自転車天国オランダ!なぜ人々は自転車を利用するのか?

オランダでは、一番の交通手段が自転車。雨が降ろうが、雪が降ろうが、自転車生活です。著者の自転車生活をSNSの写真から見て、オランダを知る友人は著者「オランダ人化」を指摘されます。どの国でも現地化すると経済効率がよいのです(笑)と返す以外ないのですが、暑すぎないオランダの夏は自転車で移動するにはよい季節です。

オランダの自転車道を走る
運河沿いを自転車で走る

オランダの人口は1,670万(2011年)、1,300万台以上の自転車があると言われています。一人約一台自転車を所有しており、自転車を見ない日はありません。朝は通勤に自転車を使う社会人、通学中の学生、子どもを幼稚園に送り届けるお母さんから、日中はご年配の方のお買い物に、週末などは親子連れで自転車で出かける姿を目にします。

オランダに、これほどまでに自転車が普及する理由はいくつかあります。その理由として以下の5つを考えてみました。 ①地理的理由②経済的理由③インフラ整備④政府の政策⑤マーケットの5つ。

1. 地理的理由-オランダに高地がない。

車から見える景色。ひたすら平地が続く。
平坦な地形が自転車の運行に適しています。オランダは、低い土地(ネーデルランド)と言われるように国土の1/4は海抜以下、人口の70-80%が海面以下で生活をしています。

1,800kmの海岸線は砂丘やダムがあり、オランダを侵食と水害から守っており、これらがなければオランダの多くの都市が海面下となってしまいます。海抜330mが国内で標高が最も高い場所で、自動車あるいは電車の車窓の風景からも山など見られないことに気づくと思います。どこまでも広がる平坦な地形は、自転車走行に適していると思います。

著者の生まれ故郷の某市はアップダウンがきつくて自転車走行が辛いものでした。とりわけ自転車を使った配達バイトをしていた時には急な傾斜の坂道の上がり降り、階段の多さに辟易して、挙げ句の果てには自転車を背負って階段を上り下りしていました。著者の地元と比較するまでもなく、とにかく平地が多いオランダは自転車に最適な地形です。

2. 経済的理由-初期投資のみの経済的効率のよい乗り物

(ポリシーある)倹約家オランダ人、バイクや車のようにガソリン代は掛からない気軽な乗り物自転車は、経済的側面から見て非常に理にかなった乗り物です。バスや電車も定期的に通っているものの、5~10キロほどの距離をバスに乗車すると2ユーロ程は余裕でかかる上、運行スケジュールに合わせて待たなければなりません。

5~10キロほどの道のりであれば、上記のとおり道も平坦であるため30分~1時間弱あれば目的地に到着可能です。お金も払わなくてもよく、待ち時間もなく、ジムなどにも通わず適度に運動も出来る訳で、これはもう使うしかない!ということなのではないでしょうか。

3. インフラ整備-国の隅々まで通る自転車道


典型的なオランダの自転車道
典型的自転車道
オランダにある自転車道は本当に便利です。この自転車専用道路は年々拡張されて、オランダの隅々まで通っております。

大体はレンガ色のブロックが敷き詰められているか、レンガ色の道が明らかに歩道と区別されています。幅は狭いところもありますが、メインの道路にある自転車道は車道1本分ほどの広さです。自転車2台分は横並び運転可能で、時々カップルが手を繋いで自転車を運転しています。大体は同じ方向に走っていくようにしており、逆走はなしということになっています。自転車は車と同じ方向で右側を走るようになっていますが、二車線ある場合は両方向の行き来が可能です。

日本では、自転車が歩道を走ったり車道を走ったり境界が不鮮明で、歩行者からも、自動車からも邪魔者扱いですが、オランダでは自転車専用道のため両者を気にする必要があまりありません。

オランダの自転車道
オランダの自転車道の案内

自転車道を充実されるのと同時に、自転車駐輪スタンドが街のいたるところにあります。それ以外の場所で駐輪することはおススメしません。
 
また、上記の写真のような看板は自転車で今は何番の道を走っているのか、そして何番の道を行ったら目的地にたどり着けるかがわかるようになっています。日常生活でこの看板の前で足を止めて目的地を確認しているという人を見かけたことはありませんが、日曜日のツーリングなどで活躍すること間違いなしです。

4. 政府の政策-企業にインセンティブを与える

政府は企業に対して、通勤手段として自転車の使用を推奨したとものの本で読んだことがあります。企業が自転車を購入して、社員に貸し与えることで企業も減税措置を得られるという方策です。政府は車の使用を抑えることで自動車から排出される温室効果ガスを減らし、企業は自転車を貸与することで減税され、社員は新しい自転車を持つことが出来る訳です。オランダの国が温暖化による海面上昇の影響をもろに受ける訳なので、国策とならざるえないのでしょう。

5. 自転車市場-ピンからキリまでの自転車市場

リカンベント オランダの自転車
ちょくちょく見かけるリカンベント
新品の自転車を購入する場合もありますが、日常で使う自転車は中古で安く購入します。中古自転車は知り合いを通じで売買されます。値段は30から90ユーロほどの相場でしょうか。あまり安すぎる自転車は盗難自転車である可能性が高いのと、すぐに壊れてしまう可能性があります。フェイスブックなどを通じても安く売り買いがされていますが、実際に見に行って比較的新しく、良い自転車を見つけることがコツです。そうしないと、修理の費用が購入費よりも高くなってしまうことがあります。

タイヤのパンク修理で、タイヤの内外交換に36ユーロほどかかりました。この額ならば中古自転車もう一台の購入も可能でしょう。
子ども用座席付き自転車
オランダでよくみかける子ども用座席付き自転車

オランダの自転車保有率の高さに憶測も含めていろいろ理由はつけましたが、オランダ人の自転車への愛を日々感じます。街中では子どもを載せられるでっかいカゴのような座席付き自転車を見かけたりもします。日本の子ども用の補助椅子のことではなくて、大きな三輪車のような作りで、お母さんが運転する前にビニールの囲いがついていて、そこに子どもが乗る格好になっています。

オランダの自転車
自転車にデコレーションを施し、個性を楽しむ♪
また、自転車に造花ですが飾り付けして、個性を楽しんでいる人も居ます。友人の中には自転車を数台所有している人もいます。普段はボロい自転車を乗り、綺麗で高かった自転車はサイクリング用に車庫にしまって置くのだとか。

盗難対策?

ぼろ自転車は盗難対策でもあります。お気に入りの、新しい、高い自転車を盗まれたら絶対凹みます。ここオランダでも自転車の盗難はかなり多いようで、旦那もオランダ生活一年目にして体験しました。もし街中で自転車が必要になったら、「それ私の自転車よ」と叫んだらきっと数人いるうちの一人ぐらいは心当たりがあって、自転車を置いて逃亡すると本で読んだことがあります。試してみたいものです。

そんな事情もあり、自転車の有料駐車場があります。一台10万円ぐらいする自転車はそのような場所に駐輪されるようです。旦那の大学の地下駐輪場にはCCTV(監視カメラ)付きで、鍵付きの柵で覆われた一角があり、そこには大学職員の高級自転車が駐輪されています。私にはまだ何が普通の自転車と違うのか見分けがつきませんがそこにある自転車はきっと高級なのでしょう。

雨でも雪でも自転車です


雨の日だって、雪の日だって・・・

こちらに生活し始めた当初は、雨の日に自転車に乗るなんて!と歩いて買い物をしたり、市役所に行ったりしていました。しかし、今では雨だろうと、雪で視界が閉ざれようと、雪がちょっと積もろうとも、道路が凍結していない限りは自転車ということがすっかりへっちゃらになってしまいました。

日本ではお母さんたちの買い物の友、通勤・通学の足、自転車。歩道では邪魔者ですが、オランダ人でなくても上記のような理由から、自転車を活用したいものです。こちらに来て、日本も自転車道ができたらいいと思います。嘉門達夫さんの「自転車」の歌詞にあるような事態、商店街で自転車に乗っているおばちゃんと同じ方向に避けそうになる“お見合い”ということは少なくなるのではと思います。

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