協同組合のマネージャーに話を聞くーフィリピン、ヌエバエシハ州

ヌエバエシハの協同組合のマネージャーに話を聞くことができました。短い時間でしたが、この地域の農民の様子、協同組合立ち上げ時の苦心した部分が伝わってきました。

農民による農民のための組織


この地域の協同組合は2000年に立ち上がりました。組合は農民の抱える問題を解決し、農民が潜在能力を自覚し、自信を得るようにと自助組織として立ち上がりました。

農民たちの苦悩


農民たちは仲介人やより資本を持つ者に搾取される仕組みがあり、いくら働いても暮らしが豊かにならない、悪い時には借金をして返済できず貧困に陥っていることでした。一番汗を流した農民にあまりお金が落ちない構造があります。

仲介人の存在や資本を持つものに支配される農業生産であることは、農民たち自身が十分理解していましたが、それでも新しい試みを始めるには色々な挑戦があったといいます。

組合立ち上げ時の挑戦


まずは農民たちによる抵抗。自分たちのみで行っていくには覚悟と同時にある種の自信・確信が必要ですが、長く続いたシステムを替えることへの恐れ、自信がなく農民たちの反対にあったといいます。
フィリピン、ヌエバエシハ州の協同組合
困難を乗り越えながら立ち上げた初年度は銀行からお金を借りず、会員からの会費で運営していきました。そうすることで会員たちがよりその運営に関心を持ち、そしてお金に重みを感じると思ったからです。立ち上げ時は4,700ペソから始まり、5年後には200万ペソまで資金が増えました。

組合の活動


低金利の資金貸与
5年目からは銀行からお金を借りて、より多くの会員の益のための活動を活発に行いました。活動の1つは農民に資金を貸し出すこと。農民は初期投資を借金することで、最終的に何らかの理由で収穫+販売時に費用を返済することが出来ず、利子を含めて借金のスパイラルに陥っていきます。その負のスパイラルを絶ち切り、農民たちは定期的に収益をあげていくことができます。教育・医療のローンも可能です。

作物の貯蔵
また、組合は倉庫も持ち、余剰生産された作物を一時貯蔵します。時に市場での野菜の値段が下がり、すぐに売りに出せば大損となってしまう場合は貯蔵庫で保管し、値段が再度あがる時期を待ちます。

その他
メンバーが亡くなると50,000ペソ、葬儀などにかかる費用をカバーする仕組みがあります。

説明を追加
誰がメンバー?
現在の会員数は200名ほど。90名は教員と若者、彼らは実家が農家をしているという場合が多いです。一ヶ月120ペソの会費、最小2,000ペソを2年間で納めるという仕組みとなっています。

また組合は農業のみに頼らない生計の手段を推奨しています。食肉用の家畜を育てるというのもその1つです。

台風の多いフィリピンですが、その中でもこの中部は度々洪水に見舞われ農産物が甚大なダメージを受け、農家も多くの損失を受けました。実際、ローンの返済が滞っているようです。

短い時間でしたが、組合の沿革をお伺いすることができました。マネージャーのワリ―さん、ありがとうございました。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

0 件のコメント :

コメントを投稿

Subscribe