環境ワークショップ(2)ー環境に負荷をかけない生活を体験する


環境、という言葉を聞くと「専門外」として尻込みしてしまいそうですが、自然とまったく触れたことがないという人は皆無だと思います。どんなに都市化が進んでも小さな自然は存在し、私たちもその生態系の一部という意味では私たちも自然の一部であるということになります。なので、接したことがないということは絶対にありません。

それでも環境問題は複雑で、実際に何がどう関係しているかなど、素人にはわかりません。

と、終わっては元も子もないので、日常のちょっとした環境に関する問題意識を繋げて、実際のアクションに移せるワークショップを考案出来ないものかと私の関わるNGOは考え、そのモジュールを作成するワークショップを開催しました。

社会人を含めてのワークショップ故、週末を利用してと言うことになりましたが、参加者はミンダナオ島やルソン島の北部と、クリスチャンのみならずムスリム、先住民とNGOの仲間が集まることができました。

トイレの使用法を便器模型を使って説明する、団体代表
会場はリザール州のタナイ、都心から2時間ほどの距離ですが、緑が残る地帯です。その場所1ヘクタールほどを所有してスイス系NGO LILOKは自然と共生する研修センター作りました。その場所はいくつかの点で大変ユニークでかつ今回のワークショップのテーマとよく合致していました。

①太陽光発電
②水洗ではないトイレ
③環境負荷の高い製品の仕様の禁止
④野菜のみの食事
⑤ゴミ箱なし(ゴミは持ち帰り)

①太陽光発電
しかし、電力は弱いため滞在者の私用の携帯電話やパソコンのチャージは禁止です。
いざという時にはジェネレーターがありますが、使用は控えています。

②水洗ではないトイレ
ただのぼっとん便所ではありません。私たちの排せつ物は最終的には肥料になる仕組みがあります。大きいほうの用を足した場合は便器の上から土をかぶせるようになっています。何カ月もかけてバクテリアがそれを食べ、そしてそれを虫の幼虫が食べ~という風に食物連鎖で繋がる仕組みがあります。
水利用は絶対禁止。水を使おうものなら、”もの”が乾燥せず、肥料となるい一連の流れがスムーズにいかないためだからだとか。

セッションホール
③環境負荷の高い製品の使用禁止
シャンプーは勿論、石鹸も備え付けのもの以外は使用禁止です。日常的に使うシャンプーや石鹸の成分は分解されると時にパッケージに書かれていますが、問題はその期間です。この施設では施設から出たそれらの生活排水も施設内で浄化される仕組みを作っています。

④野菜のみの食事
私はセミ・ベジタリアンなので肉食抜きでも全然大丈夫ですが、一部の参加者には堪えたのではとおもいます(笑)食肉の生産は地球環境に大きな負荷をかけています。

⑤ゴミ箱なし
団体の代表は「ゴミ箱はうまく隠してあります」と言っています。
特に自然に替えることないプラスティックの使用を禁止しています。プラスティックは便利ですが、燃やせば有毒ガスが出て、埋めても土に返らないプラスティックの使用は辞めるべきという哲学があります。

施設はよく整備され、電化製品に溢れる「便利」な生活を享受する我々からすると少々不便に感じますが、この環境が非常によく我々の日常生活の「過剰さ」が強調されます。

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