フィリピンで植林活動をするなら・・・

植林という極めてシンプルな活動をするための下準備にこれほどの手間がかかるとは・・・って当たり前か。プロジェクトの調整のため14日~17日までヌエバエシハに行ってきました。

植林活動実現に必要なのは、プラン、植える人、土地、植える木、手入れする人、約束を見守る人、知識(科学的知見)です。細かく言えば色々ありますが、ひとまずそれらを整えるのが今回の滞在の目的。

まず、植林のプラン。これがないことには始まりません。目的、期間等を話し合います。これは私のお手伝いしているフィリピンの団体ですでに決まっていたこと。実行に移す時期を早めただけのこと。平和と環境は繋がっているということで、多文化・異なる宗教の人たちの集いから、一歩進んで環境への取り組みを始めました。

科学的知見。どこに植えてもよいというものではありません。目的によって植える木の種類もかわります。専門家の関わりが必要になります。

植える人、これにはそれほど苦労しません。プランが出た時点で、誰が植えるかはおおよそ決まっているのが殆どですから。だいたはボランティアが来て植えます。しかし、コミュニティ外のボランティアだけでは「よそ者」が来て「勝手に」植えていったということになりますので、地元の人と一緒にやるというのが大切。植林のプログラムがありつつそれほど本気になっていなかった地元の人にどう本気になってもらうのか。


約束を見守る人はコミュニティにいます。植林活動にあたり、まずバランガイの長に話をし、学校長に話をし、市長とも話をします。物事の手順として挨拶周りは必要ですが、それ以前に息の長い活動にするためには彼らの理解が必要で、時を見てお話をしていきます。今回の訪問では、市庁舎入口に腰をかけていた市長さんとお話することができました。

手入れする人。木は植えたらそれなりに自分で育っていきます。特に、雨季の時期の植林は水やりの必要がなく比較的楽であると思われます。しかし、フィリピンの乾季3~4月は水やりなどの手入れが必要になります。そうなると誰かを雇わないといけません。政府のプロジェクトがある地であればいいのですが、そうでない場合はそれなりに準備がひつようになります。

植える木は、購入することも可能ですが政府が行っているプロジェクトに乗るという手もありかと。ただ、その場合は確約するために正式なレターを書いて政府の機関に提出することになります。

政府から木を入手することの良さはこちらの負担がないことですが、問題は木の種類を選べないことがなんともです。もともと植林をしなければならない理由は木の伐採の故です。木の伐採がおこるのは、生活のために伐採した木材で木炭をつくる人がいるためです。NGOとしては、木を切っちゃだめ!ということも必要ながら、切ってしまう原因である貧困の問題、その影響も考えないといけません。難しいところです。

土地ですがいつも国有地に植えるわけではありませんので、地主さんに会ってご挨拶ということになります。土地はすでに国から植林用として指定されている土地です。ただ、誰か個人の所有地に木を植えるというのはやはりリスクが大きいです。時が来たらやはり切られてしまうかもしれないからです。可能な限り国有地や共有地、あるいは持ち主に寄贈してもらうなども考えられます。それらが確約をとれない場合は・・・プロジェクトをしないという選択肢を取ることもあります。あるいはメモランダムをかわす。

いやはや、もう一息でプロジェクトが具体的に動く様子を見ることができます。

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