国際結婚生活が難しいと感じた時に見直したい7つ

前ブログ「国際結婚(3) - なぜ別れる?国際結婚の離婚原因」で、国際結婚の離婚率、特に日本人女性×外国籍男性が高いと述べました。国際結婚の離婚理由は文化(風習・言語)等が理由とされやすいのですが、問題は生活全般にわたるとても複合的な問題をはらんでいます。いずれにしても、難しさを感じ別れにいたるのですが、それに至る前に何かできることはないのか?

離婚の原因から、それらに至らぬようにするアクションについて、仲のよい国際結婚(カップル)からの助言をまとめました。

写真 (https://www.pautaso.com) (c) すしぱく



1.相手の言葉を学ぶ

ペンを持つ手とノート
ペンを持つ手とノート
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生涯学習です。ある程度年齢がいってからの国際結婚となると、言葉の問題が非常に大きいのですが、周囲に理解してもらいつつ(←ここが重要)、パートナーの国の言葉を学んでいくこと。

言葉の意味を知ることで、その背後にある文化理解の手助けになります。例えば、著者の場合、旦那の母語にはお米に関する特定の単語が多く、そこからどのような文化や環境で育ったのか、語学の観点からも理解できます。

- 60歳だけど、パートナーの言語を学ぼうとする男性-
もう結構な年なんで、言語を学ぶのは厳しいと思う人もいるかもしれません。先日、アメリカ人とフランス語圏のベルギー人の同性国際カップルと一緒に食事をしました。年齢は50歳から60歳ぐらい。アメリカ人男性のフランス語の堪能さに驚きました。

そのアメリカ人男性はいろんな言語を話せる人!フランス語のほか、スペイン語、トルコ語も堪能で、二人の意志疎通は全く問題ありません。アメリカ人男性が不自由なくフランス語を話せるのだから何ら問題はないはずですが、今はベルギー人(男性60歳以上)が、英語教室に通っているのだとか。語学を学ぶには60歳は遅いと思うかもしれませんが、相手の国の言葉を理解しようとする意識の表れなのだと思いました。

‐英語もタガログ語もからっきしな日本人男性 in フィリピン - 
一方、フィリピンにいると、英語もフィリピン語も理解できない日本人男性とたまに出会います。奥様も片言の日本語で一体どうやって生活しているのか、どうやって夫婦の意志疎通をしているのか、不思議になります。それら日本人男性から聞く、手厳しいフィリピン批判。ストレスはわかるのですが、聞いていてあまりいい気もちはしません。

ただ、そうした日本人男性を非難しきれない理由があります。フィリピンなどの国には欧米に比較して現地語を学ぶ語学学校が少ないこと。例えば、オランダでは地方に行っても、オランダ語を学ぶ機関があり、国からのサポートを得ています。フィリピンなどでは、地方などで大きく異なる言語。タガログ語を学ぶ学校ですら簡単には見つかりませんので、地方語となればなおさらです。

居住地により差が出てしまいますが、機会を見つけて相手の言葉を学び続けることは大切だと思います。

2.相手の国について改めて学ぶ


写真 (https://www.pakutaso.com) (c) エリー

本は表層的な知識しかくれないかもしれませんが、何冊か読むことで体系的な理解につながります。

感情で整理しきれない何か当たった時に役立つのが知性の力です。本は時に、単純なことに隠れる意味を読者にわかりやすく説明してくれたり、個人に起こる様々な事柄を相対化してくれます。日本人は活字慣れしているので、本を読むことについては苦にならないのではと思います。

日本には「○○を知るための○章」シリーズが出ています。そうしたところから入り、知識を深めながら、学者が書いたような本、文学などに挑戦してみるのもよいかと。

例:フィリピン×日本カップル必読書

フィリピンを知るための64章



物語 フィリピンの歴史―「盗まれた楽園」と抵抗の500年 (中公新書)


このブログでも取り上げた「炎熱商人」、「フィリピン‐日本国際結婚―移住と多文化共生」などなど、アマゾンで探してみると、パートナーの国に関する書籍がかなり出ております。

個人的には「○○を知るための○○章」で全体のイメージをつかみ、新書などで歴史をおさらいし、興味が出てきたら、特定の歴史的事件や時代に焦点を当てた書物を読んでみるのがよいかと思います。

もちろん、本を読むのは苦痛という人もいると思います。そういうときには映画やドキュメンタリー等を鑑賞するのも良いのではないかと思います。どの国にも国を代表するような素晴らしい映画やドキュメンタリーなるものがあります。よくわからないけど、ひとまずそれらを見る!ということでもよいのかと思います。

3.社会のシステムをしっかりと知ること

国際結婚での不安は、経済的な不安定さ。特に海外に生活する場合、私が納めていた年金ってどうなってしまうの?等実際の不安は大きいと思います。自国の社会保障の仕組みを良く知っておくこと+居住国の仕組みも然り。

例えば、社会保障の負担の軽減と「社会保障提携」が行われている国があります。ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド(2017年1月31日時点)の16カ国が提携国に該当します。

これらの国と日本では、調整が行われています。

保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を協定を結んでいる国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)
「日本年金機構ウェブサイト(http://www.nenkin.go.jp/service/kaigaikyoju/shaho-kyotei/kyotei-gaiyou/20141125.html)」

年金問題などは典型的な一例ですが、このようなことを知っておくことで、心理的負担を軽減できるのではないかと思います。

4.一緒にやれる何かを持つ


写真 (https://www.pakutaso.com) モデル:五十嵐夫妻 (c)すしぱく
月並みですが、趣味でもなんでも良いので、一緒にやれる何かを持つこと。
「時間」「空間」を共にして、意識して一緒に何かをする事は重要なのだとか。毎日忙しいと、週末は家でのんびり過ごしたくなりますが、そんな重い腰を上げて、映画鑑賞などの手軽なものから、社交ダンスなど習ってみたり・・・

ブラジル人とオランダ人のカップル、二人とも映画鑑賞が好きで、一緒に観た映画の話など楽しそうに語ってくれました。また、これはオランダ人のカップルは、土地を借りてミニ菜園を作り、休日は二人で土いじりに精を出しているようです。

時に一緒に旅をするのもよいとよく言われます。日常を離れて、ロマンティックなムードになることまちがいなし!とのこと。ただ、旅行中、予想外の事態の発生いらだち喧嘩をするカップルもかなり多いとのことであしからず。

5.自分を幸せにする

山頂から見渡す景色は爽快。
日々、心を健康に保つこと。時に鬱々とすることがありますが、フィリピン人の教母※に「気持ちが落ち込んだ時には、好きなことをやりなさい」とよく釘を刺されます。
※教母(フィリピンでは結婚するときにGod Mother(教母)が2人、God father(教父)2人、立ち会います。書類をサインしてくれるほか、実質夫婦の結婚生活の導き手になる人)

自分自身が幸せでなければ、パートナーもともに幸せになりません。自らが幸せになる方法、日常をハッピーに過ごせる小さなことを探し、実行する。気持ちの切り替えが難しい場合は、自らハッピースポットなるもの決めておくのがよいようです。自然などは、感情がニュートラルになりやすからいいそうです。

6.よき相談者を持つ

2人の教母
著者の場合何か問題がある時に相談しているのは、基本的には教母(ゴッドマザー)です。フィリピンの教父・教母のシステムは、人によって結婚式の形だけで、実際機能していなかったり、していたりします。また、国によってはそうしたシステムがない場合もありますが、そういう場合もだれか、双方の国の事情が分かる、信頼できる家族や親族以外のなるべく年長者(人生の先輩)と交流を持ち、サポートシステムを築くのがよいと思います。

それらの人に困りごとだけを相談するのではなく、日々交流をし、日常のことなども気軽に話しあえるのがよいと思います。本当に困ったこと、夫婦の危機などがあった時にも、オープンに話し合える関係を築けたらベストかと思います。

彼らが言うことすべて正しいとは限りませんが、夫婦関係を見直し、客観的になるきっかけをくれたりします。年長者と関わりがない、という場合は同じような国際結婚のカップルと仲良くなる、なども有効。いずれにしても、個人のそして夫婦としてのサポートシステムを築くことが大切です。

7.意志の力

仕事を妨害する猫様

「意志の力」!精神論ですが、結婚式のときに出席してくださった上司にいただいた、短く含蓄のある言葉で、結婚4年目に突入した辺りからこの言葉の重みを感じています。

この人と一緒に生きていくという「意志」だそうです。

「意志の力」が試されることがただあります。結婚式当日から今に至るまで、「もう、無理」「絶対許せない」と叫んだことが何度もありました。国際結婚いろんなことが複雑に絡んで難しいですが、共に生きるという決断をしたのだから、そうそう簡単に諦めないこと。

またブラジル人友人がが言った「自分が精神的に参っている、落ち込んでいる、ネガティブな感情な時には、大切な決定は絶対しないこと」至極名言だと思いました。もう無理と思って本当に離婚(別居)も考えた時、この言葉が思い出され、感情のままに別れるという決断をせずに済みました。

もちろん、よほどの理由で別居や離婚を考えるということがあれば、それは仕方がないことだと思います。ただ、普段の日常の違いは対話などを通じて乗り越えられるものは多いはず。「意志」を持って決めたのだから。

まとめ

「学び続ける」というスピリットを持ち、実際学び続けること、「お互い成長し合える」と思って接すること、そして自分が幸せに感じられること、そして外からのほどよいサポートが夫婦を円満にする数ある秘訣のうちのいくつかでしょう。

最終的には「国際結婚ならでは!」とはなりませんでしたが、年配者や仲良しカップルの助言を聞きつつ、夫婦間でもよく話し合いの場を持ちながら、数々の困難に負けず、自らも円満な国際結婚カップルとなるように日々精進です。

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