績がないバレンシアノ・アギレ2世(Vitaliano Aguirre II)。ドゥテルテ大統領の同級生というつながりで選ばれました。政敵を徹底的につぶすという強権政治が始まったと思ってもよいのかもしれません。
*再度書きますが、パッキャオ議員は議会のほとんどの日数を欠席。彼に議席を与えるなら、他の有能な人物にその席を譲り渡すべきでしょう。全く給与の無駄というやつです。挙句の果てに政敵落としの道具に遣われていますし。
3. 暴言外交
止まらぬ海外要人への暴言は、フィリピンの国家の品位を落しめて、前政権が戦略的に築いてきた関係性を壊し、フィリピンを国際的に孤立させてしまう可能性があります。あるいは、中国と接近し、アジアの政治図を大きく変える可能性が出てきます。以下が暴言録ー大統領就任前、ダバオの刑務所で1989年に起きた受刑者による暴動の際、刑務所に勤めていたオーストラリア人修道女がレイプされ殺害された事件について、「一番先に市長のオレにやらせるべきだった・・・」さらに、非難したオーストラリア政府に対しては、大統領に就任後はオーストラリアとの国交を断つと発言。(実行はされていません。)ローマ法王にもオバマ大統領を「娼婦の子」、国連事務総長をバカ呼ばわりするなどしている。そのため、ASEANサミット期間中に開催されるべき、オバマ大統領との会合はキャンセルとなりました。
流石に、他の議員たちも大統領をたしなめる発言をしています。
4.政策なき政府
麻薬の取り締まり以外に政策がないと言ったら言い過ぎでしょうか。しかし、政権発足からペソの下落、諸外国との外交問題などがあり、政策のなさを露呈しています。彼は一体この任期6年間に本気で麻薬撲滅以外の政策があるのか大いに疑問です。ダバオが彼の市政下で発展したという反論がありますが、そもそも、ダバオは海に面し、もともとは麻の栽培で栄えた土地、さらにはミンダナオに展開するプランテーションもあり、地政学的に恵まれており、一都市として発展するのは時間の問題であったと思います。
5. ペソ下落
外資系ファンドがペソを売り、現在もペソの下落が続いています。理由は上記、現政権の国際社会に対する一連の挑発的な発言、金融政策決定が不確定であるためです。日本から旅行を計画しているのであれば、今がまさにお得な時。実際、10,000円で4700ペソです。数ヶ月前は10,000円で4,200ペソ前後でしたので、大きな差です。
ただ、前政権が6パーセントという安定した経済成長を実現し、今後のさらなる成長が見込まれるときの下落。これ以上下落しなければよいのですが、残念ながら投資家のフィリピン離れは今後も進みそうです。
問題のない政府はありませんが、政権発足わずか3カ月でこれほど物議を醸す政権も珍しいのではないでしょうか。
>>政権発足100日、ドゥテルテ政権今後どうなる?(2)-シナリオ
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