若者のボランティア活動ってどうよ(5) ~JVPフォーメーション~

数回にわたり好き放題若者のボランティア活動について書いていますが、この期間フィリピンのボランティア派遣プログラムのフォーメーション(チームビルディング+出発前の準備)を見学してきました。

ボランティア派遣プログラムの名称はイエズス会ボランティアフィリピン。イエズス会系列であるアテネオ大学が音頭を取ってこのプログラムを実施しています。ボランティアは大学卒業した社会人、年齢制限は35歳まで。各自の専門分野を活かした活動に一年間従事します。教師であれば、現地の小学校で主要教科を教えたり、看護師の資格を活かしコミュニティナースとして活動したりします。派遣される地域は地方も先住民族の居住地が多く、大体はバスで5時間さらに歩いて一日がかりでたどり着くような“秘境”(汗)だったりします。

募集は毎年8月ぐらいから始まり、そして書類選考、面接を経て選ばれた人たちがまずは地域ごとに集まり今回のような2泊でフォーメーションと呼ばれるチームビルディング、そして準備などを行います。それが終わってからは地域のボランティアたちはマニラに集合、各自のスキルをブラッシュアップするトレーニング、チームビルディング、そしてオリエンテーションが行われ、アテネオ大学マニラキャンパスで宣誓式をして各地域に出発です。一年の真ん中に集まりがあり、そしてそのあとは一年後の総括があります。

フォーメーションを見学した理由は、旦那も出身者で午前中のセッションを1つ担当しているということもありましたが、なによりもここ数週間のインターン受け入れの事件簿を考えて、一体皆何を考えて参加しているのか、どういう事情が背景にあり皆参加を決意したのか、フォーメーションって何をするものなのか。。。と野次馬根性で行ってきました。

プログラムは勿論、お祈りから始まりそのあとは、このプログラムに期待していることなどが共有され、スタッフが体験談などを語りました。

1年間は全ての経済活動を放棄して、ボランティアに参加する余裕がある=お金に余裕があるというわけではなく、何か突き動かされるものがあった、あるいは体験した人の話を聞いて興味をもった、更には無料で冒険ができると言った様々な理由で参加を決意したようです。しかし、特に家が経済的に楽ではない家庭の出身者は、大卒で家に稼ぎをもたらしてくれるはずの娘息子が一年間ボランティア活動するなんて・・・・と家族に反対されたとも言います。

スタッフの体験談では、プログラムに参加する際に彼氏に「彼とプログラム参加」のどちらを選ぶかと問われて、プログラムを選び結婚を直前に別れたという話をしてくれました。一体どんな選択肢なんだと心の中で思いつつも何かを得るために一度何かを捨てるというプロセスを経験していると感じました。

このプログラムは名称からも分かる通り、非常に宗教的です。参加の条件は現在はクリスチャンに
限られていますが、過去にも応募をしたときにはムスリムの応募者がいたそうです。いかなる宗教を持つ人にも開かれたプログラムとしたいといいますが、他の宗教の人を受け入れるにはまだ内部の準備が整っていないそうです。

ちなみに旦那のセッションが終わろうとした時に、「何かアドバイスを」と言われて、旦那は「ロマンチックな思いを特定の個人に感じたら一旦山を降りた方がよい」と話していました。話の肝は、絶対に孤独感を感じるのでその際に近くにいる人と恋に落ちる可能性があるとのこと。まぁ、一日がかりでたどり着くコミュニティに一生骨をうずめる覚悟の恋であればよいのですが・・・そうではないであれば一度リセットしなおすのがよいという話でした。あの時は若かったのね(笑)という話でしたが、日常にもあてはまる気がします。

ビコール地方の7人は今ごろはマニラでトレーニングを受けている頃でしょう。孤独に負けず、任期を全うして無事に帰ってきてください。






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