[インドネシア観光]ジョグジャカルタの夜(2) ラーマーヤナ鑑賞

インドネシアでは乾季のみ、ラーマーヤナの野外公演があります。ジョグジャカルタの中心地の公演ではないため、移動が大変ですが、プランバナンの寺院を背景にしたステージは幻想的で観る者を魅了します。

ラーマーヤナはインドの2大叙事詩の1つ。これは「ラーマ王行状記」で、これまで色んな絵画、彫刻、建築、演劇、映画、ドラマ、音楽、舞踏に取り入れられ、インドのみならず東南アジア一円でも広がりを見せています。(といってもフィリピンではさっぱり聞いたことがありませんでしたが)

ラーマヤナ、どれぐらいの人が読んだことがある本かわかりませんが、日本では「天空の城ラピュタ」の故に、その名が知られているのでは?と思います。

ラピュタでムスカが、
これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね見せてあげよう、ラピュタの雷を・・・
旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ
ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね・・・

ちなみにラーマヤナの登場人物の名前はシータ。


そもそもラーマヤナとは?

ラーマーヤナ(Ramayana)とは、紀元3世紀頃書かれた古代インドの大長編叙事詩、ヒンドゥー教の聖典の一つであり、マハーバーラタと並ぶインド2大叙事詩の一つです。サンスクリットで書かれたこの叙事詩は全7巻とかなりのボリューム。

ラーマーヤナは全7巻もの非常に長い物語ですが、公演の演目はその最終章。ラーマはヴィシュヌ神の生まれ変わりで弓が得意、その王子が美しい姫と結婚しました。めでたい時もつかの間、ラーマ王たちは森に何故か追放(劇中ではその詳細には触れていません)。

ハヌマーンとシータ

森でシータ姫は、魔王にさらわれてしまいます。それを知ったラーマ王は彼女を救出すべく姫がとらわれている場所に向かいます。旅の途上、猿の国の王ハヌマーンと出会い、その助けを得ます。

ハヌマーン将軍の助けで、魔王の城に火を放ったシータ姫(過激ですなぁ)。ラーマ王が魔王を倒して、ようやく国に帰ることが出来ました。

そして、幸せに暮らしましたとさ・・・
ちゃんちゃん。

プランバナン寺院のラーマヤーナ劇

と物語はここで終わらず、魔王に捉えられた時のシータ姫の純潔が疑われます。その身の潔白を証明するために姫は自らの身に火を放ちます・・・

え・・・折角助けたのに!

オリジナルの物語では、シータ姫は戻らず、悲劇として終わりますが、この劇ではそうならず、ハッピーエンディングでした。

プランバナン寺院群の夜景
プランバナン寺院群の夜景

インドネシアの民族舞踏の要素とバレエの要素を取り入れたこの劇、色とりどりのコスチューム、ガムランの演奏で、プランバナン寺院群を望むステージでの公演がとても美しく、楽しいものでした。

場所はプランバナン寺院群、街の中心部から5キロほどの場所に位置しています。お値段は席の場所によってことなりますが、著者の席はステージ正面のビップ席の上部の方で250,000ルピア(2,000円)ほど。

古典を世界遺産の前で楽しむことが出来き、満足度の高い旅行者のアトラクションとなります。



舞台演出、その他もろもろ楽しかったのですが、著者の第二の故郷フィリピンはエンターテイナーの国、パフォーマンス(演劇、歌など)を見るとちょっと突っ込みたくなります。

まず、劇の一番始め、4人の男性の舞踏がありますが、これがばらばら。しかも1人は他の人の舞踏を見てまねているようにも見えました。(もしかして、振付ちゃんと覚えていない?)クラシックバレエのようなものを期待していたわけではありませんが、群舞の迫力のなさを舞台設備で補っているようにも感じられ、少々残念な感じもしました。照明、本物の火を使うような派手な仕掛けなど・・・

そして、舞台のすそ野にそのシーンの説明が映されます。英語とその後はインドネシア語。英語、文法が間違えていたりして・・・ちゃんとした文章校正をしてくれる人雇わないとだめじゃないか!ともうちょっとがんばってほしいなぁと思いました。

おおよそのことには、いいねぇという旦那も「プロのレベルじゃない」と珍しく辛口でした。恐らく、チケットの値段が高かったからでしょう(汗)

そうはいうもののラーマヤナは世界のクラシック。古都ジョグジャカルタで古典に触れるというのは観光のよい思い出になると思います。

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